【2021年版】レコメンドエンジンで売上UP!
おすすめのツール8選

【2021年版】レコメンドエンジンで売上UP!おすすめのツール8選

レコメンドエンジンとは、顧客の興味・関心が高い商品を提案するシステムです。ECサイトをはじめとして、ニュースサイトや求人サイト、商品バナーなどでも動作しています。自社サイトにレコメンドエンジン導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。この記事では、レコメンドエンジンとは何か、導入するメリットを解説し、事業規模別のおすすめサービスを紹介します。

レコメンドエンジンとは、Webサイトを訪れた顧客に対し、興味・関心が高そうな商品を提案するシステムです。主にECサイトにおけるマーケティングツールとして、実店舗での接客のような役割を果たします。たとえば、過去に購入したことのあるアーティストの新譜が出たことを知らせて購買意欲を高められます。また、チョコレート1箱を購入した顧客に対して別種類のチョコレート1箱を一緒に購入することを勧めるなども機能のひとつです。

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レコメンドエンジンは大きく分けるとASP型とオープンソース型の2種類です。ASP型とはインターネット経由でサービスが提供されるタイプです。クラウドサービスの一種なので自社サーバーを導入する必要がありません。導入が容易で管理の手間も少ないことがメリットです。また、通常、月単位で料金を支払うサブスクリプション形式で提供されており、初期費用を抑えられます。こうしたことから、市場で提供されているレコメンドエンジンのほとんどはASP型です。

一方、オープンソース型は、無償公開されているオープンソースをもとに自社開発したレコメンドエンジンです。主に大企業が独自のレコメンド機能を実装したい場合に採用します。オープンソース型のメリットは、自由なカスタマイズができ、自社のビジネスに最適化できることです。その反面、開発費用がかかります。また、自社サーバーを用意して維持・管理しなければなりません。

レコメンドエンジンを導入する企業側の主なメリットは以下の3つです。

1つ目は購買率が高まることです。レコメンドエンジンによる表示は、パーソナライズ化した広告であるため、興味や関心に合わせて商品を勧めることで、購入を促せます。商品バナーのレコメンドは、サイト再訪や衝動買いのきっかけにもなるでしょう。

2つ目は客単価が上がることです。類似商品を表示することで、上位モデルを検討してもらえるかもしれません。また、関連商品を一緒に購入してもらうことで、購入額が上がることも期待できるでしょう。つまり、レコメンドエンジンはアップセル、クロスセルの施策としても活用可能です。

3つ目は顧客体験の向上につなげられることです。過去の購買履歴やWebサイト上での行動履歴をもとに、関心が高そうな商品を紹介すれば、商品を探す手間を省けます。また、自分好みの商品の入荷を知らせてもらえたり、潜在ニーズに訴えるようなレコメンドができたりすれば、顧客満足度が高まるので顧客のリピーター化にも期待ができます。

サイトの規模によって、選ぶべきレコメンドエンジンは異なります。ここでは、取扱商品数が1000以上の大規模サイトにおすすめの「ZETA RECOMMEND」「Adobe Target」「Rtoaster」を紹介します。

ZETA RECOMMENDはフルカスタマイズに対応したレコメンドエンジンです。既存サービスにレコメンドエンジンを追加したい場合は、ZETA株式会社に依頼して希望の仕様に実装してもらえます。提供する商品と顧客に合わせたレコメンドのロジックを提案してもらうことも可能です。また、Webサイトだけでなく、Eメール、DMP、SNSとの連携も可能で、複数チャネルからの集客も見込めます。ZETA RECOMMENDは、オープンソース型のレコメンドエンジンを採用したいが技術力や人材の問題で実現できない課題を持つ企業に向いています。ZETA株式会社は大企業への実績も多くあり、自社の希望する仕様を実現してくれます。徹底的なチューニング、A/Bテストによるレコメンドの最適化など、導入後のサポートが充実しているのも特徴です。フルカスタマイズのサービスであるため、料金は一律に決まっていません。

Adobe Targetの強みはAIによって最適化されるパーソナライズド型レコメンド機能です。しかも、Webサイトだけでなく、複数のチャネルをまたいで提供できます。評価機能も充実しており、チャネルをまたいでA/Bテスト、多変量テストを実施できることが特徴です。Adobe Targetは、パーソナライズド型のレコメンドによって、認知から購入までのあらゆる接点で顧客体験を向上させたい企業に向きます。全体で一貫したアプローチを実現できることから、ブランディングによって企業、商品の地位を高めたい場合にもおすすめです。なお、料金は問い合わせが必要です。

