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40%増量キャンペーンは、どのような効果をもたらすのか

コンビニでランチをはじめとした食品を購入している方の中には、「大盛りにできたらいいのに」と考える場合もあるかもしれません。

そんな方々に訪れたチャンスが、ファミリーマートが実施した「お値段そのまま!! 40%増量作戦」というキャンペーンです。価格はそのままで40%増量となるため、「大盛り」を希望している人にはピッタリな販促企画ですが、ファミリーマートの狙いはどこにあるのでしょうか?

「お値段そのまま!! 40%増量作戦」は、どのような人が利用して、企業にどのような効果をもたらしたのか、検証してみました!
検証の結果

◎サンドイッチ、カウンターフードが好調で、キャンペーン前週の3~6倍の売れ行きに!
◎主な利用者は、男性20~40代、女性30代の、共に会社員の比率が高くなった!
◎4人に1人(24%)が40%増量商品をリピートしていた!
◎利用者は、マクドナルドやすき家などのガッツリ系のファストフード、お弁当チェーン店などを併用!
◎キャンペーン期間中は、「40%増量商品購入者」「ファミリーマート利用者」共に、ファミリーマートのシェアが増加!
◎特にキャンペーン期間中「40%増量商品購入者」のファミリーマートのシェアは高く、7割近くまで伸びた!
◎セブンイレブンのシェア減少は顕著で、「40%増量商品購入者」においては、キャンペーン後もシェア回復率がキャンペーン前の8割程度とセブンイレブンのシェアを奪った!

では、ファミリーマートの「お値段そのまま!! 40%増量作戦」が、どのようなキャンペーンなのか確認していきましょう。

「お値段そのまま!! 40%増量作戦」とは、2022年8月2日(火)から全国のファミリーマート約16,600店で開催した食料品の「40%増量キャンペーン」です。お惣菜やおむすび、サンドイッチ、ホットスナック、スナック菓子など全20種類の対象商品が、3週間週替わりで販売されました。

対象商品一覧
●1週目:2022年8月2日(火)~8月8日(月)
【オリジナルフード】
・クリスピーチキン(プレーン)
・炭火焼きとりももタレ
・テリヤキチキンとたまごのサンド
・直巻 明太子マヨネーズ
・タルタルチキン南蛮
【菓子】
・窯出しとろけるプリン
・素材のおいしさそのままえんどう豆スナック
・サクサクか~るいチーズスナック
・チョコを味わうコーンチョコ
・深煎りピーナッツのピーナッツチョコ
・なめらかなチョコを味わうチョコビスケット
【飲料】
・メガライフガード700ml

●2週目 :2022年8月9日(火)~8月15日(月)
【オリジナルフード】
・スパイシーチキン
・ファミコロ
・ツナたまごサンド
・直巻 焼しゃけ
・大盛おつまみポテト&ウインナー

●3週目:2022年8月16日(火)~8月22日(月)
【オリジナルフード】
・ハムチーズたまごサンド
・ネギ油と黒マー油で仕上げた!チャーシュー炒飯
・シュウマイ&甘酢肉団子

カウンターフードや、サンドイッチ、おにぎり、お弁当などが対象商品となっていました。 では、実際のキャンペーンの効果を見ていきましょう。

それでは実際に「40%増量」にすることで、対象商品の購買数がどれくらい伸びるのか、実際の購買データを使って検証していきましょう。キャンペーン前週とキャンペーン実施週の対象商品の購買数を比較して、その伸びを確認します。

当社フェリカネットワークスの「IDレシートデータ」では、全国3万人の日々のお買い物のレシートデータを蓄積しています。コンビニのカウンターフードのようなJANコードが付与されていない食品もデータの取得が可能なので、このデータを使って40%増量の対象商品の購買数の伸びを、食品カテゴリごとに確認してみましょう。

【カウンターフード】
まずは、ファミリーマートの中でも人気の「カウンターフード」です。
対象商品の40%増量前後の1週間の購買数の伸びが下記のようになります。


「カウンターフード」の購買数前週比較


カウンターフード

「クリスピーチキン」は632%と6倍の購買数に、「スパイシーチキン」は400%で4倍に、牛肉コロッケの「ファミコロ」は302%の3倍と、大きく購買数を伸ばしています。

