新規顧客を獲得するのは難しい?
顧客の種類
顧客とは、「自社の商品やサービスなどを販売する相手」を指します。しかし顧客の中にもステップがあり、そのステップに合わせたアプローチ方法をとることが重要です。
顧客の最初のステップにあたるのが、「潜在顧客」です。潜在顧客は商品やサービスにつながる問題を抱えていながらも、まだその商品やサービスを必要としていません。
潜在顧客が商品やサービスに興味を抱くようになると、「見込み顧客」となります。まだ購入に至っていないながらも、近い将来購入する可能性の高い人々です。
そして「新規顧客」とは、商品やサービスを初めて購入する人々のことです。見込み顧客が購入に至ると、新規顧客になります。
以降、商品やサービスを購入したことがある顧客は「既存顧客」と呼ばれ、中でも繰り返し購入する人々は「リピーター」となります。
新規顧客を獲得するのが難しい理由
企業が顧客の母数を増やすために、新規顧客は非常に重要な存在です。しかしながら、新規顧客の獲得はハードルが高いとされています。
この難しさを表しているのが、マーケティング用語の「1対5の法則」です。1対5の法則とは、「新規顧客を獲得するためには、既存顧客を維持する時の5倍のコストがかかる」ことを意味します。この要因の大きなものとしては、広告費などが挙げられます。
そして新規顧客獲得にかかるコストの多さを踏まえると、新規顧客と既存顧客で同じ額の売上を達成したとしても、新規顧客に販売した場合の方が利益率は低くなってしまうのです。
さらに商品の差別化という観点も、今日の市場においては大きな障壁となっています。現代においては、市場の発達が進む一方で人口が減少しています。その結果、市場競争が激化し、類似の商品やサービスの中から自社のものを選んでもらうことの難易度が上がっているのです。
新規顧客を獲得するための4ステップ
新規顧客を獲得するためには、大きく分けて次の4つのステップが必要となります。
1.ターゲットを明確に絞り込む
まずは、どの会社・顧客にアプローチするかを特定し、ターゲットを絞り込みます。ターゲットが異なれば、必要な訴求方法も異なるものです。
そのため、ターゲットがどのような特徴・悩み・考えをもっているか、自社のサービスや商品がその課題をどう解決できるのかという点まで、しっかりと検討を行いましょう。十分にリサーチを行い、明確なターゲットを設定することで、リソースを集中させることができるため、費用対効果の向上につながります。
2.ターゲットへのメッセージを作成する
ターゲットが絞り込めたら、ターゲットに何を伝えるかを明確にしましょう。ターゲットに対して訴求力の強いメッセージを作成するには、STEP1のターゲット選定が非常に重要となります。
ここでのメッセージとは、広告ではコピーライティングや広告文に、営業ではトークスクリプトにあたるものです。他社の成功事例や、自社の過去の事例の分析結果を活かすことも有効でしょう。
3.ターゲットへのアプローチを行う
ターゲットへのメッセージが作成できたら、実際にアプローチを行います。自社のリソースで可能な予算や労力に合わせて、ターゲットに対して効果的な集客方法を選択しましょう。
ここでの集客方法として、具体的にはインターネットなどの広告、飛び込み営業、テレアポなどが挙げられます。どれかひとつに絞るのではなく、複合的なアプローチ方法をとることで顧客の獲得率が上がります。
4.ターゲットへのヒアリングと提案を行う
購買意欲を高めるには、継続的なアプローチが必要です。アプローチにおいて課題を引き出し、適切な提案を重ねていきましょう。その中で、ターゲットが求めるものと自社の商品を近づけていくことも可能となります。
具体的には、直接ターゲットにヒアリングを行ったり、STEP1で設定したターゲットが集まりそうな場所でアンケートを実施したりといった方法があります。
新規顧客を獲得するためのアプローチ方法
新規顧客が商品を購入するまでの心理的段階
顧客が商品を購入するまでには、下図のような心理的段階があります。
そして、新規顧客を獲得するまでの段階、すなわち「商品を知る」~「商品を買う」までの段階におけるアプローチとしては、プッシュ型とプル型という2種類の方法が存在します。
プッシュ型
プッシュ型とは顧客に対して積極的にアプローチする手法です。
テレアポや、飛び込み営業、ダイレクトメールなど、自発的にターゲットと接触を図る方法がプッシュ型に当たります。
企業が営業の対象を選択できるため、ターゲットが明確に特定できている場合は比較的短期間での新規顧客の獲得が見込めます。
プル型
対してプル型とは、受動的なアプローチ手法で、顧客からのアクションを待つものです。広告、SNS運用、自社サイト・動画コンテンツなどのオウンドメディア、プレスリリースなどがこちらに当たります。
一度に多くの顧客に対してアプローチできるため、潜在顧客に限らず幅広い層にも働きかけが可能な点がプル型のメリットです。
新規顧客にリピートしてもらうには?
