ペルソナのための資料

マーケティングにおけるペルソナとは?設定方法や成功事例を紹介

マーケティングを行う際に重要だと言われている「ペルソナ」。
聞いたことがある、設定したことがあるという人でも、正しく理解できていない人やうまく活用できていない人は多いのではないでしょうか。

ペルソナとは、自社の製品やサービスの象徴的な仮想ユーザーのことで、これを活用したペルソナマーケティングは、極めて優れた差別化を図ることに長けています。
ただし、ペルソナを正しく理解した上で設定・活用しなければ、その効果を十分に発揮することはできません。

そこでこの記事では、マーケティングにおけるペルソナの意味や本質、ペルソナを設定する意義やメリット、正しい手順、活用方法などについて、わかりやすく解説します。

ペルソナマーケティングにおけるペルソナの意味とは、自社の商品やサービスを利用するユーザーを、実在するユーザーのデータから共通項を抽出し、設定した仮想ユーザーのことです。

共通項とは、年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、趣味、価値観、家族構成、休日の過ごし方、悩み、ライフスタイルなどがあげられ、リアリティのある詳細な情報を元に作成します。

【ペルソナ例】
・斉藤あゆみ
・27歳
・会社員
・都内1人暮らし
・マーケティング部在籍
・大好きなお店は無印良品とコープネット。安心・安全で栄養価が高い食事を作りたいと一生懸命。
・共感キーワードは「国産」「無添加」「減塩」「有機」
・ふわふわホイップ系とチョコ系に目がない。
・季節イベントを重視

似ていて混同しやすいキーワードに「ターゲット」があります。
ターゲットは、自社の商品やサービスを利用するユーザー層を、年齢や性別などの属性で分類することを指します。

【ターゲット例】
•女性
•20~30代
•会社員
•都内暮らし

1人のユーザーをイメージさせるのがペルソナで、分類でイメージさせるのがターゲットと言えます。

作成したペルソナ
こちらの記事でも「ペルソナ ターゲット」について紹介しています。
関連記事:ペルソナ分析とは?ペルソナ分析の項目や具体的な事例などを紹介!

そもそもなぜペルソナを設定する必要があるのか、それはユーザーの潜在ニーズや本音を深く理解するためです。ペルソナとして、詳細にユーザーを描写することで、深い部分の価値観や感情を読むことができます。ペルソナは本当に実在するユーザーたちのデータを根拠にして、象徴的な仮想ユーザーに変換したものであり、妄想ではありません。
ペルソナ設定ではユーザー像を「ストーリー」として捉えていくことが重要です。
背景やシチュエーションなど、ストーリーに基づいて詳細に描写することで、想像力を最大化することができます。
これにより、よりリアルなユーザーを予想でき、ユーザー目線での商品開発を行うことができるため、顧客のニーズを満たすことができることや、チーム内において、認識を統一化し共有できるため、プロジェックとを円滑に進めることができるなどのメリットがあります。

ペルソナ設定の手順は以下になります。

①データを収集する
②データを分析してペルソナの骨格を作る
③ペルソナを肉付けする
④完成したペルソナを検証する

それぞれ詳しく解説します。

まず、ペルソナの根拠として利用できるデータを集めます。
・顧客データ
・お客様アンケート ・問い合わせ履歴
・営業報告書
・SNSやQ&Aサイトの投稿など
・Webメディアのアクセス履歴
・インタビューの実施

上記の様なデータを収集し、実際の顧客からペルソナを設定することがポイントです。
ほかにも、自社の商品がどの様な顧客にとって価値があるのか、ポジショニングなども把握する等、3c分析などを用いた自社分析を行うことで、集客したい顧客に沿ったペルソナを設定することができます。

データから共通項を抽出します。
平均値を取ることではなく、代表性があることが重要です。
共通項をもとに、ペルソナの骨格を作成します。

ペルソナは、BtoC以外にも、BtoBビジネスでも設定できます。
その際、個人ではなく企業のペルソナを作成します。

【BtoBペルソナ例】
・従業員300名の不動産会社
・webマーケティングに取り組んでいるがなかなか成果に結びつかないでいる
・webマーケティングで成果をあげるためのノウハウが知りたい

企業の場合は、情報収集する担当者と、会社の決裁者(組織)の2者のペルソナを作成します。

【BtoCペルソナ例】
一般ユーザーの場合は、年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、などの情報をまず骨格として設定しペルソナを作成します。
ペルソナの設定には出来る限り、根拠に基づいた、調査で得られた事実を反映させ、人物像を作り上げることが重要で、自身や開発者側の先入観が反映しないよう注意が必要です。

次のステップは「まるで実在する人物のように」ペルソナを仕上げていきます。
例えば以下のように情報を足していきます。

・BtoCの場合
家族構成やライフスタイル、趣味といった情報を重視します。

【ペルソナ例】
・田中太郎
・32歳
・会社員、営業職
・妻31歳、娘1歳
・隙間時間にファイナンスを勉強中
・趣味はフットサル

・BtoBの場合
所属部署における業務内容、抱えている課題、担当業務に対する姿勢(マインド)といった、業務寄りの情報を重視します。

【ペルソナ例】
・従業員300名の不動産会社のマーケティング部
・webマーケティングに取り組んでいるがなかなか成果に結びつかないでいる
・広告予算の配分をもっとwebに寄せてwebマーケティングによる成果をあげたい

【担当者ペルソナ】
・鈴木一郎
・28歳
・マーケティング部配属
・広告代理店にwebマーケティングをお願いしているが、成果が思うように出ずに困っている
・成果に結びつく代理店に乗り換えたい
・自分自身もwebマーケティングのノウハウを身につけたい

