意味と計算式

PI値とは?意味や計算方法、効果的な活用法をわかりやすく解説

PI値という言葉を耳にしたことはあるけれど、あまり深くは理解できていないという方は多いと思います。PI値はマーケティングにおいて非常に重要な指標なので、しっかりと学んでおくことが必要です。この記事では、PI値の概要から計算方法、具体的な活用例までをわかりやすく図式を用いて解説します。
PI値とは?

PI (Purchase Index)値とは、店舗などの来店客1,000人当たりの購買指数を表すものです。

Purchase Index (PI)は、「purchase=購買」と「index=指標(指数)」というワードから成り立っており、「購買指数」という意味になります。レジを通過した客1,000人のうち、特定の商品をどのくらいの人数が購入したかをPI値で表します。

例えば、レジを通過した客(=レシート枚数)の中で、りんごを買った人の割合はどれくらいかを測定したい場合に、PI値が使えます。PI値が高い商品ほど、購入した客数が多い、つまりお客様の支持率が高いということになります。

動画でPI値を理解:PI値とは
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りんご

PI値を理解したところで、実際の計算方法を見てみましょう。
PI値は、【PI=(商品の販売点数/客数)×1000】の計算式で算出することができます。

PI値

例えば、りんごを購入した客が10,000人中100人いた場合、りんごのPI値は10%となります。これは、来店客の10%(10人に1人)がりんごを購入したことを意味します。

このPI値を用いることで、「りんごのPI値が10%に対して、他の果物や野菜・その他の日用品などはどのくらいの数値か」といった他の商品との比較がしやすくなり、各商品の売れ行き分析や販売戦略の検討に役立てることができます。


りんごPI値

「金額PI値」という指標もあり、こちらは販売個数ではなく「販売金額」での比較を行います。
金額PI値は、【金額PI=(販売金額/客数)×1000】で表すことができます。


金額PI値

金額PI値を算出することで、商品ごとの販売金額を横並びで比較でき、商品力や販促力を把握することが可能となります。

数量PI値は、レジを通過した1,000人の顧客あたりの「販売数量」を表す指数です。商品やカテゴリー単位で算出され、【売上数量÷客数×100】で計算することができます。


数量PI値

数量PI値を算出することで、店舗の規模や集客力の違いによらず、商品の売れ行きを比較することができます。また、売れ行きの予測もできるため、店頭での欠品防止や主力商品の決定などの参考にもなります。

購買指数を分析するうえで、「部門反応率」という考え方も重要です。
部門反応率は、各部門の購入客数が全体の顧客に対してどのくらいの割合かを示します。部門の強さを評価する指標です。

部門反応率は、【部門の購入客数÷店舗全体のレジ通過客数×100】という式で算出できます。


部分反応率

購買指数の分析において、「単品反応率」という指標も良く利用されます。
単品反応率は、特定の商品が全体の顧客に対してどのくらい購入されているかを示します。

【単品販売点数÷店舗全体のレジ通過客数×100】で算出でき、この数値が高い商品は、粗利益や売上高も総じて高い傾向にあります。


部分反応率
スーパー

では、実際にPI値を活用すると、具体的にどのような効率化がみられるのでしょうか。
ここでは、具体的な活用方法をいくつか紹介します。

PI値を用いることで、曜日や来客数、店舗の規模など条件が異なる場合でも、商品同士の売れ行きを比較できます。様々な角度から同列で比較をすると、思わぬところで販売戦略の改善点が見つかり、店舗の売上向上につながります。

多店舗運営をしている企業は、特定のジャンルの全店舗の平均と、店舗ごとの「平均PI値」を比べることで、品揃えを分析することができます。PI値が高いほど購入個数が多いことになるため、同ジャンルで比較して、PI値が低い店舗は改善の余地がある可能性が高いです。

