データ分析

標準偏差の求め方や分散との違いをビジネスの観点から解説

マーケティングにおいて、標準偏差はよく使われる指標です。とはいえ、マーケティングをされている方の中には、標準偏差について意味や定義は理解しているものの、「実際にマーケティグに活かす方法は?」「具体的にどのような場面で有用なのか?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。そこで、この記事では、まずは標準偏差の概要やマーケティングでの活用方法についてお伝えした上で、具体的な計算式についてもお伝えしていきます。

「標準偏差」とはデータの分散度を測る際に使われる指標です。具体的にどのような指標なのか、そしてどんな時に使うのか、詳しく解説していきます。

標準偏差とは平均値と比較した時に、データがどれくらい分散しているかを示す指標のことで、平均値とどれだけばらつきが大きいかを見るために、利用するものです。例えば平均値が同じ100という数値であったとしても、全体的にバラついているのか、ほとんどが100付近に位置しているのかによって、データが持つ意味は大きく変わります。数値の持つ意味を深く分析するために、標準偏差はとても有用な指標です。

標準偏差

引用元(【標準偏差とは?】『求め方』・『分散との違い』・『記号』などを解説!

標準偏差は、具体的にどのように活用していくのでしょうか。例えば部品の仕入れ先を決める際には、該当の部品とモデル品とのサイズや重さなどの品質のバラつきを、標準偏差を使って数値化し、分析できます。部品の標準偏差が小さい場合、品質の良い部品を作る仕入れ先だと言えます。標準偏差と費用とを総合的に考え、企業にとって最適な取引先を選定することにつながります。

標準偏差という指標をマーケティングの観点から、事業にどのように活かしていけるのでしょうか。大きく3点の活用方法を解説していきます。

品質管理をする際にも、標準偏差が使われます。商品の品質をどれくらいまで統一し、どれくらいまでのバラつきを許容するか、その基準に標準偏差を用います。例えば、重さ100グラムの商品について、一方は120g、他方は70gのように、差が大きくなってしまうと商品の品質が良いとは言えません。標準偏差が大きくなってしまっている場合には、製造工程の見直しが必要となるかもしれません。標準偏差を活用して品質のバラつきを分析することで、品質担保にも繋がるでしょう。

マーケティングにおいては、リスクを考慮した上での判断が必要な場面が多くあります。標準偏差を活用してデータを数値化すると、適切なリスク管理を行えるでしょう。例えば、1日につき平均200個売れ、標準偏差が10である商品の在庫を検討するケースについて、標準偏差を活用すると
 ● 売れ行きが良い日:210個
 ● 売れ行きが悪い日:190個
と予測ができ、在庫不足や在庫処分のリスクを可視化することが可能です。どれくらいまでのリスクを許容するかによって、在庫の調整に活かせます。攻めるマーケティングをするにしても、守りのマーケティングをするにしても、標準偏差を活用してリスク管理をすることはとても大切です。


アンケート調査の結果を分析する際に、標準偏差を活用してデータの傾向を掴むことができます。例えば商品の満足度に関するアンケート調査を実施して、満足度の平均は100点満点中50点となったケースについて、
 1. ほとんどの人が50点付近
 2. 100点と0点で二極化している
1.2.とでは、データが示す意味は大きく変わります。より正確なデータ分析のために、標準偏差は効果的な指標です。

標準偏差の公式や、数値があらわす意味などを詳しく解説します。また分散と標準偏差の違いについても見ていきましょう。

標準偏差の計算式は、下記のようになります。

全額PI値

引用元(標準偏差とは|市場調査ならインテージ (intage.co.jp)


この計算式に当てはめると、標準偏差を算出できます。そして標準偏差に平均値を足すと上限、引くと下限を求められます。データがどれくらい分散するのか、そしてその上限と下限はどのくらいなのかの算出が可能です。

平均値から標準偏差の範囲内に含まれるデータが、どれくらいの割合なのかを分析すると、どれくらい数値ががブレるのかを計算できます。標準偏差内に多くの数値が内包される場合は、データはブレずらく計算が立てやすいです。逆に標準偏差内にあまり数値が内包されていない場合は、ケースによって平均値が大きくバラつく可能性があります。

平均値から標準偏差の2倍の範囲内にどれくらいのデータが入っているかを確認することで、大きくブレた時の許容範囲を確認できます。例えば100%が2倍の範囲に入っていれば、それ以上のブレが出る可能性はとても低いと考えられるでしょう。最大の許容リスクを計算できるため、在庫管理などにも活用できる指標です。

標準偏差と分散は似ているもので、どちらも平均値からのバラつきを表す指標です。分散の公式は下記の通り。

標準偏差

引用元(分散と標準偏差【マーケターのためのデータサイエンスの時間】 |デジマール株式会社 (digimarl.com)


一方、標準偏差の公式は下記の通り

全額PI値

引用元(標準偏差とは|市場調査ならインテージ (intage.co.jp)


分散と標準偏差があらわすものはどちらも、「平均からのバラつき」で違いはありません。
44
計算過程が異なるだけで、示す内容は変わりません。


マーケティングでの活用

ここまででお伝えした通り、標準偏差とは平均値からどれくらいデータが分散するかを示す指標です。本記事では、標準偏差がリスク管理やデータ分析にも有効活用できることを紹介してきました。BIツールの「IDレシート」を導入いただくと、標準偏差を活用した、より有効なマーケティング施策の実現が可能です。様々なジャンルのメーカー様と共に模索しながら、成功事例を作り上げています。皆様からのお問い合わせをお待ちしております。

お問い合わせ

流通横断かつユーザ軸での貴社/競合ユーザ様の購買動向の違いが分かります。

詳細資料・サンプルレポートをご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。