Rtoasterは「ITreview Grid Award 2021 Winter」において、レコメンドエンジン、Web接客部門など5部門で受賞を受けるなど、高い評価を受けたレコメンドエンジンです。提供されるサービスは3つのツールで構成されます。まず、顧客データを統合して価値を引き出すカスタマーデータプラットフォームが「insight+」です。また、Web・アプリのコンテンツ最適化プラットフォームは「action+」と名付けられています。LINEやメールなどで最適化されたアプローチを実現するマルチチャネルメッセージサービスは「reach+」です。実績の高いレコメンドエンジンを導入したい企業にRtoasterはおすすめです。ゴール達成のための運用支援、データ活用の専門家によるコンサルティングサービスも受けられます。また、費用はWebで見積もりが可能です。

中小規模サイト向けのレコメンドエンジン比較5選

ここでは、取扱商品数が1000未満の中小規模サイトにおすすめのレコメンドエンジンを5つ紹介します。

コンビーズレコのレコメンドエンジンは、2万企業以上の導入実績を持つ、パーソナライズ化した接客機能に強みを持つサービスです。また、タグを設置するだけで導入負担が少ないことや、電子メールによるアプローチに対応した「レコメンドメール」機能も評価されています。コンビーズレコによれば、購入率は12%アップ、客単価は20%アップ、売上高は30%アップを目指せるとのことです。コンビーズレコはレコメンドと電子メールによるリターゲティングを併用したい企業におすすめのサービスです。初期設定費用は5万5000円(税込)、月額利用料金は4万3780円(税込)からに設定されています。

さぶみっと!レコメンドは、50種類以上にも及ぶテンプレートがあり、期間限定キャンペーンなどの自社ルールでのレコメンドがしやすいサービスです。また、サイト内の行動履歴をもとにレコメンドメールも配信できます。さぶみっと!レコメンドは低コストで導入できるため、小規模サイトの運営やスモールスタートしたい企業におすすめのサービスです。料金は初期費用が10万8900円(税込)、月額料金が20万PVまで4万2900円(税込)、50万PVまで6万4900円(税込)、100万PVまで8万6900円となっています。

NaviPlusレコメンドは協調フィルタリング型と呼ばれる、類似する顧客の行動パターンを反映できるレコメンド機能が搭載されています。商品間を自動的に関連付ける機能やサイト内での行動を即座にレコメンドに反映させる機能など、多機能であることも特徴です。自動ランキング機能や、新着商品に「新着」、人気のない商品に「掘り出し物」などと自動でラベリングする機能など、売上に直結する機能も豊富です。顧客体験向上よりも売上向上を重視する企業に向いています。初期費用は20万円から月次費用は10万円からが目安ですが、見積もりが必要です。

ヴォイス株式会社が提供するおてがるレコメンドは、レコメンドを表示させたい場所にタグを張り付けるだけの手軽さが人気のレコメンドエンジンです。売上ランキングや新着商品、顧客が最近チェックした商品などのパーツも、ヴォイス株式会社が作成したタグを自社サイトにコピー&ペーストするだけです。スマホ向けサイトとパソコン向けサイトに両方対応しており、異なるデザインで表示できます。おてがるレコメンドはWebサイトの作成・変更に詳しい人材がいない企業におすすめのサービスです。初期費用は3万3000円(税込)、月額費用は50万PV未満が2万2000円(税込)、150万PV未満が4万4000円(税込)、250万PV未満が6万6000円(税込)となっています。部署を超えた担当者も交えて作業をすると生産性が高まります。また行動のステップに沿って記入していくことで、ペルソナが抱く思考をイメージしやすくなります。

EC RECOMMENDERは基本機能がそろっていながら、業界最安水準の利用料が特徴です。複数のロジックと手動設定のルールを組み合わせられるハイブリッドレコメンドエンジンを搭載しています。また、売れ筋商品やアクセス数が急増した商品の自動表示、タイムセールの予約機能なども利用可能です。EC RECOMMENDERは、できる限り費用を抑えてレコメンドエンジンを運用したい企業に向いています。初期費用は5217円(税込)、月額料金は5217円(税込)からで50万PVごとに5500円(税込)が加算されます。

