商品分析の手法7選!マーケティングに生かせる知識を学ぼう

商品分析の手法7選!マーケティングに生かせる知識を学ぼう

顧客のニーズを的確にくみ取り、商品やサービスをより多く効率的に販売するために欠かせないマーケティング。主に市場調査や広告宣伝などを行いますが、市場でシェアを獲得するためには、商品分析が重要な役割を果たします。そこで今回は、マーケティング初心者の方に向けて、商品分析の重要性と、具体的な商品分析の手法を7つ紹介します。

商品分析とは、自社のサービスや商品の購買データを分析し、その商品が市場や商品カテゴリーの中で「どのような位置づけにあるのか」を明らかにする手法のことです。実施することで商品が持つ強みや弱み、改善点を見いだせるため、売上の増加や新たな顧客の獲得につながります。また、業務プロセスの改善や新たな戦略の立案にも役立つ特徴があります。

たとえば、商品の企画・開発段階で、商品分析の結果はターゲット層を選定する際の指標となります。他社の商品が大きなシェアを占めている層や、別の自社商品が既に存在する層が分かるので、より大きな売上が見込める新たなターゲット層を見つけられるでしょう。ターゲット層を絞り込めれば、そのターゲット層に合わせた商品の開発や改善ができます。

さらに、売上が高い「売れ筋商品」や、ほとんど売れずコストに見合った利益が得られていない「死に筋商品」を把握することで、売れ筋商品の売上をさらに伸ばすための戦略や、死に筋商品の撤退などの経営戦略が立てられます。より効率よく商品の開発や販促活動が行うには、商品分析は必須といえるでしょう。

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ここでは、商品分析に活用できる下記の6つのフレームワークを紹介します。
・ABC分析
・アソシエーション分析
・バスケット分析
・デシル分析
・クラスター分析
・4P分析
それぞれの特徴を確認しましょう。

ABC分析とは、商品や顧客などの重要な指標を重要度によってABCの3つのランクに分類する分析方法です。別名重点分析ともいわれ、売れ筋商品や死に筋商品、優良顧客の把握などに役立ちます。ABC分析ではまず、商品ごとの売上高を集計し、売上が高いものから順に商品を並べます。次に、全体の売上総額に対する各商品の売上高構成比を算出し、割合上位のものから累積した値をもとに商品をABCでランク分けします。たとえば、累積売上金額比率が70%までの商品をAランク、70%〜95%までの商品をBランク、95%~100%をCランクと設定できます。ただし、ランク分けの基準値は決まっていないので自由に決めて構いません。

ABC分析では商品の優先度や重要度が把握できるため、発注数の調整や在庫の管理がしやすくなり、今後の商品展開などの戦略立案にも生かせます。また、Aランクに属する優良顧客には商談時間を長く設けるなどの、顧客との結びつきを強化し維持する活動を的を絞って行えるでしょう。

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アソシエーション分析とは、連関分析ともいわれ、大量のデータを分析して有用なパターンや法則を見つけ出すデータマイニングの分析手法のひとつです。支持度・確信度・リフト値の3つの指標をもとに顧客のWeb閲覧履歴や行動パターンなどを分析することで、商品やサービス同士の売れ行きの関連性を割り出します。「Aに興味を持った顧客はBにも興味を持っている可能性が高い」というように、一緒に検索・利用される関係性が強い商品やサービスを見つけ出せます。そのため関連性のある商品やサービスを同時に展開するなど、相乗効果を見込んだ販売戦略を立てられます。

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バスケット分析とはアソシエーション分析の一種で、顧客の買い物かごをひとつの単位として、何が一緒に売れているのかを分析する手法です。店舗ではレシートの元になるPOSの購買データ、オンラインショッピングでは買い物かごごとの購入データなどが分析対象です。対象の顧客全体のうち、AとBの商品を合わせて購入している割合を示す「支持度」、Aを購入した人のうち、Bも同時購入している割合を示す「信頼度」などの指標を用いて関連性を抽出します。

アソシエーション分析が、Webサイトの閲覧や顧客の行動パターンなど広い場面での関連性を分析できるのに対し、バスケット分析は顧客の購買に限定した分析手法です。アソシエーション分析と同様に、関連して売れやすい商品を一緒に陳列するなどして、売上の増加に役立つでしょう。

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デシル分析とは、ある商品の購入金額などが高い順に顧客を並べ、10等分してグループごとに購入比率などを分析する方法です。デシルはラテン語で「10分の1」という意味があります。デシル分析の手順はまず、顧客を購入金額が高い順に並べ、上位から10のグループになるよう人数を等分します。割り切れない場合は下位の購入金額が少ないグループで調整して構いません。次に、各グループの購入金額の合計を算出し、その商品を購入した顧客全体に対して、グループごとにそれぞれの購入金額の割合と上位グループからの累積購入金額比率を算出します。

デシル分析を用いれば、上位何%の顧客が何%の売上を占めているのか、購入金額の分布を容易に把握できます。重要視すべき売上貢献度の高い優良顧客のグループを把握すれば、より効率的に集中したキャンペーンなどのマーケティング活動を行えます。またグループごとに販売戦略を練ることで、費用対効果も高められるでしょう。

