購買データから何が分かる?~レシートをマーケティングする~

購買データから何が分かる?
~レシートをマーケティングする~

マーケティングって、業態や職種によって対応手法が異なりますよね?

WebメディアやECサイトなどを運営しているような企業・部署であれば、デジタルマーケティングになりますし、自社で商品を製造しているメーカーであれば、競合調査やブランド価値向上などの視点でマーケティングを考えると思います。そして、販売店であればPOSデータつまり購買データがマーケティングの中心になりますよね。

ただ、この購買データは「誰もが活用できるものではない」販売店特有のデータと考えている方も多いのではないでしょうか。
メーカーにお勤めのマーケターさんの中には、「購買データが使えたら…」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、そんな「購買データ」の活用方法を解説します。最後までお読みいただければ、販売店以外の方にも「購買データ」を活用できるチャンスがあることがお分かりいただけると思います。

ぜひ最後までお読みください。

まずは「購買データ」が、どのようなものなのかを解説していきます。

コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどで買い物をすると、レジでお会計をしますよね。その時に、購入日時・購入商品・購入個数・購入価格などが記録されます。この購買データは、さまざまな外部データと連携して分析することで、さらに価値が高まります。たとえば、購入日の天気や気温のデータを活用すれば、気温が何度以上になるとどんな商品の購買数が増加するのか、雨の日にはどれくらい購買数が減少するかなどが見えてきます。

気温の変化による売れ筋商品が予測できれば、天気予報をもとにして、売れ筋商品を目立つような陳列レイアウトに変更して売り上げを向上させる対策ができます。また雨の日にどの程度購買数が減少するかが予測できれば、お弁当やおそうざいなど当日に売り切る必要がある商品の発注数をコントロールして、売れ残りを防止できます。

さらに、メーカーが行っているキャンペーンなどのデータと連携することで、キャンペーンの効果がどの程度であるかがわかります。キャンペーンの反応を見ながら、店頭のレイアウトの検討をしたり、今後の発注数を予測したりできます。競合商品の売り上げと比較することで、競合商品への影響も見えてきます。

上記のように、購買データは天候や気温などの天気情報と掛け合わせたり、キャンペーン情報と掛け合わせたりすることで、活用の幅が広がります。

ではその他には、どのようなことが見えてくるのでしょうか。販売店舗の情報からは、エリアが特定されます。そのため、同じ商品のエリアごとの販売状況が比較できます。関西では人気の商品が東京エリアで伸びていないとか、都市圏では好調なのに地方で伸び悩んでいるなどの状況が見えれば、その理由の分析が必要です。

また、メーカーの方などは「同時購入商品」や「購入価格」などの情報があると嬉しいのではないでしょうか。自社商品は、どんな商品と同時購入されているのか。1回の購入個数は何個なのか。販売価格がいくら以下になると購入数が伸びているのか。競合商品の購入価格帯がいくらくらいなのかなどが見えてくると、販売戦略も立てやすくなるかと思います。

さらに上記のようなデータを、購入者の年齢層・性別・趣味嗜好(しこう)などのプロファイルデータと掛け合わせて分析できたら分析の幅が広がりますよね。

そんなデータが欲しいと思った方は、ぜひ最後までお読みください。販売店でなくても購買データを活用できるアイディアを後程ご紹介します。

購買データの分析手法例

ここまで購買データの活用イメージを説明してきましたが、ここではより具体的に「購買データの分析手法」を考えてみましょう。

マーケティングをしっかりと勉強されている方は、ご存知かもしれません。その場合は、読み飛ばして次のブロックへ進んでください。

ここでは「購買データの分析手法」の、基本的な3つの手法を解説します。 この流れに沿わないと、ロジック通りに分析ができないため、必ずSTPの順に行ってください。

「ABC分析」は、商品を3つに分類して発注数管理や売り場レイアウトに活用する手法です。たとえば商品を下記の3つに分類します。

A:売れ筋商品
B:売り上げにばらつきがある商品

C:売れない商品

Aの「売れ筋商品」は人気商品ですから、店頭の目立つ場所に配置して品切れを起こさないように発注数を多めにコントロールします。販売数が減少傾向になってきたら、発注数を検討する必要もでてきますので、注意が必要な商品群です。

