カスタマージャーニーとは?マップの作成方法や企業事例を学ぼう

カスタマージャーニーとは?
マップの作成方法や企業事例を学ぼう

顧客視点を持ったマーケティング戦略を可能とするカスタマージャーニーは、特にWebマーケターやデータ分析担当者が押さえておくべき手法です。

しかし、
「どんな風に活用されているんだろう」
「効果的なカスタマージャーニーマップを作成したい」

と活用方法に悩んでいる方も多いかもしれません。

そこでこの記事では、カスタマージャーニーの概要やマップの作成方法、企業事例を中心に紹介します。効果的なマーケティング戦略を目指す方や、カスタマージャーニーについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次

カスタマージャーニーについて「詳しく知らないが耳にしたことはある」という方は多いかもしれません。実は導入を進める企業は増加しており、経済産業省の事業でも用いられる注目度の高い手法なのです。ではなぜ今カスタマージャーニーを活用する必要があるのか、その理由と詳しい概要について解説します。

カスタマージャーニーが必要となる背景として、以下の現状があります。

  • 購買行動の複雑化
  • テクノロジーの進歩

販売方法の多様化やインターネットの普及により、現代では消費者の購買行動に変化が見られています。これまでは「店舗で商品を選び購入する」という流れが一般的だったものの、オンライン店舗での購入やサブスクリプション契約など、様々な購買行動が可能となりました。そして消費者が商品を認知し購入に至るまでの過程は、テクノロジーの進歩と共に複雑化しているのです。

例えば今やSNSは多くの人が利用し、影響力のある人物の口コミ投稿によって商品の売上が大きく左右されることもあります。そのため企業は時代に適した消費者の購買行動のプロセスを理解しなければ、的確なアプローチはできません。カスタマージャーニーは顧客の購買行動を可視化できる手段であるため、作成によって顧客の現実的な思考や価値観を掴むことができます。

つまり購買行動が複雑化する今こそ、他社よりも先んじて顧客の目線に立った戦略を実行することで、競合他社との差別化を図れるのです。その結果、売上や利益の向上を実現でき、更なる企業の成長に期待できるでしょう。そのため顧客の目線に立ったマーケティング戦略をサポートするカスタマージャーニーの導入は、売上増加や成長を目指す企業におすすめします。

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カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを認知し購入に至るまでの一連のプロセスを指します。カスタマージャーニーは1920年代に提唱された「AIDA」という購買行動モデルがベースとなり認知され始めました。購買行動モデルは2010年代に新たな内容で「5A」と提唱されるなど、時代の流れと共に変化を繰り返しています。

変化し続ける購買行動のプロセスを示すカスタマージャーニーは、マップの作成によってアウトプットが可能です。カスタマージャーニーマップは、購買行動の流れに沿って顧客の行動や心理状態を時系列で見える化させたものです。作成によって、顧客の購買行動のプロセスをストーリーのように把握できます。そのため顧客視点での理想や不満をイメージしやすく、的確なマーケティング戦略に活用できるメリットが得られます。

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カスタマージャーニーのメリットとデメリットがこちらです。

・メリット
①自社の顧客理解が深まる
②顧客目線でマーケティング戦略を立案できる
③チームの認識を統一できる
④コンテンツ制作時の指標になる


・デメリット
①作成に時間がかかる

1つずつ確認しておきましょう。

顧客視点で行動や思考を読み解くことで、自社の顧客理解が深まります。「売上」という客観的な事実を把握するだけでは、自社の顧客理解とは言えません。カスタマージャーニーは、商品やサービスの認知から選択、購入に至るまで、顧客の主観に立ったプロセスを作成します。

そのため顧客の価値観や意図を読み取ることができ、深い顧客理解が得られるのです。

マーケティング戦略の立案において、顧客の需要を反映させた内容を作成できます。なぜならカスタマージャーニーは顧客の購買行動の深堀りや、価値観の把握を可能とするためです。その結果、顧客目線を持ち合わせた状態で計画を立てられるのです。顧客目線でマーケティング戦略を考えられると、新たな問題や課題を見いだすことにつながるため、顧客のニーズに沿った的確なプロモーションや仕組み作りを行えます。

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顧客の行動や価値観への深い理解は、チームの認識統一につながります。例えば営業やマーケティングなど、異なる部署では課題や目標が異なる場合がほとんどでしょう。そのため、顧客の捉え方にもばらつきが発生しやすいものです。

