家計簿レシート何でもランキング提携する大手家計簿アプリのレシートデータを、フェリカネットワークスの「商品特定システム」で解析し、
その結果を様々な切り口で集計した「家計簿レシート何でもランキング」を公開しています。
第6回 レシートデータ分析でわかった「鬼滅の刃」コラボの驚くべき効果
日本最速で興行収入200億円を突破し話題となっている、劇場版『鬼滅の刃』。映画公開前から数多くのコラボ商品がコンビニやスーパーに並びました。
ラインナップを見てみても、子供向けの食玩やカード付き菓子以外にも、人気キャラをモチーフにしたお弁当やキャラが描かれた限定パッケージの商品など、幅広いターゲット層に対して『鬼滅の刃』がリーチできるコンテンツであることがわかります。
特に話題の的となっているのはダイドードリンコの缶コーヒー、通称「鬼滅缶」で、ダイドードリンコ社によると2020年10月5日の発売から3週間で累計5,000万本を突破し大好評とのことです。
今回はそんな『鬼滅の刃』コラボ商品に焦点を当て、レシートデータを分析。商品購買のトレンドと"鬼滅の恩恵"を受けたコンビニチェーンについて調査しました!
〔TOPICS〕①ダイドー「鬼滅缶」の驚異的伸び!シェアを奪われたのはどのメーカー?
②レシートでみえたコラボ商品それぞれの売れ行きとローソン一人勝ち状態
①ダイドー「鬼滅缶」の驚異的伸び!シェアを奪われたのはどのメーカー?
弊社が保有するIDレシートデータを使って、ダイドードリンコのコーヒー飲料の購入金額の日次推移をみてみました。「鬼滅缶」の発売と同時に、まさに"刃"の如く突出した伸びがみえます。最も伸びた10/6には、驚くことに平常日と比較して約15倍の急伸長を見せています。
発売同時のまとめ買い、また店舗によっては早々に品切れしてしまうなどもあり勢いは徐々に落ち着くものの、10月末時点でもまだ通常を上回る購入数となっています。
レシートデータから商品別に購入数をみてみても、やはり「ダイドーブレンドコーヒーオリジナル」「ダイドーブレンド 絶品微糖」「ダイドーブレンド 絶品カフェオレ」の「鬼滅缶」3商品に集中していました。
レシートデータをチャネル別でみてみると、伸びの大きいチャネルはコンビニエンスストアでした。また、二番手はスーパーかと思っていたのですが、意外なことにスーパーとドラッグはいい勝負をしていたようです。ドラッグストアでもリーズナブルな値段で食品や飲料を購入できることを、賢い購入者は知っていますね。
レシートデータからコーヒー飲料の週次のメーカーシェアを見てみると、やはり発売週にダイドードリンコのシェアはグッと伸びていたようです。代わりにシェアを取られたのは、コンビニのコーヒードリンクでトップシェアを誇るサントリーホールディングスで、商品別ではクラフトボスの購入数の減少が見られました。ついでオハヨー乳業などもややシェアを減らしています。カテゴリシェア2位の日本コカ・コ-ラは"鬼滅缶"躍進の影響をあまり受けていないようにみえますね。
②レシートでみえたコラボ商品それぞれの売れ行きとローソン一人勝ち状態
劇場公開前には、非常に多くの「鬼滅の刃」とのコラボ商品が店頭に並んでいました。
筆者の個人的意見ですが、鬼滅キャラの個性が最大限に生かされた日清食品の「鬼滅一丁」やローソンのコラボ弁当などはファンを喜ばせるひとひねりがあり見ているだけでも楽しかったです。特に公開前から様々な企画でコラボを続けていたローソンは、7月頃から既に「禰豆子の竹パン」などのつい手に取りたくなるような魅力的なタイアップ食品やオリジナル商品を展開していました。
6月末頃から発売された主なコラボ商品(食品/飲料関連)と購入数の週別推移をレシートデータで見てみると、夏頃から継続的に展開しているメーカーと映画公開に合わせて一気に露出と販売を促進したメーカーに分かれることがわかります。特にローソンPBのタイアップ食品は発売週に一気に購入され、すぐに完売になってしまった商品も多かったようです。
劇場版公開の10月に近づくにつれて、鬼滅コラボ商品購入に占めるローソン比率がどんどん増加していることがわかります。また、ローソン内に占めるお弁当をはじめとするタイアップ食品のシェアはなんと約8割に及びました。単なるメーカーのコラボ商品販売だけでなく、コンビニの主力商品であるお弁当の売り上げにしっかりとコラボを生かすローソンの手腕は見事!元々キャラクターコラボに定評のあるローソンだけに、仕掛けの時期の早さやコラボ企画の波状攻撃でファンの心をしっかり掴んだようです。劇場版『鬼滅の刃』の公開まではローソンしか行かない!なんてユーザもいたかもしれませんね!機会があれば、来店リピートの変化などもレシートデータで分析してみたいと思いました。
さて、レシートデータ分析でわかった「鬼滅の刃」コラボの効果、いかがでしたでしょうか?
今回はレシートデータからブースト商品のチャネルごとの購買実態の把握、カテゴリ内シェアの変化、特定商品の売上推移やチェーンシェアなどをご紹介しましたが、弊社のレシートデータ分析なら、以下のような切り口でも購買分析が可能です。
・「鬼滅の刃」コラボ商品の購入者はどんなユーザだったのか?
・「鬼滅の刃」コラボ商品購入者は、他のコラボ商品も併買したのか?
・「鬼滅の刃」コラボで、ローソンのリピーター増や他コンビニからのスイッチにつながったのか?
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