ファンマーケティングでLTVを上げるには?企業の成功事例も紹介
2025年1月17日

ファンマーケティングを行おうとしている企業の中には、顧客のLTV(顧客生涯価値)を向上させたいと考えている企業も多いでしょう。実際に成果につなげるには、LTVがアップする仕組みや効果的な手法を理解し、自社に合った取り組みを行うことが重要です。
本記事では、ファンマーケティングがLTVを向上させる理由と、実際に成功を収めた企業の事例を解説していきます。
ファンマーケティングとLTVの関係
ファンマーケティングがもたらす成果の1つは「LTVの向上」だとされていますが、それはどんな作用によるものでしょうか。ファンマーケティングとLTVの関係性について押さえておきましょう。
LTVとは
LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)とは、「一人の顧客が生涯にわたって企業にもたらす総利益」のことで、企業がマーケティング施策を考えるときに役立つ指標です。
LTVは、顧客の一度の利用や購入から得られる利益だけではなく、企業と顧客の継続的な関係の中で繰り返す全ての取引から得られる利益を指します。LTVを計算するには、平均購入額・購入頻度・顧客の継続期間などの要素を掛け合わせた、以下のような計算式を使います。
- LTV=購入単価×購入回数
- LTV=平均顧客単価×収益率×購入頻度×継続期間
LTVの考えは、企業のマーケティング戦略に活用できます。例えば、ある商品を平均的な回数購入する顧客のLTVが1,000円で、より多く購入する顧客のLTVが6,000円だった場合、5,000円高い利益を得るために、購入回数がより多い顧客を獲得しよう、という方針を決められます。
ファンマーケティングとは
一方、ファンマーケティングとは、企業・ブランドの商品やサービスに愛着を持った熱狂的な「ファン」を育てていくことを通して、中長期的に売上を拡大するマーケティング戦略のことです。
ファンは、商品を通じて得られる情緒的価値や社会的価値に共感し、優先的に自社を選んでくれる存在です。一般的な新規顧客や、商品やサービスの品質・価値が良いという理由で利用する既存顧客(リピーター・ヘビーユーザー)とは異なります。
ファンが増加すると、企業やブランドを応援したいという思いで同じ商品を頻繁に購入したり、長年にわたって利用を継続したりしてくれる顧客が増えるため、企業の将来の売上アップにつながります。
ファンマーケティングはLTVを高める
ファンマーケティングを行いファンを増やすと、LTVを向上させることができます。
LTVを上げるには、顧客の平均購入額・購入頻度・継続期間などを高める必要があります。ファンの多くは、企業やブランドに愛着を持って頻繁かつ長期的にサービスを利用してくれたり、価格や利益が高い商品も購入したりしてくれる、LTVが高い顧客です。そのため、ファンマーケティングを通してファンを育てることで、企業のLTV向上が実現します。
LTV向上に有効なファンマーケティング施策の例
ファンマーケティングには複数の手法がありますが、LTVをアップさせるには、特に次のような施策が有効です。
ファンコミュニティの運営
ファンコミュニティ用のサイトやアプリを運営し、企業やファン同士が交流できる場をつくることで、LTVの向上につながります。
コミュニティでは、愛用している商品や好きな理由をファン同士が共有できるため、仲間意識が高まります。ファンは、ブランドへの愛をもっと語り合いたい、協力して企業を応援したいという気持ちになり、ロイヤルティが向上するため、購入頻度や継続利用期間が拡大します。
またファンは、他のファンから薦められた商品や、新着の製品、キャンペーンにも高い興味を持ってくれるため、さらなるLTVのアップが期待できます。
ファン限定イベントの開催
LTVを伸ばすには、ファンミーティングや限定キャンペーン、体験プログラムといったファン限定イベントを行うことも効果的です。
イベントや時期限定の商品、ファンだからこそ得られる情報などがあれば、ファンの特別意識を高めることができます。ファンは、企業やブランドへの愛着を深め、イベント時はもちろん、イベント後もさらに頻繁に継続して商品を利用してくれるでしょう。
また、イベントで企業がファンと直接交流し、得られたファンの声を事業に反映することで、さらにファンのニーズに合ったサービスを提供できるため、LTV向上が目指せます。
ロイヤルティプログラムの提供
ロイヤルティプログラムと呼ばれる、商品購入などを条件に付与するマイレージやポイントによって顧客(ファン)ランクを設定する施策も、LTVアップに有効です。
ポイントやランクの高い顧客に、インセンティブとなる限定特典を用意するなど、自社ならではの方法でファンと長期的な関係を築くことができます。特典を得たファンは、企業やブランドへの愛着と満足度をさらに高めるため、商品購入によるポイント獲得にますます積極的になり、LTVが向上します。