しかしカスタマージャーニーは企業目線ではなく顧客視点で行動プロセスを把握できるため、内容を共有することでチームの認識が統一されます。認識の統一によってメンバー同士の認知のズレや衝突を防ぎ、スムーズな施策の決定や実行を叶えます。

カスタマージャーニーで得られた顧客視点の情報は、効果的なコンテンツ制作に役立ちます。企業視点のみを重視した施策や、闇雲に実行する施策では、大きな売上や利益を生み出せません。顧客のニーズに応えられない限り売上は伸びることがなく、利益にはつながらないためです。

一方で顧客視点の価値観を盛り込んだコンテンツであれば、顧客のニーズを叶えるものとして、需要の高まりに期待できます。そのためカスタマージャーニーで得られた気づきは、コンテンツの新たな制作や見直しを行う際に売上に期待できる効果的な指標となるのです。

デメリットとしては、作成に時間を要することが挙げられます。カスタマージャーニーは顧客目線に立って、行動や感情を深く理解する取り組みです。深い理解には多角的な調査や観察、情報の整理など、様々な過程を踏んだ作業が必要となります。

単に事実を書き留めるだけの作業ではないため、短時間での作成は困難なのです。このデメリットの対策としては、一度で完璧な作成を目指さないことが重要です。さらに、顧客の行動や価値観は時代や環境によって変化するため、カスタマージャーニーには定期的な見直しが求められます。つまり、作成の際には緻密な内容や完璧な仕上がりにこだわりすぎなくて良いのです。カスタマージャーニーは定期的な修正を見据えた作成を進めましょう。

カスタマージャーニーとセットで考える「ペルソナ」とは?

カスタマージャーニー作成時に必要な工程として「ペルソナ」の設定があります。ペルソナとはアプローチをかけたい顧客像であり、「自社の顧客になり得る具体的な人物像」です。カスタマージャーニーでは初めにペルソナを設定することで、顧客の行動や価値観を的確に捉えられます。その結果、企業にとっては顧客目線に立ったマーケティング戦略が可能となり、組織の売上や利益に大きく貢献するでしょう。

ペルソナを設定する手順として、まずはターゲットとなる商品を決めます。具体的には、売上を伸ばしたい商品や、他社にシェアを奪われそうな商品などを挙げます。次に、「商品を購入し自社の顧客となり得る人物」へアンケートを実施しましょう。基本的なプロフィールだけでなく、興味関心、悩み事、目標など、潜在的なニーズや価値観を読み解けるような項目を設定します。最後にアンケートの結果をまとめ、架空の人物像を作成しましょう。アンケートの内容を参考に、架空の人物像が「どんな休日を過ごしているのか」「よくチェックするSNSは何か」など情報を具体的にまとめます。この段階で実在しそうなほど具体的な人物像を作成できると、より一層顧客目線に立ちやすくなります。

ペルソナの設定を明確にできると購買行動を読み解きやすくなり、効果的な施策を検討できます。

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BtoC向けのカスタマージャーニーマップの作り方がこちらです。
①ジャーニーマップのゴールを決める
②フレームを設定する
③顧客情報を収集する
④フレームを用いてマッピングする
⑤商品購入までの一連をストーリーにする

スムーズな作成のために、あらかじめ内容を把握しておきましょう。

初めにジャーニーマップのゴールを決めましょう。目標となるゴールはマップの方向性を定め、作成途中で迷いが生じた際の道標になります。具体的な設定方法としては、「自社がペルソナに望むことは何か」を検討します。

例えば食品関連企業では、顧客が「リピート購入する」「定期購入を申し込む」といったゴールが考えられるでしょう。その他にも商品や業界によっては、「問い合わせをする」「口コミを投稿する」などもゴールになり得ます。初めにゴールを設定することで、集める必要がある情報の明確化や、不足している施策の発見など、やるべきことが可視化できるのです。

次にカスタマージャーニーマップにおけるフレームを設定します。フレームとは、集められた情報を視覚的に捉えやすく整理するための枠組みです。具体的には縦軸と横軸それぞれに項目を設定し、全体の枠組みを完成させます。

項目は以下のように設定すると良いでしょう。

  • 横軸:顧客の購買行動のステップ
    商品の認知、比較検討、購入など

  • 縦軸:顧客の状態
    行動、思考、心理状態、感情の起伏など


留意点として、項目はゴールをもとに検討し設定することが重要です。例えば「定期購入を申し込む」であれば、行動として「問い合わせ」を設定することなどが挙げられます。ゴールに辿り着くために把握しておくべき行動や心理状態は何か、検討してみましょう。

