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「カルディ」の売れ筋商品は、年代別にどのような特徴があるのか

輸入食品やオリジナル食品などが人気の「カルディ」。
テレビの情報番組やバラエティ番組でも、人気商品の特集が組まれるほど注目されている人気のチェーン店です。ずらりと陳列された珍しい商品に目移りしたことがある方や、リピート利用されている方も多いと思います。


またコロナ前には、「カルディ」入店時にコーヒーを配布されて、飲みながら買い物をした経験があると思います。お店の正式名称は「カルディコーヒーファーム」となっており、コーヒーは主力商品のひとつとなっています。


では、コーヒー、輸入食品、オリジナル食品をはじめ、多様な商品を扱うカルディの売れ筋商品は、どのような商品なのでしょうか。さまざまな視点からランキングを紹介します。


検証からわかったこと抜粋

今回の分析から、「カルディ」の売れ筋商品に関して、以下のような特徴が見出せました。

・売れ筋商品は「オリジナル食品」が最も多く、次いで「輸入食品」「コーヒー」が続く
・全年代で共通した売れ筋商品が4アイテムあり、全年代で上位となる
・50代以上は若干売れ筋商品の傾向が異なり、「オリジナル食品」の割合が低くなる
・全年代で「コーヒー」人気は高いが、20代以下だけは個包装のドリップタイプが人気
など

では早速、「カルディ」の売れ筋商品について調べてみましょう。分析に使用するのは、当社フェリカネットワークスの「IDレシートデータ」です。


「IDレシートデータ」は、全国3万人の日々のお買い物のレシートデータが保存されています。会員のプロフィール属性とレシートデータを紐づけていますので、どの店舗でどのような属性の方が何をいくついくらで購入したか分かります。最近、「カルディ」のデータも分析できるようになりました。


食品を取り扱う企業では、「カルディ」の売れ筋商品を気にされているケースも多いと思います。ぜひ、このようなデータを参考にしてみてください。


それでは早速、「カルディ」の売れ筋商品ランキングを見ていきましょう。
下記が「購買数」TOP20です。
※本記事で使用するデータは、2023年4月1日~6月30日の3か月間のデータです。


「購買数」TOP20

カテゴリで最も多いのが「オリジナル食品」の7アイテムです。次いで「輸入食品」「コーヒー」の5アイテム、「国内メーカー食品」の3アイテムが続きます。各カテゴリがバランスよくランクされており、しっかりとカテゴリごとの売れ筋商品が確立されていることが分かります。


1位の「ラ・プレッツィオーザ ダイストマト缶」は、トマトの名産地として知られるカンパーニャ地方産で、トマトの味が濃いと評判です。


2位の「もへじ サラダの旨たれ」は、豊かなゴマの香りとにんにくの旨みが評判のドレッシング。サラダだけではなく、うどんやチャーハン、炊き込みご飯の味付けにもおすすめだそうです。


3位の「ぬって焼いたらカレーパン」は、食パンに塗ってトーストするだけで、揚げたてのカレーパンのような食感と味わいが楽しめるカルディオリジナル食品です。類似商品で「ぬって焼いたらメロンパン」などのバリエーションも楽しめます。


購買数TOP3商品

人気の購買数TOP3商品

※画像は、公式サイトより引用
https://www.kaldi.co.jp/ec/pro/disp/1/8006643000928
https://www.kaldi.co.jp/ec/pro/disp/1/4570018724329
https://www.kaldi.co.jp/ec/pro/disp/1/4515996933134

上記のように「カルディ」商品は、コーヒー、オリジナル食品、輸入食品などが売れ筋となっています。年代別で比較すると、違いはあるのでしょうか。年代別の売れ筋商品の違いを見ていきましょう。


年代別の売れ筋商品を見ていく前に、「カルディ」利用者属性を確認してみましょう。
ベンチマークとして、同じオリジナル食品・輸入食品の販売を行っている「成城石井」と、大手スーパーマーケットの「イオン」との比較をしてみます。男女比と利用年代シェアが下記のようになります。


「カルディ」利用者の男女比/利用年代シェア

「カルディ」利用者の男女比/利用年代シェア

男女比については、「カルディ」は家計簿全体より12ポイント、「成城石井」「イオン」より5ポイント女性が高くなっています。利用者の82%が女性という、女性に支持されているチェーンであることが分かります。


利用年代シェアでは、「カルディ」は家計簿全体と比較して「20代以下」が4ポイント低く、「40代」が4ポイント高くなっています。「成城石井」「イオン」と比較した際は、各年代の差は2ポイント以内で、大きな差は見受けられませんでした。特にイオンとは差があるように想像していたので、ここまで似た構成であることは意外でした。