Bの「売り上げにばらつきがある商品」は、大きく売り上げ全体に影響するような商品ではないので、品切れを起こさない程度に発注数をコントロールしておけば大丈夫です。

Cの「売れない商品」は、POPを工夫してテコ入れするか、値下げして売り切るか、など対策が必要な商品です。

「ABC分析」は、シンプルで分かりやすい手法ですね。

関連記事:ABC分析とは?マーケティング強化を実現する活用

続いては、販売商品を時期的な視点で分析する手法。分かりやすいのは季節商品です。

春は花粉症対策グッズが売り上げ好調で、梅雨時期になると雨対策グッズ、夏になれば暑さ対策グッズ、秋は行楽グッズ、冬は防寒グッズを主力商品として発注し、店舗レイアウトもシーズン商品を強化していきますよね。

それと同じように、「新製品」でメーカーがキャンペーンなどを実施している商品は、販売開始時やキャンペーン展開時は、発注数も多めにし、店頭でも目立つように陳列しますよね。ただし、販売やキャンペーンから時間が経過すると、販売数も減少してきます。そうなると、発注数を調整しないと在庫を抱えることになってしまいますので、しっかりと売れている時期を見極める必要があります。

このように、売れている時期を見極めるための手法が「トレンド分析」です。

お客様のいつもの購入状況から、セグメントして考える手法です。よく「優良顧客」や「ロイヤルカスタマー」なんていう言葉を耳にしますよね。

定期的に高額商品を何度もリピートして購入していただけるお客様は、誰でも大事にしたいもの。しっかりと、繰り返しご利用いただくお客様がどのようなお客様かを理解して、それぞれの属性のお客様に対して、対策を切り分けていくのが「RFM分析」です。

RFMは、下記の頭文字です。

R:Recency(いつ購入したか)
F:Frequency(どれくらいの頻度で購入するか)
M:Monetary Value (いくらくらい購入したか)

この3つの指標をもとに「優良顧客」「一般顧客」「休眠顧客」などに分類します。

「優良顧客」に対しては、日頃の感謝を伝えるとともに、価値ある新商品などが入荷した際にお知らせすると、興味を持っていただけるでしょう。「一般顧客」は、キャンペーンやセール情報などに強く反応するでしょう。「休眠顧客」は、以前はご購入いただいていたものの、再度ご購入いただけていないケースですので、サンプル商品のプレゼントや次回のお買い物で使えるクーポンのプレゼントなどで対策しましょう。

関連記事:RFM分析とは何?概要や特徴、やり方などを具体的に解説

「デシル分析」とは、顧客の購買単価でグループ分けして分析する手法で、「デシル」はラテン語で「10等分」を意味します。
それぞれ購買グループの購入金額から比率を算出し、どの層にアプローチするべきかを明確にすることが目的です。
デシル分析により優良顧客が把握でき、最も効果が高い層に対してキャンペーンやクーポンを配布するといった施策を打てます。

「セグメーション」とは、「区別」を意味し、顧客の年齢・性別・居住地・行動パターン等で分割してグループ分けをし、分析することをセグメンテーション分析と言います。
消費者のニーズに仮説を立てて調査・分析をすることで、ターゲットを絞り込みます。
こういった手法を繰り返すことで効果的な切り口が分かり、有利な市場を探ります。

「バスケット」とは、消費者の「買い物かご」を意味します。つまり、「バスケット分析」とは、消費者の買い物かごの中を分析することです。
どの商品を何の商品と一緒に購入しているかを分析することで、買い物パターンや傾向を分析できます。
セットで購入されやすい商品は何かを把握することで、商品同士の売り場を近くにするなど、レイアウトが組みやすくなります。
また、一緒に買われているものによって購入の意図がわかります。たとえば、ポカリスウェットをカロリーメイトと一緒に買っていれば部活動中の軽食用、ビタミン剤や薬と一緒に買っていれば風邪をひいている、オロナミンCと一緒に買っていればサウナに持っていく、などのように購入の意図を読み取ることができます。
バスケット分析から戦略を立てることで、顧客の単価向上や売り上げアップを図ります。

販売店勤務の方であれば、既にPOSデータを上記のように活用されていることと思います。しかしPOSデータを持っていないメーカーなどでは、POSデータを活用している販売店と商談する際に、説得力のあるプレゼンをすることが難しいのではないでしょうか。

先方の販売店は、自社のPOSデータを持っていますから、エリアごとの販売状況や売れ筋の価格帯も分析している可能性があります。もちろん他社の競合商品でも、同様にエリアごとの販売状況や売れ筋の価格帯を把握している可能性があります。

そのような販売店とメーカーが対等に説得力ある商談を行うためには、どのようなデータがあったらいいでしょうか?