【サンドイッチ&おにぎり】
続いて、ランチに人気の「サンドイッチ」と「おにぎり」の状況を見てみましょう。


「サンドイッチ&おにぎり」の購買数前週比較

サンドイッチおにぎり

最も伸び率が高かったのは「テリヤキチキンとたまごのサンド」で638%、「ツナたまごサンド」も630%と、サンドイッチはどちらも6倍以上の増加となります。

そしておにぎりの「直巻明太子マヨネーズ」が246%、「直巻焼しゃけ」が225%と、サンドイッチの6倍以上と比較するとゆるやかですが、2倍以上に購買数を伸ばしています。

【お弁当&お惣菜】
最後は、「お弁当」と「お惣菜」です。


「お弁当&お惣菜」の購買数前週比較


お弁当お惣菜

大きく伸びているのが、お惣菜の「シュウマイ&甘酢肉団子」で2150%、約22倍です。
ただこの商品は、キャンペーン前週に限らず通常の購買数は多くはありません。今回増量になり、陳列などでも目立ったことで、購買数が伸びたと考えられそうです。キャンペーン前の購買数が他商品より少ないことから、参考値として見たほうがいいかもしれません。


シュウマイ&甘酢肉団子

シュウマイ&甘酢肉団子」40%増量前後の比較
出典:ファミリーマート「お値段そのまま!! 40%増量作戦」ページ


そしてお弁当の「ネギ油と黒マー油で仕上げた!チャーシュー炒飯」は322%と、3倍となっています。同じお米系食品となるおにぎりの伸び率が200%台でしたので、元々腹持ちのいいお米食品は、他商品ほど高い伸び率とならないようです。

このように、好調に購買数を伸ばした「40%増量キャンペーン」ですが、リピート利用者はどれくらいいるのでしょうか。

【購入回数】
「購入回数分布」を見ると、「40%増量商品購入者」は24%が複数回購入していることが分かります。それに対して「通常商品(40%増量していない商品)購入者」は17%です。「40%増量商品購入者」が7ポイント高くなっていることから、増量を待っていたユーザーが一定数いたように見受けられます。


購入回数分布

購入回数分布_比較

また1回の買い物で、「40%増量商品」購入者と非購入者(通常サイズ購入者)は、どれくらい購入価格が異なるかを「レシート単価」で比較してみました。


レシート単価の比較

レシート単価

「40%増量商品購入者」のレシート単価は942円、「通常サイズ購入者」のレシート単価1,187円の79%となっており、21%安い金額で買い物をしていることが分かりました。

通常は、何かもう1品購入するところを、「40%増量」だからと1品減らしたというようにも受け止められるデータとなりました。


キャンペーン対象商品は、目立つように陳列されることも手伝って、好調に購買数を伸ばしていることが分かりました。

特にカウンターフードやサンドイッチの反応は大きく、キャンペーン前週と比較して6倍以上購買数を伸ばした商品もありました。一方「おにぎり」は、他商品ほどは伸びませんでしたが、2倍以上としっかりとキャンペーン効果が出ています。

このような状況から、下記のような結果が見出せました。

・サンドイッチが好調で、前週の6倍に
・カウンターフードも前週の3~6倍と好調
・おにぎりは前週の2倍で、他商品までは伸びなかったものの購買数は伸ばしている


またキャンペーン期間中、40%増量商品を複数回購入した割合は24%で「通常商品購入者」よりも7ポイント高くなっており、ボリュームに対するニーズが一定数あることが分かります。そして、1回の買い物でのレシート単価が、「通常商品(40%増量していない商品)購入者」よりも27%低く、増量の効果で「もう1品」の購入を控えているとも見えるような傾向がありました。

では、40%増量の対象商品は、どのような方が購入したのでしょうか。
IDレシートデータは、家計簿アプリで取り込まれるデータだからこそ、購入者の属性が分かります。「家計簿全体(登録者全体)」と、「ファミリーマート利用者」そして「40%増量商品購入者」を比較して特徴を見ていきます。