また過去のPI値を分析することで、販売数や販売金額の予測も立てられます。

PI値が高い商品はそれだけ、購買率や1人当たりの購買個数が多いことになります。PI値が高い商品は目立つところに配置し、逆に低い商品は配置場所のABテストをするなど、改善策に繋げることができます。各店舗の平均的なPI値が上がれば、販売額の上昇に直結します。

PI値を活かした店舗レイアウトのポイントとして、PI値の高い「主力商品」を売り場の通路沿い「外側」に配置することが推奨されています。一方、PI値の低い「補助商品」は売り場の「内側」に配置することがポイントです。

PI値をもとにして発注することで、より効果的に在庫を管理できます。
例えば「この商品を過去のデータをもとに、PI値が〇〇になるように発注してください」と依頼を出すことで、より店舗の時期や販売推移をくみ取った発注が可能です。
また過去のPI値を分析すると、季節性のある商品などが浮き彫りになり、過剰発注のリスクを避けることにもつながります。

PI値は多くの業種で活用されています。以下に、主な業種での具体的な活用事例をご紹介します。

スーパーマーケットやコンビニでは、PI値を商品配置の決定や在庫管理に役立てることが多くみられます。例えば、PI値が高い商品は目立つ場所に配置することで、購入頻度をさらに高めることができます。在庫管理においても、PI値をもとにした発注量の調整により、過剰在庫や品切れを防ぎ、効率的な在庫運用が可能になります。

レストランやカフェでは、メニューのPI値を分析して、人気メニューの強化や新メニューの導入に役立てることが可能です。PI値が高いメニューを中心にプロモーションを行うことで、売上の最大化を図ることができ、また季節ごとのPI値を分析することで、季節限定メニューの効果的な展開が期待できます。

美容院やフィットネスジムといったサービス業では、顧客サービスの改善にPI値を活用できるでしょう。例えば、特定の施術やメニューコースのPI値を分析し、人気の高いサービスを増やす一方で、利用頻度の低いサービスを改善または廃止することができます。これにより、顧客満足度の向上とリピーターの増加が期待できるでしょう。

PI値は強力な分析ツールですが、その利用にはいくつかの注意点があります。
ここでは、PI値の限界と注意点についてご説明します。

店舗の規模が小さいほど、PI値が高くなる傾向があります。小型店舗の方が客数が少なく、そして主力の商品を目立つところに配置しやすいからです。大型店舗と小型店舗のPI値を比較する際には、規模感も考慮することが大切です。

当然ですが全体の傾向として、価格が安い商品の方が売れやすいため、PI値は高くなります。商品同士のPI値を比較する際には、価格帯も考慮して分析をしましょう。

逆に価格を下げてPI値が上がっても、販売額の向上につながっていなければ、逆効果になってしまいます。PI値を分析する際には常に、価格も考慮しなければいけません。

PI値が高い=必ずしも利益率が高いとは限りません。特に利益率が低い商品に過度に依存すると、総利益が減少するリスクがあります。また、PI値は季節やイベントによる一時的な変動も影響を受けるため、長期的なトレンド分析が必要になります。

PI値は他のマーケティング指標と組み合わせることで、より精度の高い分析が可能になります。以下に、代表的な指標との関係をご紹介します。

商品ごとの売上高を詳細に分析したいときは、PI値と客単価を組み合わせることでより具体的に把握することができます。PI値が高い商品でも、客単価が低い場合は総売上に対する影響が小さいため、両方の指標をバランス良く見ることが重要です。

詳しくはこちら:客単価とは?計算方法や分析データを活用するメリットについて詳しく解説

コンバージョン率は、来店客が実際に購入に至る割合を示します。PI値とコンバージョン率を組み合わせて分析することで、どの商品の購入転換が高いか、または低いかを把握でき、改善点や強化すべきポイントが明確になります。

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PI値はマーケティングにおいて非常に重要な指標です。本記事では、PI値の概要から計算方法、具体的な活用例までを解説しました。
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