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クラスター分析とは、さまざまな性質・属性をもつ複数のものが混ざり合う大きな集団の中から、似たもの同士を集めてグループを作り、分類する手法です。クラスター分析には、大きく分けて階層クラスター分析と非階層クラスター分析の2つの方法があります。階層クラスター分析は、初めに全てのデータ間の類似度を計算し、ある基準に基づいて順に似たもの同士をまとめ、最終的にいくつかのクラスターにまとめる手法です。計算数が多いため、あまり膨大な数のデータ分析には向きません。一方、非階層クラスター分析は、あらかじめ全体のクラスター数を決めておき、似たもの同士が同じクラスターに所属するよう全体を分割していく手法です。計算数は少なく済みますが、あらかじめクラスターの数を決める必要があるため、事前に分析の目的や仮説を明確にしておくことが大切です。

クラスター分析は応用範囲が広く、さまざまなビジネスの場面で活用されています。たとえば、クラスターごとに特性に合わせた内容のダイレクトメールやおすすめ情報の案内ができるため、効率的な販促活動が可能です。また、他社製品の属性でクラスター分析を行うことで、他社製品の品質や内容に加え、市場での企業価値や優位性も把握でき、自社製品の差別化に役立てられるでしょう。

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4P分析とは、「Product(製品)」、「Price(価格)」、「Place(流通)」、「Promotion(販売促進)」という4つの観点から企業戦略を策定するための分析手法です。「Product(製品)」には、機能的な価値だけでなく品質やデザイン、ブランド、保証などの観点も含まれ、顧客ニーズをどのように満たすか、顧客にとってのメリットは何かを考慮する必要があります。「Price(価格)」では、顧客が価値を感じられるか、商品価値との整合性はあるか、採算に見合っているかも考慮しなければなりません。また、「Place(流通)」では、ターゲット層に確実に商品を届けられるか、イメージ戦略に合った流通経路となっているかの検討も必要です。「Promotion(販売促進)」も同様に、ターゲット層に商品を認知し、情報を届けることが大切です。

このように、4P分析ではどのような製品を、どのくらいの価格で、どの流通経路で、どのように販促していくのかを考えることで、自社に適した戦略がとれるため、より顧客のニーズに見合った価値ある製品やサービスを提供できます。

商品の「強みと弱み」の把握にはSWOT分析を活用しよう!

SWOT分析とは、「Strength(強み)」、「Weakness(弱み)」、「Opportunity(機会)」、「Threat(脅威)」の4つの観点を分析し、自社にとっての市場機会や事業課題を見つけ出す分析方法です。4つの観点の頭文字が名前の由来となっています。SWOT分析を行うには、その商品の「Strength(強み)」、「Weakness(弱み)」、「Opportunity(機会)」、「Threat(脅威)」をそれぞれ書き出しましょう。強みと弱みは、企業の内部環境の特質をリストアップします。人材力や資金力、ブランド力などの経営資源などが対象です。一方、機会と脅威は、自社ではどうしようもない市場の変化などの外部環境が対象です。書き出しが終わったら、分析の結果にもとづいて取るべき答えを導き出します。

SWOT分析では内部環境と外部環境の両面から検討を行うため、市場の変化に対応できる強みがあるか、また脅威に対する弱みがあるかなど、より深く商品の強みと弱みを把握できます。弱みをどのように克服するか、または別のビジネスに切り替えるのか、強みをより伸ばして競争優位を保つのかなど、今後の戦略の判断基準を生み出すことに役立つ手法です。

商品分析に使えるレシートデータの魅力は、横断的に購買データを分析できる点です。具体的にはレシート1枚で、日付・時間・商品名及び金額(値引・単価・個数)・合計金額・電話番号、さらには購入した店舗のチェーン名・店舗名などの情報からユーザーのリアルな購買行動を把握できます。

「IDレシートBIツール」なら、消費者の購買や併買のデータを、店舗・カテゴリーを横断的に確認できます。膨大なデータを自社で集計・分析するには時間がかかるという場合に利用すると、効果測定の手間が大幅に短縮できるでしょう。また、同ツールでは、独自で構築した膨大なレシートデータから、コンビニエンスストア・スーパー・ドラッグストアなどの店舗別の売れ行きを可視化しています。POSデータでは見えづらかった自社商品の「買う人」と「買われ方」をしっかりと把握できるため、自社と競合商品の実売価格・売上が確認でき、顧客の理解だけではなく、商談時の資料としても利用可能です。

「IDレシートBIツール」の詳しい情報はこちらをご覧ください。

売上の増加や新たな顧客獲得だけでなく、業務プロセスの改善や新たな戦略立案にも欠かせない商品分析。ここまで具体的な手法を7つ紹介しました。商品分析を行う上で全ての方法を独自に行うことは手間がかかり大変ですが、IDレシートBIツールを利用すれば商品の買われ方を横断的に把握でき、効率よく販売促進や商品開発を行うことが可能です。一度試してみてはいかがでしょうか。

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