【年代】
まず特徴的だったのは、男女の「年代」差です。
「女性」は30代だけが3ポイント高いのに対し、「男性」は20代が4ポイント、30代が2ポイント、40代が3ポイントと、40代までが高くなっていることが分かります。


男女による世代差

男女比較世代


【職業】
職業は、男女ともに「会社員」が多くなっています。
「ファミリーマート利用者」と比較して「40%増量商品購入者」の「会社員」は、女性で5ポイント・男性で4ポイント高いことが分かります。



【職業(女性)

職業_女性

職業(男性)

職業_男性

このように見てみると、「40%増量商品購入者」は、「ファミリーマート利用者」と比較して下記のような特徴があることが分かります。

・年齢層は男性では20~40代が高く、女性は30代だけが高い
・職業は会社員が女性で5ポイント・男性で4ポイント高い

続いては「40%増量商品」が、いつ購入されているかを調べてみましょう。

【平日購入時間】
まずは「平日」の購入時間を見てみましょう。



平日購入時間

平日購入時間

出勤時間となる朝7~8時は、「ファミリーマート利用者(キャンペーン期間中にファミリーマートで何らかの食品を購入した方)」と比較して低い数値となっています。しかしランチタイムの12時には4ポイント、帰社や残業時間帯の17~19時頃には1~2ポイント高い数値となっています。

朝よりも、ランチタイムの12時と帰社や残業時間帯の17~19時頃にニーズが高くなっていることが分かります。

【休日購入時間】
では「休日」は、「平日」と変化はあるのでしょうか。
休日の購入時間を見てみましょう。


休日購入時間

休日購入時間

まず、朝帯の7時と8時で、変化が見られます。
7時は「ファミリーマート利用者」と比較して3ポイント高くなっていますが、8時になると1ポイント「ファミリーマート利用者」よりも低くなります。平日は、オフィスで働く会社員のニーズが高いものの、休日は現場で仕事をしている会社員のニーズが高いのか、少し早い時間帯の朝7時台がピンポイントに高くなっているのが、平日との違いです。

昼帯は「平日」同様に、「ファミリーマート利用者」よりも高い状態となります。
ただ14時になると数値は減少し、そこから徐々に増加に転じます。「平日」の帰社や残業時間帯にあたる19時には、「ファミリーマート利用者」よりも1ポイント高い数値となりますが、20以降は減少していきます。「休日」に関しては、昼の時間帯が11時~13時と幅広く伸びていることが分かります。

また「40%増量商品購入者」が、普段どのような外食チェーンで食事をしている傾向が強いのかを見てみましょう。

「IDレシートデータ」の中で、「コンビニ利用者」が下記の該当外食チェーンを利用している割合に対して、「ファミリーマート利用者」と「40%増量商品購入者」が、どの程度差があるかを示したものになります。

「40%増量商品購入者」が、「ファミリーマート利用者」と比較して高く出ているTOP15が下記の外食チェーンです。


利用外食チェーン店

外食

大きく差がついているのが、「マクドナルド」の2.9ポイント差と、「すき屋」の2.3ポイント差です。それ以外も、「吉野家」「かつや」などのファストフード、「ほっともっと」などのお弁当チェーンの名前も確認できます。

「40%増量商品購入者」は、「ファミリーマート利用者」と比較すると、リーズナブルにガッツリ食べられる系のファストフード利用率が特に高いことが見えてきました。

では、40%増量キャンペーンを実施することで、商品の認知度が上がり、その後の購買に好影響が出ているのでしょうか?