販売店で持っているのは、当然のことながら「自社の販売データ」です。であれば、もしも「業態別」の分析データを持てればどうでしょうか?

コンビニエンスストアとスーパーとドラッグストアで、どのように購買状況が異なるのか。またコンビニエンスストア・スーパー・ドラッグストアの中でも、各社で状況が異なるケースなどの情報を持っていたらどうでしょうか?

販売店と商談する際に、「他社の場合は…」とか「他の業態(スーパーやドラッグストアなど)の場合は…」などの話ができれば、より説得力のある商談になると思います。

近年は、そんな「ビッグデータを分析すること」の重要性が問われていますし、誰でもそのようなビッグデータを属性別横断的に分析できるBIツール(ビジネスインテリジェンスツール)も出てきています。

関連記事:POSデータとは?活用術や分析方法を紹介

有効なポジショニングマップを作成するポイントを2つご紹介します。

具体的に購買データを実際に活用して役立つシーンを紹介します。

店舗を横断する購買データがあれば、流通企業との商談も有効になります。
例えば、流通A社のPOSは基本的には他の流通企業への提案に使えません。自社だけの販売データを元にした分析は、自社で買っている顧客のことはわかっても、他社で買っている生活者(=未来の顧客層)のことはわかりません。新規顧客の獲得には、今満たしていないニーズを満たすことが重要なので、そのような分析には店舗を横断したデータが必要です。
そこで、競合他社との比較や同じ業界の販売状況の分析データがあれば、より説得力が増す商談ができることでしょう。

顧客の深掘りをするためには、様々な業態を横断してみることが重要です。
消費者は同じ商品を買う場合でも、いろいろな店舗で購入します。
例えば、唐揚げを購入するにしても、コンビニやスーパー、外食など、様々な選択肢があり、それぞれの店舗によって味も価格も全て異なります。また、から揚げを買っている人が、ドラッグストアでサプリやダイエット補助食品を買っていれば、ジャンクな商品が好きながら、体に気を使っていることがわかります。
各店舗の購入者像を分析することで、顧客ニーズや潜在顧客像も知ることができるでしょう。

購買データからは、顧客の自然で網羅的な購買行動を分析することができます。
購買分析をする上で、そのデータがどのくらい自然か(偏りがないか)は重要です。
生活者の潜在的なインサイトは、自然に行われた行動を観察することで発見できます。
家計簿などにつけられた、その人が自分の為に購入した、自然で純粋に商品が欲しいという目的の買い物データには、隠れたヒントがあるはずです。
逆にモニター謝礼やポイントなどの見返り目当てのユーザーから集めた購買データは、お得な商品が多く出現したり、謝礼やポイントの対象にならない購買は出現しなかったりと、偏りや欠損がある点にも注意が必要です。

購買データ選択肢の注意点を5つ紹介します。

データを分析する際、しっかり分析するに値するボリュームがあるかどうかを確認する必要があります。
分析する際のパネルデータの多くが3万人以上になっていれば傾向値が見つかるでしょう。
ただし購入者や購入商品を絞っていくと、サンプル母数も減っていくため、注意が必要です。

商品のカテゴリやチェーンを横断して分析することで、顧客の購買行動をより深く理解できます。例えば、チョコレートとデザート、ポテトチップスとホットスナックは、生活者の視点からだと、どちらも代用することができます。
もしひとつのカテゴリだけを分析していたら、顧客の購買理由やインサイトを掴むのが難しくなるでしょう。
顧客の購買行動の新たな発見のためにも、商品カテゴリやチェーンを横断的に分析することがポイントです。

完璧なデータは存在しません。顧客データは主観的で人や状況によって、購買行動は常に変化していることを理解した上で分析をすることが大切です。
どのデータにも、ユーザーの偏りはあります。その偏りを充分に理解した上でデータを見ることがポイントです。

データを簡単に集計できるツールがないと、分析する際にデータの意味する内容を読み解くことが難しくなります。いざデータを集計しようとしても、仮説や見たいものによって変わります。また、ツールではなく手動で作業するとなると膨大な時間がかかります。
あらかじめ、マーケターや営業がよく見るレポートがプリセットされているシステムがあれば、データに精通していない人でも簡単に見たい情報へアクセスできます。
例えば、BIツール(膨大なデータを収集・蓄積・分析・加工などを可視化するツール)などがあれば役に立つでしょう。