加えて、ロイヤルティプログラムで継続的に得られる顧客の購入データなどを分析することで、顧客の生活環境や嗜好の変化に基づくアプローチが可能となり、さらなるLTVアップにつなげられます。
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それでは、ファンマーケティングに実際に取り組んでいる企業は、どのような施策でLTV向上につなげているのでしょうか。ここからは各社の成功事例を見てみましょう。
LTV向上事例1|サントリーのファンコミュニティ
酒類メーカーであるサントリーは、特定のブランドのファンコミュニティを運営しています。
課題
チューハイ・カクテルブランド「こだわり酒場」のファンとのコミュニケーションの場をつくり、ブランドの魅力を理解してもらったり、さまざまな方法で楽しんだりしてほしいと考えていました。
取り組み
「こだわり酒場」を愛するファンが集まるコミュニティサイト「こだわり酒場 ファン倶楽部」を開設しました。ファン同士がおつまみのレシピや写真を投稿できるようにし、会員限定のプレゼント企画やオンラインイベント、商品がセレクションで受賞したことを記念するキャンペーンなども開催しています。
成果
サイト内のファンの投稿や企業からのお知らせに対して、ファンからコメントが寄せられるなど、独自の交流が生まれました。コミュニティをきっかけに、ブランドを長く愛してくれるファンが増えています。
LTV向上事例2|ニコンの写真愛好家向けカメラ講座
ニコン製品の販売を行うニコンイメージングジャパンでは、写真撮影が趣味のファンに向けたカメラ講座を開催しています。
課題
カメラを買ったがうまく使いこなせない、忙しくてカメラに触れる時間がないという人にも、カメラを気軽に活用してほしいという思いがありました。
取り組み
カメラ初心者から上級者向けまで幅広いレベルの講座を全国で開催し、受講生が写真撮影の楽しさを感じたり表現力を無理なく習得したりできるようにしました。講師や受講生同士の距離が近くなるよう、少人数制で講座を行っています。
成果
講座は、受講生同士がカメラ仲間をつくって写真撮影の面白さを共有したり、さらに上のレベルの講座を目指したりするきっかけの場となっています。カメラを気軽に使う人が増え、参加者アンケートでは「写真撮影がさらに楽しくなった」という感想も寄せられるなど、製品の継続利用期間を伸ばす成果にもつながりました。
LTV向上事例3|カルビーのロイヤルティプログラム
お菓子メーカーのカルビーは、2020年にファン向けのロイヤルティプログラムを開始しました。
課題
環境に配慮した企業活動を推進したいという課題と、顧客行動をリアルタイムで把握し、ファンとのコミュニケーションを深めたいという課題がありました。顧客情報は、従来のハガキで景品に応募してもらうキャンペーンからも得られましたが、コストがかかるためデータ化できていませんでした。
取り組み
商品パッケージを折りたたんでごみのかさを減らす「折りパケ」という社会貢献活動を、ファン向けのロイヤルティプログラムと連動させました。食べ終わった商品を折りたたみ、たたんだパッケージとシリアルコードを写真に撮って専用アプリにアップロードすると、ポイントが貯まる「カルビールビープログラム」を行っています。アプリ内では、ポイントを使って体験型賞品やプレゼントキャンペーンに応募できます。
成果
プログラムに参加するファンと、企業や商品の接点が増え、ロイヤルティが向上しました。1日に複数回パッケージをアップロードするファンもいて、社会貢献活動を楽しみながらより多く購入してもらえました。ファンはプログラムや体験型賞品を通して、企業の活動に共感を強めています。また、購入された商品を、アプリを通してリアルタイムに近い形で把握できるようになったため、マーケティング施策にも役立っています。
このように各社の事例を見てみると、課題や製品に合わせて、LTVの向上につながるようなファンマーケティングを展開していることが分かります。「ファンマーケティングの成功事例4選!企業が参考にできる手法も紹介」では他のファンマーケティングの成功事例をさらに紹介していますので、ぜひご覧ください。
関連記事:ファンマーケティングの成功事例4選!企業が参考にできる手法も紹介
ファンマーケティングには「レシートCRM」
ファンマーケティングでのLTV向上には、フェリカネットワークスの「レシートCRM」がおすすめです。
「レシートCRM」は、購買レシートを活用し、ロイヤルティプログラムを実現するマーケティングツールです。指定商品や金額を条件としたポイントプログラムやランク制度の機能を備え、顧客ニーズに合わせた特典を提供できます。
これにより、ファンとの直接的な関係を構築し、特典やランクアップを狙うファンがさらに商品を購入するきっかけとなり、LTV向上につながります。
また、購買履歴がデータとして蓄積されるため、数値に基づいたマーケティング施策が可能です。
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