キャンペーン実施前月の7月における1週間の平均購買数を100%とした場合に、キャンペーン後(翌週)から、どのような変化になっているかを調べました。 キャンペーン実施後に、伸びが確認できるのが、下記商品です。


キャンペーン後、購買数が伸びた商品

販売伸びた商品

※キャンペーン実施前月1週間の平均購買数を100%とした場合の増減率
※40%増量中の「キャンペーン対象期間(1週目)」は、増量商品にシフトするため除く
※40%増量商品は除く



サンドイッチの「テリヤキチキンとたまごのサンド」や、お弁当の「ネギ油と黒マー油で仕上げた!チャーシュー炒飯」、カウンターフードの「スパイシーチキン」が、キャンペーン後に購買数を伸ばした商品となります。

キャンペーン実施後、最も購買数の伸びが大きかったのが「テリヤキチキンとたまごのサンド」です。

ファミリーマートのサンドイッチの中では、比較的高価格帯に入る税込298円の商品です。
2個セットのサンドイッチの中では、「5種具材のミックスサンド」が税込200円、「たまごサンド」が税込248円の低価格帯の商品です。同価格帯では、2個セットではなく3個セットの「ミックスサンド」が税込278円、「たまハムミックスサンド」が税込298円で購入できるため、2個で税込298円は比較的高価格帯と見えるかもしれません。


商品比較

しかし、同じ「テリヤキチキンサンド」を、コンビニ他社と比較すると、ファミリーマートの「テリヤキチキンとたまごのサンド」は、リーズナブルな価格となっています。

セブンイレブンの「照焼チキンとたまごサンド」は税込313円と、300円を超えてファミリーマートより15円高くなっています。ローソンの「照焼チキンたまごサンド」も300円超えの税込333円で、ファミリーマートより35円高くなっています。

競合他社で300円を超えている「テリヤキチキンサンド」がギリギリ200円台とリーズナブルな中で、キャンペーンの影響がどのように出ているのかを深堀してみましょう。

【セブンイレブンでは何を買っているのか】
では、今回のキャンペーンで『【40%増量】テリヤキチキンとたまごのサンド購入者』が、セブンイレブンでどのような食品を購入していたか、期間併売データを確認してみます。

【キャンペーン期間前】
キャンペーン実施前の1か月の同期間(7/2~22)、『【40%増量】テリヤキチキンとたまごのサンド購入者』がセブンイレブンで購入した食品のTOP10が下記となります。


『【40%増量】テリヤキチキンとたまごのサンド購入者』が
セブンイレブンで購入した食品のTOP10
~キャンペーン期間前~

てりたま併売_セブン_前

元々「チキン」は好みだったように見受けられます。
最も購入されているのが「からあげ棒」で、8位が「たんぱく質が摂れる鶏むね肉サラダ」となっており、10位にはロールパンを使用した「たんぱく質が摂れるチキン&チリ」のサンドが入っています。

その他、緑色でマーキングしたお肉系の食材もTOP10に入っていますので、普段からガッツリとお肉を食することが好みの方であることが推測できます。

【キャンペーン期間中】
では、ファミリーマートの「40%増量キャンペーン期間中」は、セブンイレブンでどのような商品を購入していたのでしょうか。

キャンペーン期間中(8/2~22)に、『【40%増量】テリヤキチキンとたまごのサンド購入者』がセブンイレブンで購入した食品のTOP10が下記となります。


『【40%増量】テリヤキチキンとたまごのサンド購入者』が
セブンイレブンで購入した食品のTOP10
~キャンペーン期間前~

てりたま併売_セブン_期間中

「からあげ棒」が1位で、お肉系食材が多いのは変化ありません。
ただ、8位に「てりたまサンド」がランクインしています。

キャンペーン前の「てりたまサンド」は、併買率0.6%とかなり下位に位置していました。
しかし、キャンペーン期間中には8位で併買率1.9%となり、ファミリーマートとセブンイレブンのどちらが美味しいかを比較しているようにも見えます。

【ローソンでは何を買っているのか】
ではもう1社の競合ローソンでは、『【40%増量】テリヤキチキンとたまごのサンド購入者』が、どのような食品を購入していたのでしょうか。期間併売データを確認してみましょう。

【キャンペーン期間前】
キャンペーン実施前の1か月の同期間(7/2~22)、『【40%増量】テリヤキチキンとたまごのサンド購入者』が、ローソンで購入した食品のTOP10が下記となります。


