複数人の見込顧客

見込み顧客と潜在顧客との違いとは?
見込顧客へのアプローチ方法も紹介

見込み顧客や潜在顧客、優良顧客など、マーケティングにおいて顧客を指す言葉は複数あります。
それぞれの用語について、複数人でマーケティングを行う際に言葉に対する認識の相違が無いという事は重要です。この記事では、これらの語句の違いを確認したうえで、見込み顧客へのアプローチ方法や、その戦略の立て方、またこれらの言葉の類語について紹介していますので、是非最後までお読みください。

見込み顧客とは「自社の商品を利用する見込がある人」のことです。これは、潜在顧客よりも1段階購買に近い段階で、現時点で自社の商品やサービスに興味や関心があり、購買の可能性がある人を指します。

特にインターネットマーケティングにおいては以下の様な人が例に挙げられます。
・自社のWebサイト、ブログに会員登録している。
・メールマガジンに登録している。
・興味を持って資料請求をしている。

このように、何となく商品やサービスについて知っているだけではなく、特に自社商品やサービスに興味がある状態の顧客が「見込み顧客」となるのです。

次に、潜在顧客とは「見込み顧客になる可能性がある人」のことを指します。つまり、現段階では自社の商品やサービスについて購入したことがなく、認知もしていない状態であり、購買を検討するよりも前の段階であるため、商品やサービスを認知してもらうことで、今後見込み顧客になる可能性があると言えます。

つまり、将来的に顧客になる可能性がある人々は、「潜在顧客」から「見込み顧客」になり「既存顧客=優良顧客」になるので、潜在顧客と見込み顧客は既存顧客になるまでの段階が違うと言えます。


見込み顧客と潜在顧客、既存顧客の関係性

見込顧客の中にはいくつかの段階があります。それぞれの段階によって対策方法が異なるため、各段階の顧客を適切に把握することが大切です。

◾️初期の段階
初期段階の顧客は、商品やサービスを知り始めたばかりで興味はあるものの、まだ需要に対する自覚が少ない状態にいます。購買やお問い合わせなど自分から積極的なアクションを起こすことは少なく、商品やサービスの情報を受け取るだけになる傾向が多いです。そのため、商品やサービス内容の情報提供をしっかりと行い、顧客を引き込むことで、購買に転換しやすい状態を作ることが必要になります。

◾️中期の段階
中期の段階になると、顧客は対象の商品やサービスを「欲しい」と自覚はしていますが、まだ購入に至らない理由が存在します。購入までに至らない理由としては、予算や他社の類似商品と比較検討しているなどが挙げられます。この段階で有効な対策としては、自社製品と他社製品の比較情報を提供するなど、顧客に前向きな検討を促すためのアプローチを行うことが効果的です。

◾️後期の段階
後期の段階では、顧客は購入の一段階前にきており、具体的に購入を検討している状態です。この段階では、迅速かつ魅力的な情報提供を通じて顧客を確実な購買へと導くことが求められるため、競合に勝つためにもできるだけ具体的なアプローチ提供を心がけましょう。

それぞれの段階に合わせたアプローチを行うことで見込客を育成し、高確率で購買につなげることができるようになります。

見込み顧客には、上記の様な段階があるため、それぞれに合わせたアプローチをするなど、きっかけを与える事で商品やサービスを購買へと促すことができます。
では、見込み顧客へのアプローチとしては以下のような手法が挙げられます。

初期段階の見込み顧客に対するアプローチとして、商品やサービスについて情報を提供することが効果的です。具体的には、以下のようなアプローチ方法が挙げられます。

メールマガジン
展示会やセミナー
SNS

◾️メールマガジン
メールマガジンを活用して、定期的に顧客に有益であると感じられる情報を提供します。しかし、押し売りと感じられやすくなる場合があるため、顧客が自発的に読みたい・使いたいと感じるような内容に工夫することが必要です。商品・サービスへの興味を引きつけ、使いたいと思わせる情報提供を意識しましょう。

◾️展示会やセミナー
展示会やセミナーを開催することで、サービスに関する情報を顧客に提供し、購買意欲を育成します。展示会やセミナーでは、顔を合わせることで信頼感も生まれやすく、直接コミュニケーションをとる場を提供できるため、その利点を活かしながら、より商品やサービスの特性をアピールできる機会を目指しましょう。

