顧客分析の5つのフレームワークと、分析項目や手法を解説!

2025年04月08日

企業の売上や顧客満足度をアップさせるためには、顧客の属性や行動について把握することが不可欠です。顧客分析を行うことで、顧客の特徴をより明確にし、適切なマーケティング施策を検討できます。

この記事では、顧客分析の手法について解説します。基本的な手順や活用できるフレームワーク、重要なポイントなどを理解し、自社の顧客分析を行いましょう。

顧客分析フレームワーク

顧客分析とは?

顧客分析とは、自社の顧客データをもとに、顧客の属性や購買行動、ニーズなどを分析することです。

顧客分析の目的は、顧客理解を深めて、マーケティング施策などに役立てることです。例えば、商品・サービスの改善や、リードの獲得、休眠顧客の掘り起こし、新規顧客の開拓などを目指す施策を考える際に、顧客分析を行います。

顧客分析の対象項目

顧客分析の対象となるのは、主に以下の項目です。

  • 顧客の属性(性別、年齢、居住地など)
  • 顧客の購買履歴、取引履歴(購入した商品、購入回数、売上金額・契約金額など)
  • 自社が実施したアクション(マーケティング施策や商談内容など)
  • 顧客の課題、ニーズ
  • 顧客の購買プロセス、意思決定プロセス
  • 顧客満足度(顧客エンゲージメントやNPSなどを含む、顧客満足度調査のデータ)

これらの項目を分析するためには、CRMに蓄積した顧客情報や、アンケートで得られた顧客の声などを活用します。

顧客分析を行うメリット

顧客分析を行うと、次のようなメリットがあります。

顧客行動から施策の効果を測定できる

1つ目のメリットは、過去に行ったマーケティング施策の効果測定を行えることです。

顧客分析によって、顧客が取っている行動の傾向や変化がわかります。それらをこれまで実施した施策と照らし合わせ、狙った変化が起きているのかを確認することで、施策の効果を測定できます。例えば「新規顧客を増やす」「購買行動を促す」などの施策の目的に応じた効果を明らかにすることで、成果にさらにつながる次の戦略を立てられるようになります。

新商品開発やサービス改善に役立つ

2つ目のメリットは、顧客のニーズに合わせた商品開発やサービス改善に役立てられることです。

顧客分析の対象項目には、顧客の属性やニーズが含まれています。それらの分析を通して得られたターゲット像やニーズを事業に反映させることで、より顧客に求められる商品やサービスを開発・改良できます。

顧客満足度とロイヤルティの向上につながる

3つ目のメリットは、顧客満足度向上とロイヤルティ強化につながることです。

メリットの2つ目までで説明したように、顧客分析を行うことで、施策の効果を測った上でさらにニーズの高い商品・サービスを作り、より適切な戦略に基づいて顧客に提供できるようになります。その結果、顧客に対する理解はさらに深まり、顧客の期待に応え続ける力がつくでしょう。実際のサービスが期待を上回るほど顧客満足度は高まり、顧客からの愛着や信頼が増すため、ロイヤルティも向上していきます。

顧客満足度と顧客ロイヤルティを高めるメリットは多く、実際に取り組んでいる企業はさまざまな手法を取り入れています。詳しくは以下の記事をご覧ください。

関連記事:顧客満足度向上の重要性とは?得られる効果や取り組み事例も解説

関連記事:顧客ロイヤルティを高めた成功事例|指標となる数値も解説!

顧客分析の手順|5ステップ

顧客分析は、大きく5つの手順で行うことができます。

ステップ1
分析の目的を設定する

顧客分析を行う前に、以下を明確にして目的を定めます。

  • 分析を通してどのような結果を得たいか
  • 分析結果をどのように活用したいか
ステップ2
必要なデータを収集する

分析対象として、以下のようなデータを集めます。

  • 顧客に関するデータ(購買データ、Webサイトのアクセス情報、アンケート結果など)
  • 市場に関する調査データ、レポート
ステップ3
集めたデータを整理する