2つの調査の実施によって、設定したペルソナに該当する顧客情報を収集しましょう。顧客情報の収集は、購買行動の過程の中で顧客が取る行動や思考を明確に捉えることにつながります。例えば、商品を認知した手段や期間、その時に抱いていた欲求などの情報を集められると、顧客目線に立ちやすくなるでしょう。

調査方法としては定量調査と定性調査を用いることがおすすめです。2つの調査方法によって、多角的な顧客情報の収集が可能となります。まず定量調査とは、数値化できるデータの調査方法です。例えば購入者アンケートの実施によって、年齢や性別、職業など、購入者の属性を分類できます。そして定性調査とは、数値化しにくいデータの調査方法です。具体的には、購入した顧客へのインタビューや行動観察によって、購入を決めた理由などを伺い、顧客の気持ちや心情の変化を把握します。

このように定量的かつ定性的に顧客の情報を捉えられると、顧客の傾向や行動の理由の特定につながりやすく深い顧客理解が可能です。

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続いて設定したフレームをもとにマッピング作成に移ります。取り組み方としては、まず大まかにマッピングをし、全体像を捉えながら情報の整理を行いましょう。取り組む際には1人ではなく、営業部門や開発部門など部署を超えた担当者も交えて作業をすると生産性が高まります。また行動のステップに沿って記入していくことで、ペルソナが抱く思考をイメージしやすくなります。

最後に、商品購入までの一連の流れをストーリー化しましょう。マッピングした情報と商品購入に至るまでの一連の行動のつながりを検討し、ストーリーとして結びつけます。ストーリー化することで流れに沿った行動や思考の理解ができ、顧客目線に立ちやすくなります。
ストーリーにする際のポイントとしては、顧客の感情の起伏に折れ線グラフを用いると視覚的にも理解しやすくなります。

関連記事:カスタマージャーニーマップの作り方。 必要性やテンプレートも紹介。

オイシックス・ラ・大地株式会社が運用する、有機・低農薬野菜、無添加食品などのサービスブランドである「らでぃっしゅぼーや」の事例を紹介します。らでぃっしゅぼーやでは、客観的に測られた顧客満足度のデータを効果的に活用する施策として、カスタマージャーニーマップを作成しました。

具体的には、まずゴールとして「定期購入の申し込み」を設定し取り組みを始めます。マップ作りには、「ブランドに興味を持つ顧客の期待」と「サービス実態」の両者の間に想定されるギャップを「リスク要因」として捉え反映させます。そのためマップの完成によって、定期購入の障壁の特定や改善すべきポイントを掴むことができました。

らでぃっしゅぼーやでは、カスタマージャーニーによって顧客が重視している点を明確に把握でき、具体的な業務改善の立案に活用できています。

カスタマージャーニーを作るコツを4点紹介します。

  • タッチポイントごとの行動心理を読み解く
  • 顧客の購買行動は線で見るように意識する
  • 最初から精度の高さを求めない
  • カスタマージャーニーは更新が必要

これらの内容を参考に、卓越した作成を目指しましょう。

顧客と企業の接点となるタッチポイントにおける、顧客の行動心理を読み解きましょう。タッチポイントにおける行動心理は、これまで見えにくかった課題の特定につながります。例えば「SNSで商品の口コミを探した」というタッチポイントから、購入の迷いや他社商品との比較を望む深層心理が伺えます。課題としては、自社が作成する広告ではアピールが不足していることが予想できるでしょう。

このようにタッチポイントごとの行動心理を解き明かすことで、具体的な課題特定や改善点の把握という効果が得られるのです。

顧客の購買行動はバラバラの点で見るのではなく、1本の線として捉えましょう。点だけで行動を捉えていては単に1つ1つの対策の立案となり、本来のゴールには辿り着きません。ペルソナの心情を1本の線としてストーリーのように捉えることで、顧客のニーズに寄り添ったアプローチが可能です。

そのため顧客の購買行動は全体の流れを意識し、線として捉えるように意識しましょう。

作成の際には当初から高い精度を求めないよう、注意が必要です。精度にこだわった作成は時間を要しスピード感を持った作成とはかけ離れるため、ビジネスチャンスを逃してしまう可能性があるためです。効果的な戦略に活用するためにはスケジュールを守った作成を行い、速やかにその後のアクションにつなげる必要があります。