◾️SNS
近年では、多くのユーザーがSNSアカウントを所有しています。自社の情報発信を通じて、SNS上で興味を引きつけ、顧客がサービスに対する関心をより深めることができます。ターゲット顧客が最も利用しているSNSを調査し、適切なコンテンツ提供をすることがポイントです。

中期段階の見込顧客には、より前向きに判断してもらうための材料を提供する事が効果的です。具体的なアプローチ例として以下があります。

展示会やセミナー
オウンドメディア

◾️展示会やセミナー
中期段階では、顧客は既に商品やサービスに対して「欲しい」と自覚していますが、まだ購入に至らない理由が存在している状態のため、顧客の求めていると思われる情報を積極的に提供しながら関心を高めていくことが重要です。展示会やセミナーを通じて、商品やサービスに直接触れる機会を設けたり、対面だからこそ伝えられる魅力やアピールを提供するようにしましょう。

◾️オウンドメディア
オウンドメディア(自社メディア)を活用する方法も有効的です。中期段階では初期段階よりも商品やサービスについてより詳しく具体的な情報を求める傾向があるため、ブログやウェブコンテンツ、動画などを通じて、より深い理解を促進し購買までの一歩をサポートしましょう。

後期段階の見込顧客に対しては、最優先で具体的なオファーを行うことが重要です。
具体的な対策として以下の2つがあります。

電話を用いたアプローチ
ダイレクトメール

◾️電話を用いたアプローチ
電話を用いたアプローチは、問い合わせなど具体的なアプローチがあった際に直接的かつ迅速に対応することが可能になります。問い合わせがあった場合は、迅速に顧客のニーズをヒアリングすることができ、商談の際には、その顧客に合わせた提案が出来るよう対策を行うことで購買の意欲を高めることができます。

◾️ダイレクトメール
特にプッシュ型営業が嫌いな見込顧客や、忙しくて電話に出ない顧客に対しては、ダイレクトメールを通じて一押しを行い、購買に繋げる方法が期待できます。個別にアプローチすることで、顧客の関心を引きつけることが可能なため、購買に繋がりやすくなります。

このように、見込み顧客の段階に合わせて、商品やサービスに対する興味を増幅させることで見込み顧客から優良顧客への育成に繋がります。
更に、定期的にメールマガジンによって見込み顧客の自社商品やサービスに対するニーズを高めるコンテンツを提供することや、コンテンツマーケティングにより見込み顧客のニーズを絞り込むことによって、見込み顧客を育成することでより購買や利用に繋がるとされています。


見込み顧客に電話する女性

また、現代では、見込み顧客に対するメールや電話、対面での売り込みのほかに、見込み顧客との信頼関係の構築が重要であるとされています。
アプローチの際には、売り込む雰囲気の強い商品案内ではなく、押し売りにならないように見込み顧客が欲しい情報、その商品のメリットや今後の展望について紹介することで、営業者が「顧客の信頼」と「サービスへの信頼」をつかむことが重要です。
見込み顧客と営業者の間で信頼関係が出来上がると、自社商品やサービスに対する信頼が得られ、購買に繋がります。

一方で、一度購入寸前までアプローチを掛けていたが、購入に至らなかった顧客をLead層と言います。このような購入に至らなかった顧客の約8割が競合他社製品を購入するという調査結果もあるため、Lead層に定期的なアプローチを行い「見込み顧客を優良顧客へと育成する」=「リードナーチャリング」を行う事も重要です。

では、先程挙げたアプローチを行うにあたり、有効な戦略について紹介します。

・ターゲティングを行う
自社商品やサービスがニーズとなる顧客は、「どのような属性」で「どのような特徴」を持つのかなど、どれが見込顧客であるかというターゲティングを行う必要があります。
顧客を明確にするために、ペルソナを作成することも効果があり、例えばIDレシートBIツールを用いてペルソナを作成することでよりリアルな顧客像を想定でき、顧客の「課題」や「情報収集方法」などを想定することで、どのようなアプローチが必要か、戦略を立てることができます。

例えば、脱毛サロンであれば20代~30代の方において関心が高まっていると予想できるので、これに更にリアルなデータを足してペルソナを作ると、普段の悩みは「ムダ毛があること」であったり、サービスに対する課題は「痛み」や「値段」などが挙げられるとします。
では、自社サービスでは「痛みが少ない」ということや、キャンペーンで金額が安くなるなどの訴求といったアプローチを行うことが戦略として考えられます。また、ペルソナを設定することで、その顧客の情報収集媒体を想定できるので、そのアプローチは、SNSなのか、ウェブ広告なのかということも考えられます。

