“IDレシート”分析レポート

第5回 コロナ禍で「大豆ミート」が急伸長!売れた商品の特徴とは?

大豆で作られた植物性肉「大豆ミート」商品の注目が高まっています。大手精肉メーカーや豆製品メーカーでは、大豆ミートを使用した商品を多数発売、コンビニ大手3社も大豆ミート商品の開発に本腰を入れ始めています。今回は、レシートデータから読み取れる大豆ミートの購入実態を調査しました!


〔TOPICS〕
3月と5月以降で急伸長 コンビニでの採用で人気が本格化!
白熱する大豆ミート商品競争!売れ行き好調はあのコンビニだった

①3月と5月以降で急伸長 コンビニでの採用で人気が本格化!

大豆ミート関連商品のレシート枚数(購入数)を月別推移で表しています。月毎に購入数が増加傾向になるタイミングがありますが、これはコンビニの大豆ミート商品の発売と連動しています。特に力を入れているファミリーマートでは3月に「鶏むね肉と大豆ミートのそぼろごはん」、5月に「大豆のお肉!キムチビビンバ丼」を発売、さらに6月にも定期的に大豆ミート新商品弁当を発売しています。
他コンビニも大豆ミート商品を展開しており、特ににおにぎりやお弁当を発売したタイミングで購入数が増加しています。

上記は大豆ミート商品を「要調理品(ミンチやブロックの乾燥食材)」「簡易調理品(レトルト食品やチルド食品」「即食品(弁当、おにぎり等)」のカテゴリに分け、累積購入者の比較をしたグラフです。「要調理品」はコロナ過の影響は少なくなだらかに増加、「簡易調理品」は7月後半から一気に増加、「即食品」は3月と5月に勢いよく上昇し、その後も持続的に購入者数が増えています。

以下、購入が急激に増えた「即食品」についてもう少し詳しく調べてみましょう。

「即食品(弁当、おにぎり等)」を男女別で比較すると、女性では3月に「大豆のそぼろごはん」がきっかけで伸びており、男性では5月の「ビビンバ丼」を機に顕著に大豆ミート弁当購入が増えています。在宅ワークが増えた時期に、女性はヘルシーな大豆ミート食品にいち早く反応、一方男性は徐々にコロナ太りが気になりつつあるものの、パンチのあるものも食べたい。そんな5月に登場した、お肉の代わりに大豆ミートを使用したヘルシーなビビンバ丼は、多くの男性の心を捉えたようです。その後も各コンビニがこぞって大豆ミート弁当を販売したことで、購入ユーザーは男女ともに右肩上がりで増えています。

②白熱する大豆ミート弁当競争!売れ行き好調はあのコンビニだった

2月までは「調理用」を中心に販売していたスーパーの購入数が多かったのですが、3月以降は各コンビニが即食品として大豆ミートを使った弁当を展開したことで購入が飛躍的に増え、スーパーの購入数を上回る結果となりました。

3月以降はスーパー、コンビニで大豆ミート商品が相次いで登場しました。コンビニでは大豆ミート弁当の全国展開で販路が拡大されたことにより、大都市圏での購入だけでなく、全国区になり誰でも手に取れる商品となりました。

2月には、ローソンが先駆けてバーガーを一部店舗で発売していましたが、大きな反響はありませんでした。3月からは、ファミリーマートが約1か月毎にひき肉の代替とした大豆ミート弁当を展開し、新商品を出すたび好調に購入されています。
一方のローソンも、7月から大豆ミート商品を拡充し、スピードをあげて巻き返しを図っています。最大手のセブンイレブンは時期的には遅かったものの、7月におかずやおつまみとして万能なタコスを販売し好調、その後も食物繊維たっぷりのトマトスープやハンバーグタイプのロコモコ丼など、さすがの商品開発力で女性を中心に支持を集めています。

大豆ミートはハンバーグなど「肉単体」として食べるより、色々な味付けで食べられる「ひき肉」の代替商品の方が、大豆ミート初心者にはエントリーしやすいようです。ファミリーマートはそのような消費者の心理を巧みにとらえたメニューを展開されており、大豆ミート商品の展開では一歩優れているようです。今月10月13日に発売したばかりの「大豆ミートまん」「大豆ミートナゲット」も気になりますね!

在宅ワークが進み運動不足になりやすい中、今後は低カロリー&低脂肪である大豆ミートがサラリーマンランチのニューノーマルになるかもしれませんね。各コンビニのこれからの大豆ミート商品展開も大注目です。

今回はレシートデータから購入数や地域分布、属性を分析することでコロナ禍における大豆ミートの購入実態を調査しましたが、レシートデータから読み取れる情報はまだまだあります!例えば「大豆ミート弁当を買う人はどんな飲料を一緒に買うの?」「大豆ミート商品を購入する人は一緒に買う食べ物もヘルシーなの?」などの併買状況を調べたり、「大豆ミート弁当はランチ需要以外にも存在するのか?」など購入時間帯を調べることも可能です。

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