そのため、精度の高さは修正を繰り返すこと実現するよう心がけましょう。

カスタマージャーニーは都度更新していかなければならず、作って終わりではありません。なぜなら顧客や市場は日に日に少しずつ変化していくものであり、変化に応じて内容を見直す必要があるためです。更新頻度としては、半年から1年ごとに見直すと良いでしょう。

また経済状況に変化が見受けられた時や、競合他社に新たな動きがあった時にも、顧客の心情や行動は変化する可能性が高いため修正が必要です。

「IDレシートBIツール」は、顧客の購買行動の把握によって効果的なマーケティングに貢献するツールです。数万規模のお買い物レシートのデータを蓄積した「IDレシート」は、商品の買われ方や顧客の嗜好、価値観などを把握でき、顧客の可視化を実現します。また莫大なデータを整理するBIツールによって、様々な業務を抱える多忙なマーケターでも求める情報の特徴を簡単に掴むことが可能です。

IDレシートBIツールは事実に基づいた仮説立てやマーケティングに活用でき、効果的な経営戦略をサポートします。

レシートには、顧客の思考や市場の実態を把握できる有益な情報が満載です。具体的にはレシート1枚で、日付・時間・商品名及び金額(値引・単価・個数)・合計金額・電話番号、さらには購入した店舗のチェーン名・店舗名などの情報からユーザのリアルな購買行動を把握できます。

購買行動の把握や分析によって顧客理解を深めることができ、事実に基づいたマーケティングが可能となるのです。

IDレシートBIツールには他にはない独自の魅力があります。


  • チェーンや業態横断での買い回りが見える
  • モニタじゃない自然な購買を把握できる
  • 定型レポートで誰でもすぐ使える


詳しい特徴について1つずつ確認してみましょう。

POSデータや消費者パネルの購買調査データは種類によって範囲や用途が限定され、なかなかマーケティング上で有効活用できなかった方もいるかもしれません。しかしIDレシートBIツールは、流通チェーン・業態・商品カテゴリ横断してデータを把握できる他にはない特徴を有しています。

例えば、時期・エリア・チェーンで絞りデータを照会することで、職場にいながら自社や他社商品の実売価格を確認できます。また商品カテゴリを越えた併買が確認できるため、顧客の嗜好や行動パターンを明確に捉えやすくなるのです。

外食レシートも併せて分析すると顧客嗜好をより詳細に把握でき、これまで見えなかった課題の特定ができる可能性もあるでしょう。

自然でリアルな購買情報が蓄積されているため、ペルソナがさらに高解像度で捉えられます。蓄積されたデータは、商品購入者の属性、同時/同期間併買や外食傾向などがわかりやすく整理されており、事実データが一目瞭然です。

そのため「このチェーンではこう売れている」「このカテゴリと一緒に買われている」など、POSデータでは見えづらかった根拠となるデータがIDレシートBIツールでは簡単に集められるのです。集められたデータは説得力のあるエビデンスとして商談材料に使用でき、新たなビジネスを生み出す可能性を広げられます。

有益で莫大なデータでも誰もが使いやすい、具体的・直感的な定型レポートが提供されます。データは商品・購入者・購入店の3つの軸に分かれレポート化され、様々な切り口でのフィルター検索が可能であることやグラフ表示によって、直感的な操作や情報把握が可能です。

そのため商談前にさっと情報を調べることから、職場でじっくり情報分析を行うことまで、シーンに応じて幅広く活用できます。必要な情報に特化したデータ収集はもちろん、新たな気づきや課題の発見まで可能となり、莫大なデータを有益に使いこなすことができるのです。

今回はカスタマージャーニーの概要やマップの作成方法、企業事例を中心に紹介しました。購買行動の複雑化が加速する中、顧客視点を持ったマーケティング戦略は企業の売上や成長に有効な取り組みです。とはいってもカスタマージャーニーの作成は容易なものではないため、取り組みに躊躇していた方もいるかもしれません。

しかし作成や見直しを繰り返すことによって着実に顧客の心を掴み、大きなゴールの達成に向かうことが可能です。時代の変化が訪れている今こそ自社におけるゴールを検討し、カスタマージャーニーに取り組みましょう。

詳しいIDレシートBIツールの情報についてはこちらをご覧ください。

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