ここでは、レコメンドエンジンを選定するポイントとして、利用料金、事業規模、スマホ向けサイトへの対応の3つを解説します。

レコメンドエンジンを導入する際には、費用対効果を事前に予測することが重要です。レコメンドエンジンの多くが従量課金制を取っており、アクセス数(クリック数)によっては、予想外の出費になる可能性があるからです。たとえばキャンペーン商品のおすすめ広告へのアクセスが急増した場合は、レコメンドエンジンの利用料も大きくなります。この場合、商品の販売数が伸びても、費用対効果がそれほど高くならないかもしれません。契約前に、どの程度のアクセスがあって費用がどれくらいかかりそうか、あらかじめ見積もっておきましょう。特に商品単価が小さい場合は注意が必要です。

検討するレコメンドエンジンが、どの規模の事業者を対象にしているかをまず確認しておきましょう。料金の問題だけでなく、必要となる顧客のデータ量やレコメンドの精度に関わる内容であるからです。レコメンドエンジンを選定する際には、商品数を目安にするとよいでしょう。一般的に、大規模EC向けとされているのは、取扱商品数が1000以上の事業者です。中規模EC向けは100〜1000未満、小規模EC向けは100未満が目安です。一般的に、対象規模が大きくなるほど、多くの顧客データ、アクセス数が必要になる傾向にあります。そのため、将来的に事業を拡大する場合でも、実際より規模が大きいEC向けのレコメンドエンジンは選ばないほうがよいでしょう。

もともとレコメンドエンジンには、十分なデータが集まらないうちは的確なレコメンドをできない問題があります。適切な規模のレコメンドエンジンを選ばないと、成果につながるレコメンドができるまでの期間が長くなってしまいます。

スマホ向けサイトを運営している事業者は、スマホ対応(マルチデバイス対応)のレコメンドエンジンの導入が必須です。スマホ対応のレコメンドエンジンを選んでおけば、スマホ向けサイトで広告デザインが変わったり、文字が読みにくくなってしまったりすることはありません。また、自動的に表示が切り替わることから、サイト制作者の作業負担も少なくなります。

レコメンドエンジンのベースになっている考え方や手法は、いくつかのタイプに分けられます。ここではパーソナライズド型、協調フィルタリング型、ルールベース型の3つを紹介します。なお、同じレコメンドエンジンで複数のタイプを組み合わせることや使い分けることも一般的です。

パーソナライズド型は、顧客属性や購買履歴、行動履歴などの個人データのみをもとに商品やサービスを勧めるタイプです。たとえば、ECショップで「あなたへのおすすめ商品」などと紹介する機能はパーソナライズド型に分類できます。具体的には購入履歴のある同じ作者の小説をおすすめする、消耗品が切れる時期に交換用の商品を提示するなどです。顧客が求める商品をピンポイントで紹介できる一方、顧客情報が少ないと的確にレコメンドできません。また、商品数が少ないと、勧められる商品がみつからない場合もあります。

協調フィルタリングは、顧客本人のデータのほかに、似た傾向を持つ顧客のデータを参照してレコメンドができるタイプです。たとえば、ECショップで「この商品を購入した人はこちらの商品を購入しています」などと表示される機能は、協調フィルタリングによって実現しています。協調フィルタリングは顧客がまだ認知していない商品を紹介できることがメリットです。一方、同じ顧客グループのなかでも関心や好みが違う部分は多くあるため、的外れなレコメンドになることがあります。

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サイト運営側がレコメンドルールを決めてしまうタイプです。たとえばショップの一押し商品をトップページの広告枠に固定表示するなど、事前にルールを決めてしまいます。また、商品を購入した顧客全員に対して期間限定の商品を告知するなど、ロジックを事前に決めることもできます。ルールベース型は運営型の経営戦略をダイレクトに反映できることがメリットです。一方、顧客ニーズに合っていない場合には、邪魔な広告や告知になってしまう可能性があります。

レコメンドエンジンを導入する前に考えたいのが、自社商品がどのように買われているか。「買う人」と「買われ方」を的確に認識することで、その後のマーケティング施策を検討しやすくなります。

たとえば、レシートデータを活用して顧客の思考や市場の実態を把握する方法があります。具体的にはレシート1枚で、日付・時間・商品名及び金額(値引・単価・個数)・合計金額・電話番号、さらには購入した店舗のチェーン名・店舗名などの情報からユーザーのリアルな購買行動を把握できます。

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顧客の興味や関心が高い商品を提案するレコメンドエンジンは、有用なマーケティングツールのひとつです。ECサイトや情報サイトなどで活用することにより、購入率や客単価のアップにつながり、顧客体験を向上する効果も期待できます。レコメンドエンジンを選定する際には、自社の事業規模と運用方法にあったサービスを選ぶことが重要です。

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