『【40%増量】テリヤキチキンとたまごのサンド購入者』が
ローソンで購入した食品のTOP10
~キャンペーン期間前~

てりたま併売_ローソン_前

セブンイレブンと似たような傾向が見受けられます。
最も購入されているのが「からあげクン濃厚チーズ味」で、5位が「パリチキ」、8位は「カラアゲクンレギュラー5コ」とチキン系食材が3つ入っています。

その他、緑色でマーキングしたお肉系の食材もTOP10に入っていますので、普段からガッツリとお肉を食することが好みの方と推測できるのは、セブンイレブンと同じです。

【キャンペーン期間中】
では、ファミリーマートの「40%増量キャンペーン期間中」は、ローソンでどのような商品を購入していたのでしょうか。

キャンペーン期間中(8/2~22)に、『【40%増量】テリヤキチキンとたまごのサンド購入者』が、ローソンで購入した食品のTOP10が下記となります。


『【40%増量】テリヤキチキンとたまごのサンド購入者』が
ローソンで購入した食品のTOP10
~キャンペーン期間中~

てりたま併売_ローソン_期間中

キャンペーン期間中には、セブンイレブンと同様に競合商品が購入されていることが分かります。「照焼チキンたまごサンド(チキン20%増量)」は、増量まで含めて同様の商品で5位となっています。10位にも「チキンカツサンド」で、こちらはたまごが入っていないサンドイッチとなります。

セブンイレブンとローソンの、キャンペーン前と期間中に併売商品を比較することで、「40%増量キャンペーン」利用者が、競合他社でも競合商品を購入して比較検討していることが分かりました。

ファミリーマートの「テリヤキチキンとたまごのサンド」は、他社と比較すると300円を切る価格帯でリーズナブルなため、実際に他社の競合商品を食して比較することで、「ファミリーマートのほうがお得」と判断されたとも考えられます。

キャンペーン翌週が、前月の購買数の2倍以上となり、3週連続で前月の購買数を上回る結果となりました。

上記のように「テリヤキチキンとたまごのサンド」は、競合となるセブンイレブンやローソンで味の比較がされている様子が確認できました。

では、キャンペーン期間中やキャンペーン後に、キャンペーン商品購入者が「ファミリーマートの商品に魅力を感じ、競合チェーンの利用が減った」という効果はあったのでしょうか?

キャンペーン期間中にファミリーマートで何らかの食品を購入した「ファミリーマート利用者」におけるコンビニ大手3社の購入金額のシェアを、キャンペーン前月・キャンペーン期間中・キャンペーン翌月で比較してみました。


ファミリーマート利用者の購入金額シェア

流出入

ファミリーマートは、キャンペーン期間中にシェアを50.6%と5割を超えました。
そしてキャンペーン翌月には、キャンペーン期間中と比べてシェアは減少するのですが、キャンペーン前月との差に注目してください。

ファミリーマートのシェアは、キャンペーン前月の38.4%から4.7ポイント増の43.1%となっています。そしてセブンイレブンは、キャンペーン前月の48.7%から3.7ポイント減の45.0%に。ローソンは、キャンペーン前月の12.9%から1.0ポイント減の11.9%になっています。

ファミリーマートだけがシェアを伸ばして、他社はシェアを下げたことが分かります。

では、「40%増量商品」を購入した人たちのシェアは、どのように変化したのでしょうか。


40%増量商品購入者の購入金額シェア

流出入_40%増量購入者

こちらもファミリーマートは、キャンペーン期間中にシェアを67.3%と7割近くまで伸ばします。そして先程と同様に、キャンペーン前月と翌月の差に注目します。

ファミリーマートのシェアは、キャンペーン前月の52.8%から7.3ポイント増の60.1%となっています。そしてセブンイレブンは、キャンペーン前月の37.6%から7.5ポイント減の30.1%に。ローソンは、キャンペーン前月の9.6%から0.2ポイント増の9.8%になっています。

「40%増量商品購入者」では、キャンペーン翌月もセブンイレブンのシェアがキャンペーン前月レベルに戻らず、37.6%から30.1%と8割程度の回復率にとどまっていることが分かります。