定期的なアプローチを行う
新規顧客にリピートしてもらうためには、思い出してもらうことが重要です。企業からのアプローチを定期的に行い、企業・店舗への訪問や商品・サービス購入のきっかけを定期的につくるようにしましょう。これらのアプローチを行うためには、顧客の住所やメールアドレス、SNSアカウントなどの情報を把握しておくことが必要です。
具体的なアプローチ方法としては、DMやメルマガなどが挙げられます。特に、「初回購入者には次回使えるクーポンを配信する」「購入した商品によって適したメルマガを送る」などの働きかけは顧客にとっても目に留まりやすいでしょう。
さらにSNSも定期的なアプローチを行ううえで有効です。SNSの場合、企業と顧客の間で直接的なコミュニケーションがとれるのがポイントです。企業を身近に感じてもらうことで、商品や企業のファンになるきっかけともなり得ます。
リピートのメリットを伝える
リピートしてもらうためには、何度も購入するとメリットがあるということを伝えるのも有効です。初回限定クーポンなど新規顧客向けのメリットだけでは、顧客を維持するのは難しくなってしまいます。
会員特典、ポイント制の導入、定期的なクーポンやセールなどがあれば、リピートするメリットを分かりやすく伝えることができます。また購入時に試供品を付けるなどして、次回の購入のハードルを下げる方法も良いでしょう。
顧客を維持するためには、継続して購入してくれている人を優遇し、感謝が伝わるようなアプローチを行うことが大切になります。
共感してもらう
継続して購入してもらうには、商品そのものだけでなく、その商品を購入することや利用すること自体に価値を見出してもらうことが重要です。商品やサービスの背景について共感を得られれば、企業やブランドのファン化にもつながります。
そのためにはまず、商品の背景にあるコンセプトやストーリー、ブランドのビジョンや企業理念をアピールし、顧客に企業の想いやこだわりを知ってもらうことがポイントとなってきます。商品やブランドの背景をアピールしていくことは、市場における商品の差異化にも役立つでしょう。
購入者の意見に耳を傾ける
購入者からの意見は、リピーターを獲得するうえでとても重要な情報です。
商品やサービスに関する感想や質問は、今後の課題を見つけるのに役立ちます。さらに、クレームなどのネガティブな意見はリピーターを獲得するために必要な改善点のヒントを与えてくれるものです。購入者の意見にしっかりと耳を傾け、今後に反映させることで、購入者がリピートしてくれる可能性を高めることができます。
購入者の意見を把握するうえでは、直接企業などに届くもののみならず、各種サイトやSNSに寄せられた口コミに目を通すという方法もあります。また、レビュー投稿を呼びかけるなど、積極的に意見を集めることも有効です。
顧客同士の接点をつくる
顧客同士をつなげることも、リピーターの獲得につながる可能性があります。顧客が横のつながりをもつことで、商品の良さや新たな側面について情報を共有し、商品やサービスへのファン化が期待できるためです。
取り入れやすいところでは、SNS上で特定のハッシュタグを作るなどが挙げられます。ハッシュタグを通して、顧客同士がその商品やサービスについて、気軽にコミュニケーションを取ることができます。さらには会員限定のイベントを開催したり、コミュニティサイトを作ったりすることで、より深く顧客同士の接点を生み出すことが可能になるでしょう。
新規顧客・既存顧客の比率や傾向を分析するには?
新規顧客を獲得するには、現状の分析が非常に有効です。自社の新規顧客の割合や、新規顧客が購入に至った際の状況、新規顧客の属性などを踏まえれば、自社に適した方法をデータに基づいて客観的に考えることができます。
そこで役立つのが、IDレシートBIツールです。IDレシートBIツールの大きな特徴は、チェーンやカテゴリに制限なく、日々の購買データを網羅的に蓄積している点にあります。
IDレシートBIツールを用いることで、自社商品の顧客のうち、過去に購入履歴のない新規顧客と2回以上購入履歴のあるリピート顧客の比率を分析できます。また新規顧客の購入場所、時間、同時に購入したものなどから購入に至った仮説を立てることができます。さらに新規顧客のデモグラフィック属性や購入傾向の違いを把握し、新たな新規顧客獲得の方法検討に活かすことも可能です。
まとめ
新規顧客は企業の存続にとって不可欠な存在です。コストをなるべく抑えながらも新規顧客を獲得するには、しっかりと戦略を練ったうえで適切なアプローチを行うことが重要となってきます。現状をしっかりと分析し、自社のリソースや商品に合った手法を十分に検討したうえで、新規顧客獲得を目指しましょう。
「IDレシートBIツール」の詳しい情報はこちらをご覧ください。