顧客ロイヤルティを高めた成功事例|指標となる数値も解説!

2025年04月08日

企業が成長し続けるためには、「顧客ロイヤルティ」の向上が鍵だという話を耳にする機会も多いでしょう。顧客ロイヤルティを高めることは、顧客との関係を深め、企業の売上をアップさせるために重要な取り組みです。

この記事では、顧客ロイヤルティの基礎知識や、高める方法とメリット、顧客ロイヤルティを図る指標や成功事例について紹介します。自社の顧客ロイヤルティを高める施策を検討する際に役立ててください。

顧客ロイヤルティ事例

顧客ロイヤルティとは?

顧客ロイヤルティとは、企業やブランドに対する顧客の忠誠心や愛着、信頼を指します。英語の”Loyalty”は「忠誠心」を意味します。

「顧客ロイヤルティが高い」とは、顧客が企業やブランドに深い愛着を持ち、高い信頼を寄せているということです。そのような顧客は「ロイヤルカスタマー」と呼ばれ、商品を継続して頻繁に購入してくれたり、周囲に積極的に薦めたりしてくれます。

顧客ロイヤルティが注目される背景

企業のマーケティング戦略において顧客ロイヤルティが重要視されている背景として、以下の3つが挙げられます。

増加する新規顧客の獲得コスト

モノや情報が溢れ、競合企業が増えていることで、消費者の選択肢が多くなっているため、これまで通りの広告宣伝費では獲得できる顧客数が少なくなっています。こうした状況でも企業が中長期的に成長し続けるには、既存顧客とより長く深い関係を築き、ロイヤルティの高い顧客を増やす必要が出てきました。

高まる「情緒的・社会的価値」

近年の激しい企業間競争により、商品やサービスそのものの機能的価値では差別化が難しくなっています。その代わりに着目されているのは、「情緒的・社会的価値」と呼ばれる、商品やサービスを利用することで得られる感情や体験といった企業独自の価値です。情緒的・社会的価値を求めて自社を選んでくれるような、ロイヤルティの高い顧客を獲得することがマーケティング戦略の鍵となっています。

顧客ロイヤルティと同様に、情緒的・社会的価値を追求していく際の重要な指標として、「顧客満足度(CS)」があります。顧客満足度は商品やサービスに対する顧客の期待に応えられているかを測る指標のことですが、満足度の高さとブランドへの愛着は必ずしも比例しないため、別の観点である顧客ロイヤルティにも注目が集まっています。

増大・多様化する顧客データ

インターネットが発展・普及し、スマートフォンやSNSの利用が浸透したことに伴い、企業と顧客のデジタル接点が増えています。企業は多様な顧客データを大量に取得できるようになり、CRMやAIなどのデジタルツールを活用することで、データの蓄積と分析が容易になりました。高度な分析に基づいて、企業はターゲットに応じた施策を行い顧客と長期的な関係を構築しやすくなったため、ロイヤルティを向上させる戦略を取るようになっています。

顧客ロイヤルティを高めるメリット

顧客ロイヤルティを高めると、次のようなメリットが得られます。

顧客のリピート率の向上

ロイヤルティが高い顧客は競合他社より自社を優先的に選ぶようになるため、一度の利用で終わらずにリピートするようになります。企業やブランドそのものの価値に共感する顧客が増え、サービスの継続率も向上するでしょう。

購入単価の上昇

ロイヤルティが向上すると、企業やブランドを応援したいという気持ちも大きくなるため、購入単価が高まりやすくなります。高単価の商品やサービスを購入する顧客や、愛用する既存商品と一緒に新商品も購入する顧客が増えるでしょう。

口コミやSNSによる新規顧客獲得

ロイヤルティが高い顧客は、企業やサービスの良さを積極的に周囲に発信してくれるため、新規顧客の獲得につながります。
近年は顧客によるレビューを参考にする消費者が多く、サイトの口コミやSNSで顧客が発信した情報には宣伝効果があります。積極的に情報発信してくれるロイヤルティが高い顧客が増えるほど、これまでサービスを知らなかった・利用していなかった人に情報が届きやすくなり、新規顧客を獲得できる可能性が高まります。