データを扱う上で、操作に慣れた人のサポートや伴走型の活用指南があるかどうかもポイントです。
見たいデータやレポートにカスタマイズできれば、集計業務にかける時間を削減し、読み解く方に時間を割けれるようになります。
購買データの効率化のためにも、フレキシブルなサービス拡張やサポートは、スムーズなデータ分析において重要な要素になるでしょう。

購買データ分析の具体的な4つの成功事例を紹介します。

株式会社プレナスは、「IDレシート」を使ってデータを収集・分析をしています。
IDレシートから、生活者のライフスタイルがどのように変化しているか、ニーズは何かを観察し、仮説を立てて、商品開発などのアクションにつなげています。
例えば、弁当購入後のスイーツの追加購入データに基づいて、トレンドになりそうなスイーツの商品開発にチャレンジしています。
IDレシートは、ひとつの商品カテゴリのみのデータではなく、競合も含めて生活者の購買を俯瞰で広く見られるのがポイントです。

日本の飲料メーカーヤクルトは、顧客の購買行動のデータを幅広く集めて分析し、オランダでの売り上げを15〜20%も伸ばしました。
自社商品の中で購入層がどう異なるか、横断的に分析することで、新たな購買傾向を発見することに成功しています。
購買データの分析から、売り場の配置や売り方を工夫し、新たなマーケティング施策に落とし込んで、売り上げアップへと繋げています。

味の素冷凍食品株式会社は、フード業態の全体市場の把握をすぐにできるデータ分析ツールを導入することで、商品開発や販売戦略に役立てています。
外食400チェーンの注文データやクレンジング済みの惣菜データ、コンビニやスーパーなどトレンドを可視化して、購買データの横断的な分析をしています。
チェーンごとの動向が分かるレポートは、他社との商談の際にも有効でしょう。

カルビー株式会社は、「N1(1人の顧客)」分析に注目して商品開発をしています。1人の顧客を抽出して深く分析することで顧客理解を深め、潜在的なニーズを汲み取ることができます。これにより顧客の満足度を高め、商品や会社に対して共感や思い入れを持ってもらい、拡散などのアクションに繋げられるようなマーケティング戦略が図れます。
また、流通横断のIDレシートのデータから、1人の顧客が商品をどこで他に何の商品と一緒に買うか深く調査する事で、顧客との良いコミュニケーションを取る手段として活用しています。

ここまでお読みいただき、「そんなデータがあったら…」と思っていただいた方にご活用いただきたいのが、当社の「IDレシートBIツール」です。
IDレシートBIツール

当社では、一般消費者が日々買い物をする際の「レシートデータ」を収集しています。家計簿アプリで登録されるデータなので、毎日の買い物データが集まります。さらに会員登録が必要なシステムを活用しているため、プロファイルデータとひもづけての横断的な分析が可能です。

全国各地のさまざなまな業態のレシートですので、コンビニエンスストア・スーパー・ドラッグストアに限らず、飲食店や百貨店や各種専門店とあらゆるショップのデータが存在します。

日々最新のレシートデータを集めて、3億枚ものレシートをご自身で分析できるサービスです。

IDレシートBIツールの特徴は大きく3つ挙げられます。

  • 買い回りが見える
    ひとりのお客様が、1日何店舗をめぐり、どのような商品を購入したかが分かります。どのスーパーでどの商品をいくらで購入したのか、別の店舗に行ってからはどんな商品を購入したのか、各店舗で同時購入したのはどんな商品なのかが分析できます。

  • モニターではない自然でリアルなデータ
    特定期間の買い物だけをモニター調査した場合、その買い物には「購入商品を知られてしまう」と意識する可能性があります。しかし、当社のデータは家計簿データを活用していますので、日常の自然でリアルな買い物状況が分かります。

  • JANコードのない商品のデータも
    当社では、レシートをスマホカメラで撮影していただき、その写真から購入商品名や購入店舗、購入価格と数量などをデータ化します。そのため、JANコードのないお弁当やお総菜などの購買データも把握できます。

分析は、独自のBIツールで簡単に集計できますので、調べたいときにすぐに分析できます。レシートデータは、日々最新情報が更新されますので、いつでも最新データで分析が可能です。