分析を効率的に進められるよう、ステップ2で集めたデータを整えるために以下の作業を行います。

  • データベース化
  • 重複データの削除
  • データ形式の統一 など
ステップ4
手法を選択して分析する

分析の目的に合うフレームワークを選び、実際に顧客分析を行います。初めて分析する際は、インターネット上にあるエクセルのテンプレートを使用すると効率的に作業を進められます。

※フレームワークについては後述します。

ステップ5
分析結果を可視化する
分析結果を後から活用しやすいよう、グラフやチャート、スライドなどで視覚的に表現します。CRMを用いて結果を管理すると、社内共有も簡単に行えます。

以上のステップに沿って、顧客分析を行ってみましょう。

CRMでできることや活用事例については、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:ファンマーケティングの成功にCRMはなぜ重要?活用事例も紹介

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顧客分析の手法・フレームワーク5選

続いて、顧客分析に活用できる手法・フレームワークを5つ紹介します。

1. デシル分析 「購入金額」で顧客を10グループに分類する。
2. RFM分析 「購買履歴(購入日・頻度・金額)」で顧客を分類する。
3. セグメンテーション分析 顧客属性などに「共通項」を見つけて顧客を分類する。
4. CTB分析 「購入傾向(種類・好み・ブランド)」で顧客を分類する。
5. 行動トレンド分析 季節や時間による、顧客の「行動変化」を予測する。

1. デシル分析

デシル分析とは、「購入金額」が高い順に並べた顧客を、10グループ(デシル=10等分)に区分して分析する手法です。

デシル分析の目的は、顧客グループごとの購入金額や収益貢献度を把握し、マーケティング戦略における重点顧客を特定することです。ターゲットを絞れるので、購入金額が高いグループへのロイヤルティ向上施策や、購入金額が低いグループへの購買促進施策を検討する際に役立ちます。

一方、デシル分析を行う場合は、購入金額以外の要素は考慮されていない点に注意しましょう。購入金額が高い顧客が優良顧客やリピーターであるとは限らないため、新規顧客や潜在顧客の価値を見落としてしまう可能性があります。

2. RFM分析

RFM分析とは、購買履歴の3つの要素で顧客にスコアを付け、スコアの高さでグループ分けする手法です。

  • Recency:最新の購入日(◯日以内)
  • Frequency:購入頻度(◯回以上)
  • Monetary:購入金額(◯円以上)

※例えば、最新購入日が10日以内は1点、5日以内は2点、3日以内は3点などとスコアを付けていきます。

RFM分析の目的は、顧客の購買行動を複数の観点から分析し、優良顧客や離反の恐れがある顧客を特定することです。それにより、優良顧客へのキャンペーンや、離反リスクが高い顧客へのフォロー施策、新規顧客を育成するマーケティング施策などを立案できます。

RFM分析の注意点は、購買履歴のみを指標としていることです。データが不足している顧客が低く評価されたり、心理的要因が大きい行動を正しく分析できなかったりすることがあります。

3. セグメンテーション分析

セグメンテーション分析とは、顧客の共通項を見つけて顧客を分類する手法です。主に以下4つの観点から特徴を見つけます。

  • 地理的変数(地域、気候、人口など)
  • 人口動態変数(年齢、性別、年収など)
  • 心理的変数(価値観、ライフスタイル、趣味嗜好など)
  • 行動変数(購入経路、頻度、時間など)

セグメンテーション分析は、顧客を細分化し、ターゲットの特性に合わせた施策を検討することを目的としています。さまざまな観点を組み合わせて分析するので、顧客ニーズの変化や多様化にも対応できます。

セグメンテーション分析を行う際は、セグメントを細かく分類しすぎないようにしましょう。複数のセグメントに属する顧客の分類に迷ったり、ターゲットごとのリソースが分散して施策が打ちにくくなったりする可能性があります。

4. CTB分析

CTB分析とは、顧客の購入傾向について以下の3つの軸で分析し、顧客をグルーピングする手法です。

  • Category:商品カテゴリ(顧客が購入する商品やサービスの種類)
  • Taste:商品のテイスト(顧客が好む色やデザイン、形、サイズなど)
  • Brand:ブランド(顧客が好むブランドやキャラクター)

