商品開発会議

商品開発をマーケティングの視点で解説。仕事の流れやフレームワーク

商品開発の仕事と聞くと、新しい商品を生み出すというイメージがわき、楽しそうだと感じる方も多いでしょう。商品開発の仕事の具体的な内容や、開発のステップに関しては、詳しく知らない方もいらっしゃると思います。この記事では商品開発について掘り下げて、詳しく解説していきます!

そもそも商品開発とはどういったものなのか、解説していきます。商品開発の種類や、商品企画との違い、商品開発のポイントをお伝えしていきます。

商品開発は「新商品開発」と「既存商品の改良」の2つに大きく分類されます。新商品開発はその名の通り、自社で新たな商品を生み出す仕事。一方、既存商品の改良とは世の中に既に流通している商品やサービスに、さらに手を加えてより良いものにしていく仕事です。
新たな商品をゼロから生み出していくだけでなく、既存の商品に付加価値をつけ、新しいニーズに応えるという形も商品開発に分類されます。むしろ、既存商品のリニューアルの方がデータが集まっており、かつ既存の顧客も多いため、よく実行されています。

「商品開発」と「商品企画」はどちらも商品に関する仕事で、混同されることが多いです。
商品企画とはアイディアをゼロから考えるフェーズのことで、主に企画の部分を示しています。どんな商品を作ってくのかという考案、そして一歩先に進んだ企画まで行うのが商品企画です。
一方、商品開発は企画された商品を具体的に詰めていき、商品化まで進めていく仕事になります。どちらかというと商品企画よりは地味な仕事が多く、データ分析もしながら地道に商品化までの工程を進めていきます。

企業は会社の利益と、消費者の満足度の両方を継続的に伸ばしていかなければいけません。
大抵の商品は販売開始から少しずつ、一般化しニーズが落ちていってしまいます。やはりリリースした直後はメディアにも取り上げられますし、ホットな状態がしばらく続きます。しかし徐々に他の商品の登場などもあり、コアな顧客以外の購入が減っていってしまいます。
下がっていく利益を補填するために、単なる値上げをするだけでは、顧客の満足度は下がってしまいます。そのため商品の改良をして、顧客の需要を高め、より価値があるものを提供することが大切です。現代は消費者のニーズが目まぐるしく変わる時代なので、常に変わりゆく最新のニーズをキャッチし、商品の改良や開発に活かしていかなければいけません。

商品開発の仕事に取り組む際、どのようなステップで取り組んで、ユーザーに商品が届いていくのでしょうか。大きく5つのステップがございますので、1つ1つ解説していきます。

市場のニーズを調査することが、出発点であり何よりも大切です。販売者視点での開発ではなく、ユーザー目線で開発をしなければいけませんからね。新商品であれば、ベンチマークとする商品、既存商品であれば商品自体や競合商品の購入者がどのような人なのか、どんなタイミングで、どんなものと一緒に買われているのかなど、市場や商品の実態を購買データから抽出することで、購入しているユーザ目線でのニーズが探れます。ベンチマークとする商品のどこに課題があるのか、どんな商品であればさらにユーザーのニーズが満たせるのかなども、徹底的に掘り下げていきます。
また、実際に発売された後も、購買データから狙ったターゲットに届いているか、想定通りの買われ方をしているかなどを定期的にチェックしていくことも重要です。

ヒアリング、リサーチをしたニーズや、競合他社の情報をもとに、商品の企画制作を行います。どんなコンセプトの商品を作るのか、そしてどんなユーザーをターゲットにするのか、価格帯なども含めて詳細をまとめていきます。
ターゲットの設定の際には「ペルソナ」を設定し、年齢や性別、趣味や職業まで掘り下げて1人の人物像を作り上げ、そのターゲットに刺さる商品を考えていきます。具体的なペルソナを設定することで、商品のコンセプトがぼんやりとせず、魅力的なものになります。

商品を実際に販売する際に、まずは試作品を社員で評価します。社員同士で試作品のレビューを交換し、より良い商品にするために改良をします。さらにモニターとして社外の方にも試してもらい、生の声を収集。集まったデータをもとに試作品をさらに改良して、販売の準備を進めます。商品開発はユーザー目線に立って行うことが何よりも大切で、市場や顧客のニーズの調査は繰り返し行います。

