ファンマーケティングとは?成功事例やメリット、ポイントを解説!

2024年12月23日

近年、多くの企業が「ファンマーケティング」に注目しています。ファンマーケティングは、企業やブランドに強い愛着を持つ「ファン」を育てることで中長期的に売上を伸ばす施策ですが、その手法やメリットは知っていますか?

この記事では、企業がファンを増やし、関係性を深めるための具体的な手法や成功事例について紹介します。売上をアップさせたい企業や、時代に合わせた施策を行いたいという企業は、ぜひ参考にしてください。

ファンマーケティング事例

ファンマーケティングとは

ファンマーケティングは、企業・ブランドの商品やサービスに愛着を持った熱狂的な「ファン」を増やすことで、中長期的に売上を拡大するマーケティング施策のことです。

「ファン」とは、企業やブランドそのものに共感した熱烈な愛用者や支持者を意味します。一般的な新規顧客や、商品やサービスの品質・価値が良いという理由で利用する既存顧客(リピーター・ヘビーユーザー)とは異なる存在です。

ファンマーケティングが注目されている背景

近年、企業のマーケティング戦略においてファンマーケティングに注目が集まっているのはなぜでしょうか。背景として、以下の3つが挙げられます。

(1)新規顧客の獲得が難しいから

人口減少や少子高齢化によって、国内市場は縮小し続けているため、多くの企業やブランドは新規顧客を獲得することが難しくなっています。その代わりに、既存顧客とのつながりを強めてサービスを継続的に利用してもらうことを目指すファンマーケティングが注目されています。

(2)機能的価値の差別化が難しいから

企業間競争が激しくなり、商品の価格や品質、使い勝手、ラインアップなど、物そのものの機能的価値では差を付けにくくなっています。一方で、商品を通じて得られる体験や感情などの「情緒的・社会的価値」は、企業やブランドによって差別化が可能です。情緒的・社会的価値に共感している顧客は、他社と比べることなく自社を選んでくれるため、ファンを増やすことが重要な戦略となっています。

(3)口コミが消費行動に大きく影響するから

SNSやECサイトの利用が増えたことで、実際に商品を買った人が発信する口コミの重要度が高まりました。従来のように企業からの広告を通して商品を買ってもらうことが難しい一方、顧客によるレビューが信頼されるようになったため、積極的に情報発信してくれるファンを獲得することが大切になっています。

ファンマーケティングの主な手法

ファンマーケティングの手法はさまざまです。主な手法を、企業からファンへ提供する価値で分類すると、以下のようになります。

<情報・体験提供型>
メルマガ配信 企業がファンに向けて、ブランドや商品の情報をメールで配信する。
ファンコミュニティ SNSやネット上で、ファン同士や、ファンと企業が交流できる場を提供する。
ファンミーティング ファンと企業が交流したり、自社キャラクターを使用したりする限定イベントで、特別な体験を提供する。
ライブ配信 SNSや動画配信サービスで、視聴者の反応を確認しながら商品説明などを行い、ファンと密なコミュニケーションを取る。
<商品・サービス提供型>
コラボ商品 人気のアニメキャラクターや他ブランドとコラボし、ファンにとって特別な商品を販売する。
クラウドファンディング 市場に出す前の商品やプロジェクトへの資金提供を募り、リターンとして商品や特典を提供する。
サンプリング体験 商品やサービスの無料体験。ファンの意見を聞き、口コミで感想や魅力を発信してもらう。
マストバイキャンペーン 対象商品の購入を条件に、レシートやシールをアップロード・郵送して応募した人にプレゼントや特典を付与。同時に購買状況を分析する。
ポイントプログラム マストバイキャンペーンなどで付与するマイレージ・ポイントによって顧客ランクを設定し、ポイントに基づく特典を提供する。

上記の他にも多様な方法があるため、自社の商品・サービスやマーケティング課題に適した手法を活用しましょう。

ファンマーケティングのメリット

ファンマーケティングを行う利点には、次のようなものが挙げられます。

(1)中長期的な売上や利益が向上する

ファンを増やすことは、安定的に自社の商品やサービスを利用してくれる顧客を増やすことになるため、将来の売上拡大につながります。

ファンは企業やブランドそのものに愛着を持っているため、商品・サービスの機能で他社と比べることなく、優先的に自社を選んでくれます。さらに、企業やブランドを応援したいという思いで同じ商品を頻繁に購入したり、長年にわたって利用を継続したりしてくれるため、結果的にLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の向上も実現できます。

(2)ファンの意見をサービス開発・改善に活かせる

ファンとのコミュニケーションを通して意見を聞き、熱意のあるファンと共に、よりニーズに合った商品開発やサービス向上を行えるようになります。

商品を愛用しているファンは独自の視点や使い方で、企業が気付いていない価値や新商品のアイデアを見つけている可能性があります。ファンは単なる顧客を超えて、企業やブランドの成長に貢献したいと考えるため、開発段階に関わることにも積極的です。ファンの熱意のあるフィードバックを取り入れることで、さらにファンや既存顧客に喜んでもらえるサービスを開発できます。