では年代別の売れ筋商品を見てみましょう。 下記が、20代以下から50代以上まで4年代の購買数TOP10です。


「カルディ」年代別購買数TOP10

「カルディ」年代別購買数TOP10

全年代1位が「ラ・プレッツィオーザ ダイストマト缶」で、「カルディ」を代表する売れ筋商品であることが分かります。さらに「パンダ杏仁豆腐 ミニ」「もへじ サラダの旨たれ」「【焙煎珈琲】マイルドカルディ」の3アイテムも全年代TOP10入りしています。全年代で売れ筋の4アイテムは、全ての年代で上位にランクしています。


また「50代以上」を除く3年代でTOP10入りの商品も2アイテムあります。「生ハム切り落とし」「ぬって焼いたらカレーパン」は、50代以上ではランク外となったものの、それ以外の年代では上位に位置する売れ筋商品となっています。


一方★マークのつかない、各年代でランクインしている商品の特徴としては、20代以下の「コーヒー」が【焙煎珈琲】シリーズの豆ではなく、【カフェカルディドリップ】シリーズの紙フィルターに入ったドリップタイプという傾向があります。ドリップコーヒーの手軽さを楽しんでいるように見受けられます。


2タイプのカルディコーヒー

2タイプのカルディコーヒー

※画像は、公式サイトより引用
https://www.kaldi.co.jp/ec/pro/disp/1/4515996019050
https://www.kaldi.co.jp/ec/pro/disp/1/4515996913792


また50代以上では「オリジナル食品」が2アイテムで、他の年代よりも少ない傾向が見受けられます。40代と50代以上でランクインしている「オリジナル食品」が、「くだもの屋さんのプルーン」です。


それでは、全年代TOP10入り商品の中で商品説明をしていない「パンダ杏仁豆腐 ミニ」、40代と50代以上でランクインしている「くだもの屋さんのプルーン」について、商品紹介をしましょう。


「パンダ杏仁豆腐 ミニ」と「くだもの屋さんのプルーン」

※画像は、公式サイトより引用
https://www.kaldi.co.jp/ec/pro/disp/1/4515996092190
https://www.kaldi.co.jp/ec/pro/disp/1/4945329101785


全年代でランクインしている「パンダ杏仁豆腐 ミニ」は、パンダのパッケージが印象的な、パックのまま冷蔵庫で冷やして食べる杏仁豆腐です。パックから出してとろ火で加熱して、ゼリー容器のようなお好みの型に入れて固めれば、お好みの形状にして食べることもできるそうです。


40~50代以上でランクインしている「くだもの屋さんのプルーン」は、厳選された大粒プルーンを種抜きした商品です。プルーンは、骨粗鬆症をはじめとした老化や生活習慣病の予防に重要な成分が含まれていると言われています。 そのような理由から、40代以上で人気なのかもしれません。


これまで「カルディ」の売れ筋商品について、ランキングを紹介してきました。
続いては、「カルディ」と並んでオリジナル食品・輸入食品で人気の「成城石井」と、どのような違いがあるのか、比較してみましょう。
下記が、「カルディ」と「成城石井」の購買数TOP20比較です。


「カルディ」と「成城石井」の購買数TOP20比較

「カルディ」と「成城石井」の購買数TOP20比較

「カルディ」「成城石井」ともに、「オリジナル食品」の割合が高いことが分かります。「カルディ」はTOP20のうち7アイテム、「成城石井」ではその2倍となる14アイテムが、「オリジナル食品」となりました。


また「成城石井」はスーパーマーケットなので、「生鮮食品」も5アイテムランクインしているという違いもあります。「カルディ」で売れ筋商品となっている「コーヒー」は、「成城石井」では1アイテムでした。


「カルディ」は、「オリジナル食品」「輸入食品」「コーヒー」がバランスよくTOP20に入っているのに対し、「成城石井」は「オリジナル食品」が、特にTOP20内で目立っているという特徴の違いが見えてきました。


それでは「成城石井」の売れ筋商品の中から、オリジナル食品を紹介しましょう。


「成城石井」のオリジナル食品

「成城石井」のオリジナル食品

※画像は、公式サイトより引用
https://seijoishiiblog.com/19945/
https://www.seijoishii.com/d/111814
https://www.seijoishii.com/d/111262


3位の「成城石井 かずのこチーズ」は、味付けした数の子を燻製にして、オランダ産ゴーダチーズと合わせた商品です。


9位の「成城石井自家製 国産豚の肉汁じゅわっと小籠包」は、もちもち食感の皮をかじると、じゅわっとした濃厚な肉汁があふれ出すオリジナル食品です。チキンエキスやオイスターソースで味付けされた、帆立、椎茸、玉葱などの材料の旨味が染み渡る商品です。