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顧客ロイヤルティを測る指標

顧客ロイヤルティは、顧客の信頼や愛着などの目に見えない感情です。完全に可視化することは難しいですが、主に以下の指標を使用して数値的に測ることができます。

NPS

NPSとは、顧客が自社商品やサービスを周囲に薦めたいと思っているかを調べることで、企業への信頼度や愛着を数値化する指標です。
調査時は、アンケートで「あなたはこの商品を親しい友人や家族にどの程度薦めたいと思いますか?」と質問し、顧客に0~10点で評価してもらいます。点数をもとに、商品やサービスを推奨する顧客の割合を計算することで、ロイヤルティを数値化できます。

顧客満足度

顧客満足度(CS)とは、商品やサービスに顧客がどの程度満足しているかを測るものです。
調査は主に顧客アンケートを使用します。商品やサービスの品質・価格など複数の観点から満足度を質問し、回答の平均点数から満足度を数値化します。
顧客満足度の数値が高ければ、顧客が商品やサービスに抱いていた期待よりも、実際に利用した体験が上回ったという傾向がわかります。

ただし、満足度が高くても、他の要素が原因で顧客ロイヤルティが高くならない場合もあるため、データの捉え方には注意が必要です。

顧客満足度の基礎知識や向上させる方法について詳しく解説している以下の記事もご覧ください。

関連記事:顧客満足度向上の重要性とは?得られる効果や取り組み事例も解説

LTV

LTV(ライフタイムバリュー)とは「顧客生涯価値」を意味し、顧客が生涯にわたって自社にもたらす利益の総額を数値化したものです。LTVが高いほど、企業が得られる中長期的な利益が多いということになります。

LTVは以下の計算式で求められます。

  • LTV=購入単価×購入回数
  • LTV=平均顧客単価×収益率×購入頻度×継続期間

LTVの数値だけでは心理的なロイヤルティを測れませんが、LTVが低い場合はLTVを上げるための施策、LTVが高い場合はその顧客をより多く獲得するための施策を行うことで、顧客ロイヤルティ向上につながります。

LTV向上には、ファンマーケティングを行うことも有効です。詳しくは「ファンマーケティングでLTVを上げるには?企業の成功事例も紹介」をご覧ください。

関連記事:ファンマーケティングでLTVを上げるには?企業の成功事例も紹介

顧客ロイヤルティを高める方法

続いて、顧客ロイヤルティを高めるための方法を3つ解説します。

①顧客ニーズに基づいた商品・サービスの開発

顧客のニーズを把握し、ニーズに応じた商品やサービスを開発・提供することで、顧客ロイヤルティを高めることができます。

まず顧客のニーズを把握するには、顧客データや顧客からのフィードバックを活用します。購買履歴や顧客満足度調査などから数値的に顧客分析を行ったり、アンケートやヒアリングで意見を集めたりします。それらから見えてくる顧客のニーズを、商品・サービス開発に反映しましょう。商品・サービスで顧客の期待に応え、超えていくことで、顧客からの信頼や愛着が高まり、ロイヤルティが向上します。

②CXの改善を通じた価値提供の強化

顧客と自社との接点を見直し、CX(カスタマーエクスペリエンス:顧客体験)を改善することで、顧客ロイヤルティ向上につながります。
※CXとは、顧客の認知・検討・購入段階から、使用・購入後のアフターサポートまでの過程におけるすべての体験のこと。

CXを改善するには、まずカスタマージャーニーマップなどの手法を用いて顧客との接点を可視化します。その中から課題を洗い出し、顧客が不満に感じている点や、購入・リピートを妨げている行動などを見つけましょう。その課題の改善策を立案し、CXの改善を行うことで、顧客が体験を通して感じる価値が高まり、企業に対する印象や満足感向上に伴ってロイヤルティが高まります。