つまり、上記データより、下記のような状況が読み取れました。

【キャンペーン支持者の反応】
「40%増量商品購入者」においてファミリーマートのシェアは、キャンペーン前月で5割、期間中は約7割と、ファミリーマート支持層の心をつかんだキャンペーンとなっていることが分かります。

【キャンペーン効果の定着】
「ファミリーマート利用者」「40%増量商品購入者」共に、キャンペーン期間中はファミリーマートのシェアが上がり、キャンペーン終了後もキャンペーン前よりもシェアが上がっています。

【セブンイレブンシェアの減少】
キャンペーン期間中は、競合2社のシェアが低下しており、特にセブンイレブンの低下が著しく、「ファミリーマート利用者」「40%増量商品購入者」共に2~3割程度減少しています。キャンペーン前月から翌月におけるシェアの回復率においても、「40%増量商品購入者」のセブンイレブンについては8割程度の回復率となっています。

このような状況から、このキャンペーンによってファミリーマートは、競合チェーンから顧客を奪えたと考えられるのではないでしょうか。

このように分析してみると、40%増量キャンペーンで下記のようなことが見えてきます。

【購買数】
・サンドイッチが好調で、前週の6倍に
・カウンターフードも前週の3~6倍と好調
・おにぎりは前週の2倍で、他商品までは伸びなかったものの購買数は伸ばしている

【利用者属性】
ファミリーマート利用者全体と比較すると、下記のような特徴が見えてきます。

・年齢層は男性では20~40代が高く、女性は30代だけが高い
・職業は会社員が女性で5ポイント・男性で4ポイント高い

【利用回数とレシート単価】
・利用者の24%が、「40%増量商品」を複数回購入している
・リピート購入者は、「通常商品(40%増量していない商品)購入者」よりも7ポイント高い
・レシート単価が「通常商品購入者」よりも27%低く、増量の効果で「もう1品」の購入を控えているとも見える

【購入時間帯】
・平日の朝はニーズが感じられない
・平日昼(12時)と帰社時間帯(17~19時)が伸びている
・休日朝は、ピンポイントに7時が好調
・休日も昼帯(11~13時)は好調
・休日夕方17時に向けて徐々にニーズが上昇している
・休日夜は19時がピンポイントに高く、20時以降は減少する

【外食チェーン利用状況】
40%増量キャンペーン利用者が利用する外食チェーンの特徴が下記となります。

・マクドナルドやすき家などの、リーズナブルにガッツリ食べられる系のファストフード利用傾向が特に強い
・お弁当チェーン店の利用傾向も強い

【競合商品の競合他社での購入】
また、40%増量キャンペーン終了後も、購買数の伸びが特徴的だった「テリヤキチキンとたまごのサンド」を深堀すると、競合商品の競合他社での購入について下記のような状況が見えてきました。

・キャンペーン前は、該当商品を他社で購入する割合は低かった
・キャンペーン期間中は、競合他社の競合商品の併買率が高くなった

【競合チェーンの利用状況】
キャンペーン前月・期間中・翌月の各チェーンの購入金額を比較すると、下記のようなことが分かりました。

・キャンペーン期間中は、「40%増量商品購入者」「ファミリーマート利用者」共に、ファミリーマートのシェアが増加
・特にキャンペーン期間中「40%増量商品購入者」のファミリーマートのシェアは高く、7割近くまで伸ばした
・セブンイレブンのシェア減少は顕著で、「40%増量商品購入者」においては、キャンペーン後もキャンペーン前の8割程度の回復率となった

この「40%増量キャンペーン」により、他社から顧客を奪うことに成功したようにも見える結果となりました。

このように、当社フェリカネットワークスの「IDレシートデータ」を活用すれば、キャンペーンの反応が分かります。「期間併売」などの機能を活用すれば、キャンペーン対象商品購入者が、キャンペーン期間中に他店で何を購入しているかも分析できますので、自社のデータだけを分析するよりも、幅広い知見を広げることができます。
このような分析に興味をお持ちの方は、ぜひご活用ください。



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