14位の「成城石井 2種ナチュラルチーズとハモンセラーノのオイル漬け」は、モッツァレラ及びレッドチェダーの2種類の角切りチーズとハモンセラーノなどを、バジル、ディル、ブラックペッパー、ガーリック入りのオイルに漬け込んだ、お酒にぴったりのおつまみです。


ここまでのランキングを見てみると、「カルディ」利用者は、他店にはないような「カルディ」ならではの商品を求めている様子が伝わってきます。では「カルディ」利用者は、他にどのようなチェーン店を利用しているのでしょうか。まずは、「カルディ」利用者が利用している外食チェーンを見てみましょう。


「カルディ」利用者が利用する外食チェーンTOP10

カフェでは「スターバックス」を、ハンバーガーチェーンでは「モスバーガー」を好んでいるようです。品質や雰囲気を大切にする外食チェーンを利用する印象を受けます。


続いて、普段買い物をしているチェーン店を見てみましょう。
こちらはベンチマークとして、大手スーパーマーケット「イオン」利用者の利用チェーンと比較してみました。レシート枚数の多いチェーン店TOP10が、下記となります。


「カルディ」「イオン」利用者の利用買い物チェーン店TOP10

「カルディ」「イオン」利用者の利用買い物チェーン店TOP10

「カルディ」利用者の2位には「イオン」がランクインしていますが、「イオン」利用者では「カルディ」はランク外の23位となります。また「カルディ」利用者においては、「ドラッグストア」が1件なのに対し、「イオン」では「ドラッグストア」が3件、「ディスカウントストア」が1件という相違がみられます。


また「カルディ」利用者のTOP10に、似たようなオリジナル食品・輸入食品を扱う「成城石井」はなく、32位となっていました。やはりオリジナル食品や輸入食品は、「カルディのものを選びたい」ということなのか、「カルディ」自体は5位となっています。スーパーマーケットの利用に関しては、大手スーパーや低価格帯を特徴とするスーパーもランクしており、特に強い志向性は確認できませんでした。


一方「イオン」利用者が最も利用するスーパーマーケットは、「イオン」自体が1位で、同じイオングループの「マックスバリュ」が5位と、スーパーマーケットの中ではTOP2となっています。ポイントが共通して利用できるためでしょうか。また「ドラッグストア」が3件、「ディスカウントストア」が1件ランクインしています。最近は「ドラッグストア」や「ディスカウントストア」でも生鮮食品やお惣菜を販売しているチェーンがあります。「イオン」利用者は、価格やポイントなどを踏まえて適切に利用チェーンを選んでいるのかもしれません。


「カルディ」利用者の「利用買い物チェーン」を見ると、食品は一般的なスーパーマーケットで購入しており、特にオリジナル食品・輸入食品を扱うようなスーパーを併用している訳ではないことが見えてきました。逆に、類似するようなタイプのスーパーは利用が少なく、オリジナル食品・輸入食品は「カルディ」にこだわっているようにも見受けられます。


このように、「カルディ」の売れ筋商品を見てみると、以下のようなことが分かりました。


【購買数ランキングについて】
・購買数TOP20では、「オリジナル食品」が最も多い
・次いで「輸入食品」「コーヒー」が続く


【「カルディ」利用者属性について】
・「カルディ」利用者は、女性比率が82%と高い
・「家計簿全体」と比較して、女性比率が12ポイント高い
・ベンチマークとした「成城石井」より、女性比率が5ポイント高い


【年代別の売れ筋商品TOP10の特徴について】
・全年代で共通した売れ筋商品が4アイテムあり、全年代で上位となる
・50代以上を除く3年代で共通した売れ筋商品も2アイテムあり、各年代で上位となる
・全年代で「コーヒー」人気は高いが、20代以下だけは個包装のドリップタイプが人気
・50代以上は若干売れ筋商品の傾向が異なり、「オリジナル食品」の割合が低くなる


【「カルディ」と「成城石井」の売れ筋商品の違いについて】
・「カルディ」「成城石井」ともに「オリジナル食品」が人気
・「カルディ」で人気の「輸入食品」は、「成城石井」ではTOP20には入らなかった


【「カルディ」利用者が利用する外食/買い物チェーン】
・「カルディ」利用者が好む外食チェーンは、「スターバックス」や「モスバーガー」といった、品質や雰囲気を大切にする外食チェーンという印象を受ける
・「カルディ」利用者は、競合と考えられる「成城石井」の利用は少なく、一般的なスーパーマーケットを利用している




このように、当社フェリカネットワークスの「IDレシートデータ」を活用すれば、「カルディ」と「成城石井」のように、競合する店舗での売れ筋商品が比較できます。また、「カルディ」利用者が利用しているチェーン店なども調べられます。「カルディ」のようにオリジナル食品を扱う企業では、季節ごとの動向が気になると思います。ぜひ、このようなデータを参考にしてください。このような分析に興味をお持ちの方は、ぜひご活用ください。



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