CTB分析の目的は、自社の顧客の趣味嗜好を把握し、顧客に合う商品・サービスを提供することです。よく購入される商品の傾向がわかると、今後の顧客のニーズを予測して商品開発をしたり、他のカテゴリやブランドにも興味を持ってもらえるような施策を考えたりできます。市場全体における顧客や自社のポジションを把握する際にも役立ちます。

分析するときは、分析の目的や業界・商品の性質に合わせて、3つの軸の中に適切な観点を設定しましょう。

5. 行動トレンド分析

行動トレンド分析とは、顧客データを時系列(年、季節、時間帯、曜日など)で分析し、行動パターンや売上変化を把握する手法です。

行動トレンド分析は、時期による顧客のニーズや行動の変化を把握し、予測することが目的です。分析によって、商品・サービスがよく売れる季節や時間帯が見えてくるため、そこを狙った施策を打つことで売上向上につながります。

ただし、時期によって商品・サービスの売上が変動しない場合や、行動変化が不規則な場合、新たな市場の動きが生じた場合は、行動トレンド分析では分析しにくいので注意が必要です。

顧客分析で押さえたいポイント

顧客分析を行う際は、以下のようなポイントを意識しましょう。

「顧客」を明確に定義する

顧客分析をする前に、分析対象とする「顧客」の範囲を定めましょう。

分析対象が変われば得られる結果も異なります。どこまでを自社の顧客とするのか、その中でも今回分析するのはどんな顧客なのかをはっきりさせましょう。顧客情報や購入履歴を参考に基準を作るなど、明確に定義をすることで分析の精度が高まります。

定性データで顧客の心理を分析する

顧客分析では、「定性データ」と「定量データ」の両方を扱います。

このうち顧客分析における定性データとは、顧客アンケートの自由記述欄やインタビュー、SNSの口コミなどから得られた情報のことです。定性データを活用することで、顧客が商品を気に入った理由や選んだ背景、サービスへの期待、不満などの心理を分析できます。顧客行動やニーズの定性的な背景を深く理解し、サービス改善などにつなげましょう。

定量データで客観的に分析する

定量データを活用し、特定の数値を基準として顧客を客観的に分類、分析しましょう。

顧客分析において、顧客の購入金額や利用履歴、数値的な顧客属性などが定量データに当たります。定量データから、顧客行動や施策に関する明確な事実や傾向を分析しましょう。分析の際は、可能な限り新しく詳しいデータを集め、定性データと適切に組み合わせることで、より多面的な視点から顧客の課題やニーズを深掘りできます。

顧客分析にはCRMの活用が効果的

顧客分析をより効率良く行うには、CRM(顧客関係管理ツール)を活用すると効果的です。CRMを使うと、以下のようなメリットがあります。

顧客情報を一元管理できる

CRMは、さまざまなデータを一元管理するのに適したツールです。顧客分析に使う購買データや会員データをまとめて管理できるため、顧客分析を行う前のデータ収集・整理や、社内のデータ共有に便利です。また、顧客単位でデータを管理・追跡できるため、日頃の顧客データの把握が容易になります。

顧客の状況を自動でレポート

多くのCRMにはレポート機能があり、データが自動的に分析されるため、顧客分析を行いやすくなります。顧客属性ごとの売上金額など、分布がレポートとして可視化されることで、実態に合わせた顧客定義や、特定の顧客属性に対する精度の高い分析が可能となります。

CRMでできることや活用事例については、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:ファンマーケティングの成功にCRMはなぜ重要?活用事例も紹介

効率的な顧客分析を実現する「レシートCRM」

効率的な顧客分析を行うには、ユーザーの購買履歴を収集・分析できるフェリカネットワークスの「レシートCRM」がおすすめです。レシートCRMで実施できるのは、自社商品を購入した顧客のレシートを活用した会員制のポイントプログラムです。会員のレシートから購買履歴をデータとして収集し、属性情報や会員サービス内の行動履歴情報などとともに一元管理することができます。レポート機能により、顧客データを可視化し、顧客分析を行うことも可能です。

※「レシートCRM」の詳しい情報はこちらをご覧ください。

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