試作品を改良し、実際に販売する商品の詳細が決まったら、製造のフェーズに入ります。実際の製造や販売のスケジュールを調整したり、どれくらい生産するのか計画を立てたりします。

ここまでのフェーズを経て、実際に商品をユーザーに届けていきます。インターネットで広告を出し、そして実際の店舗でもユーザーの目に届くようにアピールします。現代はSNSが普及しており、SNSでの商品のPRはとても効果的です。どんなに良質な商品を作り出しても、ユーザーが認知して購入してくれない限り、その良さは伝わりません。


商品開発リサーチ

商品開発をする際には、市場のニーズや競合を調査し、売れる商品を開発しなければいけません。分析の際にはフレームワーク分析が有効で、4つの分析方法を解説します。

STP分析とは、「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」の3つの観点から分析するフレームワーク。セグメンテーションとは市場の中のどんなグループを対象とするかという、グループ分け。そしてターゲティングでそのグループをより詳細に分析し、具体的なターゲットを決め、ぼんやりとした商品にならないようにします。そしてポジショニングで競合と比較し、どこにポジションを置くか、提供する商品の価値を分析するという流れです。
大きな視点から市場を分析し、徐々に粒度を細かくし、実際の商品の開発まで掘り下げていくフレームワークです。市場分析の観点から商品開発に向けて進めていくため、商品のマーケティングに大きく貢献するでしょう。

4P分析とは4つのPに分類し、それぞれの領域において具体的な施策を練っていきます。

Product(製品)

ユーザーのニーズを満たすためには、どのような製品を作ればよいのか。機能やサイズ、デザインなど様々な観点から作る製品の型を決めていきます。

Price(価格)

競合やターゲットとなるユーザー層から、適正な価格を決めます。価格の安さで勝負するのか、それとも質で勝負するのかといった観点によっても、価格が変わってきます。

Place(流通・販売ルート)

販売に至るまでのルートを決めます。商品の性質によっても変わりますし、価格にも影響が出る工程です。

Promotion(広告・宣伝・販売促進)

どのように顧客にセールスするかという観点の分析。どんなに良い商品でも、ユーザーに魅力的に映らなければ購入してもらえないので、とても重要な分析になります。プロモーションの方法は商品の性質やターゲットによっても、大きく変わります。かけられる広告費や利用できるチャネルなど、様々な観点から効果的なプロモーション施策を考えましょう。

上記の4つのPのそれぞれの観点から細かく分析し、そして総合的に判断するのが4P分析というフレームワークです。

SWOT分析とは下記の4つの頭文字を取ったもの。
・Strength(強み)
・Weakness(弱み)
・Opportunity(機会)
・Threats(脅威)

自社の強みと弱みという内部的要因と、機会と脅威という外部的な要因の2つに分けます。それぞれの観点を掛け合わせて、良い切り口が無いかを分析します。例えば下記の通り。

強み×機会=自社の強みを活かして機会を創出する
強み×脅威=自社の強みが脅かされないよう、リスクヘッジをする
弱み×機会=自社の弱みを改善することで、機会を創出する
弱み×脅威=弱みが外的な脅威によってダメージとならないよう、リスクを管理する

上記のような形で、内的要因と外的要因を組み合わせて分析をします。

マーケティングの分析の中でも、とてもメジャーで利用されることが多い3C分析。

①顧客(Customer)
②自社(Company)
③競合(Competitor)

の3つのCの観点から分析します。「顧客の観点」から見て、「競合」と比較した時に、「自社」にしかない強みは何かというように、の3つの観点から分析。3つの視点から深く分析するためには、それぞれの情報をしっかりとリサーチすることが大切です。顧客へのアンケートや競合の調査など、前提知識を集めなければいけません。

商品開発は「新商品開発」と「既存商品の改良」に分かれます。商品の開発と商品の企画は異なり、商品の企画は企画する段階までのことを指し、開発は商品化まで進めることを示します。
①リサーチ
②企画制作
③試作品の改良
④製造
⑤マーケティング
という5つのステップに沿って、商品開発が進んでいきます。STP分析や4P分析、SWOT分析や3C分析などのフレームワークに沿って、論理的に分析し、商品の成功に向けて緻密に進めていくことが大切です。

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