(3)口コミが広まり、新規顧客を獲得できる

ファンがSNSなどで発信する口コミが、これまでその商品・サービスを知らなかった人や利用していなかった人の興味を惹きつけ、新たなユーザーを獲得できることもあります。

熱狂的なファンほど、企業やブランドの魅力を多くの人に広めたい・語りたいという気持ちを持っているため、SNSなどで積極的に良さをアピールしてくれます。同じ消費者による口コミが、新規顧客への大きな宣伝になることが期待できます。

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ファンマーケティングの成功事例

ここでは、自社に合った手法でファンマーケティングを成功させた企業の事例を3つ紹介します。

事例①カルビーのファンミーティング

ポテトチップスなどを製造しているカルビー株式会社では、全国各地のファンと社員が一緒に楽しめるファンミーティングを開催しています。

ファン会員はロイヤルティプログラムで貯めたマイレージを使って、ファンミーティングの参加に応募することができます。ファンミーティングでは、特定の商品に限定したクイズ大会やデコレーション体験、工場見学などが行われています。ファンの参加意欲も高く、喜ばれている取り組みです。

事例②キャラクターを使ったギンビスのリアルイベント

株式会社ギンビスは、ロングセラービスケット「たべっ子どうぶつ」の周年を記念して、どうぶつたちのキャラクターが登場するリアルイベントを開催しました。

キャラクターに会えるショーや、限定ノベルティ・オリジナルグッズ・フードが発売され、商品やキャラクターのファンの期待に、お菓子以外のサービスで応えています。ファンはイベント限定の特別感も感じることができました。

事例③ヤッホーブルーイングのブランディング活動

「よなよなエール」をはじめとするクラフトビールを製造・販売する株式会社ヤッホーブルーイングでは、ネット通販を強化するにあたり、メルマガを活用してファンを増やしました。

社長自身の個性的な人柄とビールへの情熱を表現した長文メルマガで、単なる商品の宣伝ではなく、読者に楽しんでもらうことを重視したコンテンツを発信。会社の思いが伝わり、熱い気持ちで応援してくれるファンが増えていきました。

購入には結びつかなかったコンテンツも、ファンのブログや口コミを通して大きな話題に。業績の黒字化や、ECサイトの年間ベストショップとして表彰されるなどの成果につながりました。

このように各社の事例を見てみると、趣向を凝らしてファンマーケティングを展開していることが分かります。「ファンマーケティングの成功事例4選!企業が参考にできる手法も紹介」では他のファンマーケティングの成功事例を紹介していますので、ぜひご覧ください。

関連記事:ファンマーケティングの成功事例4選!企業が参考にできる手法も紹介

ファンマーケティング実践の注意点

メリットや実際の成功事例も豊富なファンマーケティングですが、成功させるには、次のことに気を付ける必要があります。

ファンを育てるには時間がかかる

企業やブランドへ深い愛着を持ってくれるファンを増やすには、中長期的な目線で施策を行う必要があります。

ファンマーケティングは短期間で効果が表れるものではなく、ファンの心をつかむまでにある程度の時間がかかります。自社のことを知ってもらい、価値に共感してもらえるような情報発信や交流を続けていかなければなりません。

企業側の高い成長意欲が必要

ファンになってもらうまではもちろん、ファンを獲得した後も、企業がファンを大切にして商品やサービスの質を向上していく姿勢が必要です。

ファンのニーズをくんで、さらに喜んでもらえるような商品やサービスを提供し、企業やブランドの価値を高め続けることが、ファンの維持とさらなる拡大につながります。反対に、企業が成長意欲を失ってファンからの期待や信頼に応えられなければ、ファンは徐々に離れてしまうでしょう。

ファンマーケティング成功のポイント

ファンマーケティングを成功させるには、以下3つのポイントを意識することが重要です。

ファンのニーズを深く理解する

ファンのニーズを定性的・定量的に把握することで、ニーズに合った商品やサービスを提供でき、ファンの心をつかむことができます。

定性的なニーズはインタビューやアンケートで、定量的なニーズは購入履歴の分析などを通して把握できます。ニーズを理解しようとしたり、実際に事業に反映したりする取り組みは、企業に「分かってもらえている」「声が届いている」というファンの心理につながります。

関連記事:ファンマーケティングの成功にCRMはなぜ重要?活用事例も紹介

ファンとこまめにコミュニケーションを取る

ファンと企業が密に交流することで、互いの考えを直接知ることができ、ファンの愛着や企業のサービス向上につながります。

ファンは、自分が好きな企業やブランドのことをもっと知りたい、応援して成長に貢献したいという気持ちを持っています。企業はその気持ちに応えると同時に、ファンのアイデアや要望を聞くことで、一般的な顧客からは得られにくいリアルな意見や視点をもとにサービスを改善していくことができます。

ファン限定のイベントやサービスを企画する

ファン限定のイベントやサービス、キャンペーンを定期的に実施すると、ファンの特別意識を高めることができます。

ファンだからこそ得られる情報や景品、参加できるイベントなどがあれば、「ファンになってよかった」「これからもファンで居続けたい」という気持ちになってもらえます。特別な体験をしたファンに魅力を発信してもらえば、新規顧客への宣伝効果も期待できるでしょう。

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