③顧客の愛着を強くするための環境構築

顧客からの愛着を強めるには、商品と顧客の接点を大切にすることや、顧客が商品に対して積極的に購買したくなる環境・仕組みを提供することが重要です。 

<商品と顧客との接点を大切にする>
コミュニティサイトを運用し、商品・サービスの楽しみ方をファン同士が紹介し合ったり、企業から最新情報や限定特典を届けたりする場として活用する。

<商品を積極的に購買したくなる環境・仕組みを提供する>
ロイヤルティプログラムを導入し、顧客が商品・サービスを利用するほどポイントやクーポンを獲得できるような、ポイントプログラムや顧客ランク制度などを行う。

顧客ロイヤルティ向上の成功事例

すでに顧客ロイヤルティ向上を図っている企業は、実際にはどのような取り組みを行っているのでしょうか。

バケット|オンラインコミュニティ

ベーカリーレストランを運営する株式会社サンマルクホールディングス バケットでは、顧客ニーズの把握に力を入れ、顧客同士が交流できるコミュニティサイトを運営してロイヤルティを高めています。

バケットが運営しているのは、パン好きのためのコミュニティサイト「バケット広場」です。サイトでは、顧客がお気に入りのパンの写真を投稿したり、他の人の投稿にコメントしたりできます。バケット側からは、新商品・試食会の告知や商品のアイデア募集などを行い、顧客の意見を集めています。

コミュニティを始めた結果、顧客の生の声を商品や店舗運営に活かす仕組みが強化されました。従来から店舗で実施していた紙のアンケートよりも、サイトで日常的に顧客とつながることで、幅広い意見が集まるように。ニーズを新商品やメニュー展開に反映することで、顧客からの愛着や信頼はさらに高まり、ロイヤルティが向上しています。

SUBARU|ファンコミュニティ

SUBARUは、顧客と技術者が直接コミュニケーションを取るファンコミュニティ「スバ学」を創設。一方的な情報発信にとどまらない、双方向のコミュニケーションを実現しました。また、スバ学をはじめとするWebサイトの行動ログや購入車種などの顧客データを統合・分析し、そのデータをもとに顧客との協創を進めることで、より満足度の高い製品・サービスの開発を実現しました。

サントリーホールディングス|ポイントプログラム

飲料メーカーのサントリーホールディングス株式会社は、顧客にお得感や特別感を感じてもらえるよう、缶ビールの購入に基づいたポイントプログラムを実施し、顧客ロイヤルティを高めています。

ポイントプログラムのサービスを展開しているのは、缶ビール「ザ・プレミアム・モルツ」ブランドの商品購入者を対象とした「プレモルメンバーズ」です。会員が商品を購入した際のレシートをスマホで読み込むことで、マイルを獲得する抽選に挑戦できます。マイルが貯まると商品の無料引き換えクーポンなどと交換でき、レシートを読み込むほど、より豪華な特典を得られるランクへ上がります。

ポイントプログラムに参加した顧客は、商品を買えば買うほど特典を得られるお得感によって、商品購入が促されました。日常的に商品を楽しみながらブランドを長く愛するようになり、ロイヤルティが向上しました。
※2025年2月以前に実施されていた、応募シールを用いた同ポイントプログラムでの成果です。

ロイヤルティプログラムを実現するレシートCRM

顧客ロイヤルティ向上には、顧客の購買に基づいたポイントプログラムを行える、フェリカネットワークスの「レシートCRM」がおすすめです。
「レシートCRM」は、顧客の購買レシートを活用したレシートマーケティングツールです。企業は、レシートのアップロードを条件に付与するポイントに応じて顧客ランクを設定できます。独自の特典を提供することで特別感を感じてもらい、顧客との直接的な関係を構築できます。

※「レシートCRM」の詳しい情報はこちらをご覧ください。

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