それでは具体的に「IDレシートデータ」から、どのような分析が可能なのか、実際の分析事例を紹介しましょう。

豊富な種類のスイーツを高品質で安価に提供する「シャトレーゼ」は、「コンビニデザート」の手軽さとも似たポジションに位置付けられます。そこで、「シャトレーゼ」と「コンビニデザート」との相違点や、「コンビニデザート」購入者がどのような「シャトレーゼ商品」を購入するのかといった、「コンビニデザート」にはない「シャトレーゼ」ならではの魅力を探っています。

まずは「シャトレーゼ」と「コンビニデザート」の購入者層が、どのように異なるのか「年代・職業」を比較してみました。



「シャトレーゼ購入者」は「40代」が家計簿全体よりも6ポイント高くなっています。そして職業では、「パート・アルバイト」が5ポイント・「専業主婦」が4ポイント家計簿全体より高くなっています。

一方「コンビニデザート購入者」は、「40代」が家計簿全体よりも5ポイント高くなっているのは同じ傾向ですが、職業は家計簿全体とほぼ同等の分布となっています。このことから、「シャトレーゼ購入者」がファミリー層の中でも特に、専業主婦・パート・アルバイトの方に支持されていることが分かります。

続いて、「シャトレーゼ」と「コンビニデザート」の購買時間帯の違いを調べてみましょう。



「シャトレーゼ」は早朝・深夜の営業をしていないため、購入時間帯が11:00~18:59の昼・夕方に集中します。営業時間は20時~21時閉店の店舗が多いものの、夜(19:00~22:59)の購入者は昼・夕方と比較して少なくなっています。購入者属性で、専業主婦・パート・アルバイトの割合が高かったため、夕食の準備の前までに購入するケースが多いようにも読み取れます。

また平日/休日の差に着目すると、昼から夕方にかけては休日利用が平日の2倍以上と、休日利用が多いことが分かります。

では、1回の買い物における「商品の購入数」について見てみましょう。下記が、「シャトレーゼ」と「コンビニデザート」の1回の買い物における商品購入点数の比較です。



「シャトレーゼ」と「コンビニデザート」の購入数分布を比較してみると、対照的なカーブとなりました。「シャトレーゼ」は1回の買い物で「10個以上」商品を購入している割合が37%あり、「コンビニデザート」より28ポイント高くなっています。

逆に「コンビニデザート」は「1個購入」の割合が33%ですから、「コンビニデザート」を1個購入する割合よりも、「シャトレーゼ」で10個以上購入する割合のほうが4ポイント高いということになります。

「シャトレーゼ」が、いかに「ファミリー層」による家族のための購買であるかが見えてくるデータとなりました。

続いては、「シャトレーゼ」と「コンビニデザート」の人気商品を比較してみましょう。 どのような違いがあるのでしょうか。



「シャトレーゼ」と「コンビニデザート」の購入者数TOP10商品の比較が、上の表となります。比較のため、「ケーキ」「和菓子」「洋菓子」の3カテゴリの商品のみを集計しています。「コンビニデザート」はすべてが「洋菓子」であるのに対し、「シャトレーゼ」は4割が「ケーキ」・3割が「洋菓子」「和菓子」となっています。

また価格を見ると、「コンビニデザート」は100円台が8割であるのに対し、「シャトレーゼ」は4割が300円台という違いもあります。ただ、300円台の商品のほとんどが「ケーキ」であり、総務省統計局の小売物価統計調査(2023年)によると、日本全国のスーパーでのケーキ1個の平均価格は455円ということなので、「シャトレーゼ」の300円台のケーキはリーズナブルな価格設定だということも分かります。

このように比較してみると「コンビニデザート」は、仕事の休憩中にちょっと食べる、お皿などを必要としない安価でそのまま食べられる手軽なスイーツのイメージがします。一方「シャトレーゼ」は、お皿に出して食べるケーキのような商品や、高齢者にも人気の「和菓子」も多く、「家族それぞれの好みに応じた多様なジャンルの商品」が購入されているように見受けられます。

このレポート記事では、上記以外にもシャトレーゼの「年代別や男女別の人気商品」や「コンビニデザート購入者は、どんなシャトレーゼ商品を購入するのか」についても分析しています。詳細については下記のURLでレポートをご覧ください。
検証!「ペプシからあげ専用」は、からあげと一緒に買われているのか?

上記のように、公開しているIDレシートデータの分析レポートでは、様々な視点での分析例が掲載されています。マーケティングにおけるデータ分析のヒントとして、ぜひご活用ください。

"IDレシートデータ"活用事例は、こちらをご覧ください。

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