家計簿レシート何でもランキング提携する大手家計簿アプリのレシートデータを、フェリカネットワークスの「商品特定システム」で解析し、
その結果を様々な切り口で集計した「家計簿レシート何でもランキング」を公開しています。
第7回 ミスタードーナツ「ピエールマルコリーニ」コラボの効果
ミスタードーナツは 2021年冬にベルギーの王室御用達のチョコレートブランド「ピエールマルコリーニ」とのコラボ商品を期間限定で販売しました。
高級ショコラティエの味わいを堪能できる豪華なコラボ商品は見た目も可愛らしく、SNSでもたちまち話題となり、多数の店舗でコラボ期間中に行列が見られました。
今回は、家計簿レシートデータから、ミスタードーナツのピエールマルコリーニコラボ商品の購入実態を調査しました!
期間「コラボ前」:2020.11.17~2021.01.07(52日間)
期間「コラボ中」:2021.01.08~2021.02.28(52日間)
対象:フェリカネットワークスレシートデータ(約2.5万人分)
※「コラボ」:ミスタードーナツ「misdo meets PIERRE MARCOLINI ピエール マルコリーニ コレクション」
〔TOPICS〕
・売り切れ続出だったコラボ商品6品全てが、購入数でTOP10入り! ・コラボ効果で来店と購入額が増加、「新規・休眠」客の掘り起こしにも成功! ・ピエールマルコリーニコラボは女性30代が大きく反応
・コラボ商品購入が多い人ほど洋食・カフェ系の外食利用傾向が高まる!
・ピエールマルコリーニファンはやっぱり「新商品や限定品」に飛びついていた!
売り切れ続出だったコラボ商品6品全てが、購入数でTOP10入り!
上記は、ピエールマルコリーニとのコラボ直前に実施していた、ポケットモンスターコラボと、今回のピエールマルコリーニコラボ期間中の、ミスタードーナツにおける購入数量ランキングです。
ポケットモンスターコラボでは、販売個数トップ3にレギュラーメニューが君臨し、ポケットモンスターコラボ商品(全4種)はトップ4位、9位、21位、24位とまばらにランクインしていました。
しかし、今回調査したピエールマルコリーニコラボでは、数量限定販売だったにも関わらずコラボ商品6種類が全てトップ10位以内にランクインするという驚きの結果に!中でも「フォンダンショコラドーナツ ショコラ」はレギュラー人気商品「エンゼルフレンチ」を押し退けて堂々の3位にランクイン。レギュラーメニューの個数割合を軒並み減少させ、コラボ商品が上位を独占しました。
コラボ効果で来店と購入額が増加、「新規・休眠」客の掘り起こしにも成功!
上記は、コラボ期間中の、ミスタードーナツ利用者数、レシート枚数、合計購入額、平均購入額、平均購入個数の変化を測定しました。
コラボ前と比べると、コラボ中の利用者数は約123.8%、レシート枚数は125.3%、合計購入額も約126.4%とコラボ前よりも増加。コラボ効果によりコラボ中の来店数や購入額が増加されたことが分かります。
1レシートあたりの平均購入額は852円→860円、1レシートあたりの平均購入個数は4.5個→4.7個と、若干増加しました。
上記は、コラボ前と、コラボ中の週毎の利用者数を比較しました。ピエールマルコリーニコラボ開始の週を境に、コラボ中の週毎の利用者数は増えていることがはっきり分かります。
上記は、コラボ中のユーザーを「コラボ前3か月間から利用があったユーザー(=前から利用)」と「コラボ前3か月間利用がなかったが、コラボ中に利用があったユーザー(=新規・休眠)」に分けて表しました。
ピエールマルコリーニのコラボ中の利用者の約半分が3か月以上利用がなかった休眠もしくは新規利用者でした。コラボ効果により「新規・休眠」ユーザーの来店(トライアル・再来店)を生み出せたことが分かります。
上記は、購入者あたりの平均購入額の変化をコラボ前とコラボ中で比較したものとなります。コラボ前の平均購入額は852円、コラボ中は平均860円となっており、平均購入額は微増でした。
