課題抽出とは

課題抽出とは?
役立つフレームワークもご紹介!

企業が成長し続けるためには、現状の問題点を把握したうえで、解決すべき課題を適切に絞りこみ、その課題に取り組むことが必要不可欠です。「課題抽出」と呼ばれるステップは重要なものですが、やみくもに課題を絞りこもうとしても容易に上手くは行きません。

そこで役に立つのが、フレームワークという思考の枠組みです。論理的思考の枠組みを用いることで、今ある企業の問題点を踏まえて最適な課題を絞り込みやすくすることができます。

こちらの記事では、課題抽出の基本的な意味から、課題抽出に用いることのできるフレームワークの具体例まで解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

課題抽出は、企業が成長するためのステップの1つの段階です。

企業が成長し続けるということは、その企業にとっての目標を都度設定し、その目標に接近することを意味します。そのためには、まず企業の現状を客観的に捉えることが重要です。同時に、自社にとっての理想像を明確にする必要があります。そのうえで現状と理想の差異に注目し、「なぜギャップが生じているのか?」「現状においては何が不足しているのか?」を考察することで、現状の問題点を見つけます。ここで発見した問題点を踏まえ、解決すべき本質的な原因を見極めて「何を解決すべきか?」つまり「課題」を具体的に絞り込むステップを「課題抽出」と言います。

課題の設定が具体的であればあるほど、具体的な対策を得られるため、企業が目標とする理想像に近づくことができます。そして具体的な課題を抽出するには、論理的思考が手助けとなるのです。

ここからは、課題抽出の過程において役立つ論理的思考の枠組みをご紹介します。現状分析の結果得られた問題点から課題を引き出す際に直接使用できるものや、課題抽出を進める中で論理的思考を効果的に用いるためにいくつか組み合わせて使用できるフレームワークまで、幅広く取り上げています。

アイゼンハワーマトリクス

緊急度の高低と重要度の高低によってマッピングを行い、問題の優先度を可視化します。特に重視すべきは重要度の高いものです。「重要かつ緊急」にあたるものは最優先に取り組むべき課題です。また、「重要だが緊急でない」にあたるものは、長期的成功のためには時間を確保して取り組むべき本質的課題と言えます。

改善の4原則とも呼ばれ、業務改善における課題抽出を目的としています。ECRSとはこのフレームワークにおいてキーワードとなる英単語の頭文字を取ったものです。ECRSにおいては、キーワードで示される次の4つの問いを順番に検討します。

・Eliminate(排除):業務をなくすことはできないか?
・Combine(結合):業務をまとめることはできないか?
・Rearrange(交換):業務上の人や場所などの要素を入れ替えて効率化を図れないか?
・Simplify(簡素化):業務をもっと単純にできないか?

基本的に、ECRSにおいては「排除」の段階で導き出された課題に取り組むことが最も大きな改善効果を得られるとされ、頭文字の順番に効果が小さくなるとされています。そのため、早い段階の問いの結果として引き出されたものほど、優先度の高い課題であると言えます。

課題抽出フレームワーク

バリューチェーンとは、製品が顧客の手に渡るまでのプロセスを切り分け、目をつけるべきポイントを探るフレームワークです。各プロセスごとにどの程度価値が生じているのかを見出し、企業の事業活動をその価値創造の連鎖として捉えます。機能別に分類した事業活動の中で強み・弱みを明らかにすることで、課題を明確に把握できるようになります。

課題抽出フレームワーク

MECEはロジカルシンキングの基本概念です。「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」(モレなく、ダブりなく)の頭文字を取っており、MECEによって現状を過不足なく適切に把握できるようになります。

課題抽出フレームワーク

ロジックツリーもまた、論理的思考の基本的フレームワークです。問題からその原因を枝葉状に引き出していくことで、現状の問題を可視化し、要素へと分解します。課題抽出のステップにおいては、達成目標からそのための解決方法を引き出していくHowツリーも有効です。

6W2Hは情報を正確に捉え、伝えるためのフレームワークです。「Who:誰が」「Whom:誰に」「What:何を」「Why:なぜ」「When:いつ」「Where:どこで」という6つのWと、「How:どのように」「How much:いくらで」という2つのHに要素を分けて情報を捉えます。特に「Who」と「Whom」を別々に捉えることで、マーケティングにおいては自社と顧客を切り分けて語ることが可能となります。

なぜなぜ分析とは、トヨタ生産方式とも呼ばれる手法です。5回の「なぜ?」を繰り返すことによって、問題の本質に到達します。なぜなぜ分析を効果的に用いるためには、適切な「なぜ?」という問いを立てなければなりません。特に、抽象的な問い(例:業務が計画より遅れた)ではなく、数値などを交えて具体的に状況が特定できるような問い(例:当初の計画で1週間だった業務に、3週間かかった)を設定することが、次の「なぜ?」を引き出す有効な手がかりとなります。 much:いくらで」という2つのHに要素を分けて情報を捉えます。特に「Who」と「Whom」を別々に捉えることで、マーケティングにおいては自社と顧客を切り分けて語ることが可能となります。

フレームワークが必要な理由

ここまで課題抽出に用いるフレームワークを具体的に見てきましたが、フレームワークはなぜ課題抽出に必要とされているのでしょうか?

フレームワークとはそもそも論理的思考を可視化したものです。この可視化によって、分析を行ううえで踏まえるべき点をもれなく網羅し、見落としをなくせることがフレームワークを用いる大きな要因のひとつです。そして客観的に可視化できることにより、後から他の社員や取引先への情報共有がしやすくなることもポイントと言えるでしょう。

また、フレームワークを用いることで考え方の道筋を参照できるため、論理的にずれなく思考を進めることができ、分析にかかる時間を短縮できます。時間が有限の資源であることを踏まえると、遠回りせず課題抽出を行い、課題に取り組むために時間を残しておくためには、フレームワークは非常に有効であると言えます。

課題抽出を行ううえで注意すべきは、その準備段階にあたる現状分析や問題把握の段階において、主観的な意見と客観的な事実を区別しておくという点です。本質的な課題を把握するためには、主観や先入観に囚われず、客観的な情報に基づいて判断することが重要となります。

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