・カスタマージャーニーマップの作成
顧客が自社商品やサービスを認知し、購買に至るまでのプロセスをまとめたものがカスタマージャーニーマップであり、これを作成することで、顧客はどのような経路をたどり、どこで商品やサービスを知り、何故興味を持ったのかについて考察することができます。
これにより、購入までのプロセスでタッチポイントはどこだったのか、何故検討したのかなどを把握することができ、それぞれのプロセスにおける課題に沿ったアプローチを練ることができます。

・CRM(顧客管理システム)の導入
CRM「Customer Relationship Management」システムを導入することで、顧客情報や購買履歴などを確認することができます。これにより既存顧客を管理することができ、その既存顧客と見込み顧客との共通点や違いや、顧客満足度向上のための課題からアプローチ方法を検討することができます。

さきほど、「潜在顧客とは「見込み顧客になる可能性がある人」のことを指し、自社の商品やサービスについて購入したことがなく、認知もしていない状態である。」という説明をしましたが、これに当てはまるすべてが潜在顧客であるというわけではありません。
潜在顧客は見込み顧客の前段階であるため、商品やサービスを「認知することでニーズが発生する」ということが未来の顧客になるために重要なポイントです。

例えば、ジムを検討している関西圏の人では、東京にあるスポーツジムを認知してとても通いたくなったとしても、距離が妨げとなり、見込み顧客になる可能性は低くなります。
一方で、ジムを検討している人が、東京在住で通える人であれば、見込み顧客になる可能性は高くなります。

このように、潜在顧客とは、「商品やサービスを認知させることで、個人のニーズを認知させられることで、見込み顧客になる」という人なのです。
そのため、ターゲット層以外もすべて潜在顧客であるというような考えに陥らないよう注意しましょう。

ここまでで、見込み顧客には3つの段階があり、段階ごとに合わせたアプローチが必要であることを紹介しました。また、アプローチを行うためにはターゲティングやカスタマージャーニーマップの作成などを行い戦略を立てることも重要です。
ただし、このアプローチ戦略を正確に立てるためには、どの様な顧客がどの様な商品を求めているのか、どのような生活を送っているのかなど、自社が対象とするターゲット像をどこまで明確に出来るかどうかが鍵となります。
そこで、見込み顧客へのアプローチ戦略を立てる為に活用できる事実データとして、顧客の購買情報が挙げられます。特に、生活者の購入レシートをデータベース化した情報を用いる事で、より明確なターゲティングを行うことができます。
例えば、「IDレシートデータ」がこれに挙げられます。具体的にはレシート1枚で、日付・時間・商品名及び金額(値引・単価・個数)・合計金額・電話番号、さらには購入した店舗のチェーン名・店舗名などの情報からユーザーのリアルな購買行動を把握できます。

「IDレシートデータ」なら、消費者の購買や併買のデータを、店舗・カテゴリーを横断的に確認できます。膨大なデータを自社で集計・分析する手間が大幅に短縮できるでしょう。また、IDレシートBIツールでは、独自で構築した膨大なレシートデータから、コンビニエンスストア・スーパー・ドラッグストアなどの店舗別の売れ行きを可視化しています。POSデータでは見えづらかった自社商品の「買う人」と「買われ方」をしっかりと把握できるため、自社と競合商品の実売価格・売上が確認でき、ターゲティングやカスタマージャーニーマップの作成だけではなく、商談時の資料としても利用可能です。

潜在顧客、見込み顧客へのアプローチを行う事は、企業の利益向上において重要なポイントとなります。
まず、潜在顧客がどのようなものかを理解して、これに合わせたマーケティングを行うことで、見込み顧客へと育成が出来ます。
また、見込み顧客もそれぞれに合ったアプローチを行うことで、優良顧客へと育てることができるでしょう。
IDレシートBIツールではレシートベースの様々な購買データを自由に利用できるため、自社顧客の興味や動向について把握でき、まだ顧客でない人の購買データから、どのような人が潜在顧客になるのか、見込み顧客になるのかを検討することで、よりターゲットを絞ったマーケティングができます。ぜひ、実際のデータを用いたマーケティングをお試しください。

「IDレシートBIツール」の詳しい情報はこちらをご覧ください。

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