次にコラボ前とコラボ中の「購入単価」帯の割合を比べてみました。すると、「前から利用」ユーザーが2,000円以上の購入したレシートの割合は5.0%→3.2%に減少、「新規・休眠」ユーザーも2,000円以上の購入をした割合は3.0%でした。
コラボ中は2,000円未満の、低価格帯での購入が多かったことが分かりました。
続いて購入者あたりの平均利用回数を、さきほどと同期間で比較しました。コラボ中の月の平均来店回数は全体では1.4回→1.4回と変化なしでしたが、「前から利用」ユーザに絞ると平均来店回数は1.4回→1.6回に増加となりました。また、コラボ中の利用回数でみると「2回」利用者の割合が最も多くなり、通常時よりもリピートで利用されていたことがわかります。なお、「新規・休眠」ユーザーは、「1回」利用者がほとんどであり、平均利用回数も全体を下回り1.3回でした。
以上のことから、ピエールマルコリーニとのコラボによってコラボ期間中の利用者数と来店回数、購入金額を増加させることに成功したようです。新規トライアルや休眠ユーザーの再来店を促すきっかけを作りつつ、前から利用していた既存ユーザーについても来店回数アップにつながっておりCMやSNSなどの話題性も相まってしっかりと来店喚起と売上獲得ができていたといえそうです。
ピエールマルコリーニコラボでは女性30代、高所得層が大きく反応!
続いてはユーザーに焦点をあてていきます。コラボ期間中のピエールマルコリーニコラボ商品購入者の属性を、ミスド利用者の属性と比較してみました。「コラボ2個以上購入者」は、ピエールマルコリーニコラボ商品を2個以上購入したユーザー群の傾向です。コラボ2個以上購入者は女性比率が若干上昇、年代別では30代の比率が半数近くまで増加し最も多くなりました。 年収別では、200万円以下の購入は10%台と低い一方で、600万円以上の比較的高所得な層が多かったことが分かります。
コラボ商品購入が多い人ほど洋食・カフェ系の外食利用傾向が高まる!
ユーザーを3つのカテゴリー「ミスド利用者」「コラボ1個購入者」「コラボ2個以上購入者」に分けて、外食傾向を調査しました。比較すると、ミスド利用者よりも、コラボ購入数が多いユーザーほど全体的に外食利用が多く、とくにコ-ヒーチェーン、洋食系のファストフードやファミレスでの利用が多いことが分かりました。
一方で牛丼や弁当、餃子など和食系の外食チェーンは利用傾向が減るというわかりやすい傾向もみえました。
ピエールマルコリーニファンはやっぱり「新商品や限定品」に飛びついていた!
続いて、各コンビニのデザートカテゴリでの購入上位商品を比較しました。
大手3コンビニのいずれにおいても、ピエールマルコリーニ購入者は新商品や期間限定商品、人気パティシエとのコラボ商品が購入上位に入る結果となりました。。特に「ピエールマルコリーニに反応する人は”ピエールエルメ”コラボにも飛びつく」という、想像通りの相性がデータから確認することができました。
通常のミスド購入者と比較すると、新商品や限定商品など、トレンドや話題の商品にはいち早く反応し購入する傾向であることが分かります。
以上のことから、ピエールマルコリーニコラボに反応したユーザは、女性の所得の高めの層であり、日常的にカフェや洋食系の外食やコンビニコラボスイーツなどを好んでいるユーザであったことがわかりました。
他にも、コラボ購入ユーザのよく買うチョコレートやアイスクリーム、惣菜などを調べてみても面白いかもしれませんね!
以上、レシートデータから読み解くミスタードーナツ「ピエールマルコリーニ」コラボ商品の効果についてのまとめでした。
今回はレシートデータから平均購入単価やユーザーごとの来店頻度を分析することで、ピエールマルコリーニコラボの効果や購入者像を調査しましたが、こういった分析は外食での注文メニューデータまで持っている、業態横断でデータが見られるフェリカネットワークスのIDレシートデータならではのデータ活用法だと思います。
レシートデータから読み取れる情報はまだまだあります!
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