上記のように、名前をつけ、写真やイラストなどのビジュアルも用意すると、より実在の人物としてイメージしやすくなります。

本当にリアリティーの高いペルソナになっているか、日頃からお客様と直接接しているコンタクトセンターのオペレーターや接客スタッフ、営業に客観的な視点でチェックしてもらいます。
現実とかけ離れている部分がある場合は修正します。

マーケティングの成功

完成したペルソナを活用する方法と、企業の活用事例を紹介します。

商品開発や改良の分野でペルソナを活用する場合は、あらゆる意志決定にペルソナを参加させていくことがポイントです。

スープ専門店チェーンのSoup Stock Tokyoは、以下のペルソナを設定しました。
・秋野つゆ
・37歳、女性
・都心で働くキャリアウーマン
・装飾性より機能性を重視
・フォアグラよりもレバーを好む
・趣味のプールは平泳ぎではなくクロール

この秋野つゆを満足させるために、メニューや店の場所、内装を考え、その結果わずか10年で店舗数52店舗、42億円の売上高という成果を上げました。

制作チームのすべてのスタッフが「同じペルソナ」を共有することで、統一感のある宣伝ができます。

スナック菓子メーカーのカルビーは、最もスナック菓子に反応が薄い「20代〜30代の女性」の層に、カルビーのジャガビーを打ち出すため、以下のペルソナを設定しました。

・27歳
・独身女性
・文京区在住
・ヨガと水泳に凝っている
・よく読む雑誌は「Oggi」
このペルソナがよく読む雑誌が「Oggi」ということで、当時Oggiで活躍していたモデルのヨンアをCMに起用したり、パッケージデザインは落ち着いた色合いにするなど、ペルソナのニーズに合わせて制作・宣伝を行い商品のヒットを生み出しました。

ブランディングにおいては、ペルソナによって顧客像を明確にして、そのペルソナがたどるカスタマージャーニーを設計することで強いブランドを作ることができます。

カスタマージャーニーの作り方や活用の仕方については顧客の心をつかめ!カスタマージャーニーマップの作り方とは?で解説しています。

エステサロンのMEN’S TBCでは、以下のペルソナ設定を行いました。

・20歳
・男性
・都内のA学院大学生
・住居は三軒茶屋のワンルームマンション

ペルソナのライフスタイルから、彼が頻繁に利用するコンビニを中心に男性向けコスメティックの販売を決定しました。それにより、MEN’S TBCの認知を高めるのに成功し、エステサロンの方への問い合わせが3〜4割上がる結果に結びつきました。

ペルソナマーケティングを行う際の注意点について解説します。

間違ったペルソナ設定とはすなわち、作り手の「妄想」や「都合の良い解釈」によるペルソナです。ペルソナは事前の情報収集で得たレシートの購買データなどの正確な事実データに基づき、可能な限り正確なユーザー像を定義していきます。
特に、情報収集の段階において、事実データを収集する必要があるため、購買データをもとに既存の顧客の属性や購買傾向が分析できる「IDレシートBIツール」などが便利です。
このIDレシートBIツールでは、自社商品のヘビーユーザーが、コンビニやスーパー、外食チェーンでよく購入している商品を具体名で確認することができるため、ユーザの普段の購買や食生活、価値観などを事実ベースで把握することで、非常に制度の高いペルソナを描くことができます。
この、データを軽視してペルソナ設定をしてしまうことで、ユーザーのニーズとかけ離れてしまう恐れがあるため、しっかりと事実に基づいた信用できるデータを用いて分析するとともに、複数人の意見を基に考えながらペルソナを協同で作成することで偏りにくくすることも重要なポイントです。

「IDレシートBIツール」の詳しい情報はこちらをご覧ください。

ペルソナは一度作って終わりではなく、常にアップデートしていくことが重要です。
顧客のデータが蓄積されてきたり、新しいユーザー調査の結果が出れば、それを元にペルソナをアップデートしていきます。。
例えば、ユーザーの意識や価値観の変化やライフステージに合わせた優先するものの変化などが起こるため、その変化に合わせたペルソナの設定方法を選択することがよいでしょう。

せっかくペルソナを設定しても、活用できなければ成果に結びつきません。
自分や企業の視点で考えるのではなく、ペルソナの視点で考え、判断していくことがペルソナマーケティングにとって重要です。

マーケティングオートメーションツールなどを駆使して、顧客一人ひとりのニーズにあわせたリアルタイムな接客を行うことが可能となった今、「代表的なユーザー像」としてのペルソナはもはや役に立たないのではないか、という意見も昨今では囁かれています。
しかし、カスタマージャーニーの定義や、コンテンツマーケティング戦略などにおいて、代表的なユーザー像を具体化しておくことには十分意味があります。
「ペルソナでは事足りない時代」ではなく、「そこまで考えたペルソナ設計をしないといけない時代」になってきていると言えるかもしれません。

以上、ペルソナマーケティングについて解説してきました。
大手企業がペルソナマーケティングで成果をあげている実績があるため、正しい方法で行えばユーザーのニーズを満たすサービス提供に結びつくことがおわかりいただけたのではないでしょうか。
ペルソナは設定して終わりではなく、有効活用することが成功の鍵となります。
本記事を参考にしてぜひペルソナマーケティングを実践してみてください。
また、ペルソナ設定に必要なデータ収集には、既存顧客の属性や購買傾向が分析できる「IDレシート」が便利です。
これから戦略的にマーケティングを行っていきたい方は、こういったツールの活用も検討してみてはいかがでしょうか。

「IDレシートBIツール」の詳しい情報はこちらをご覧ください。

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