顧客とはと悩む図

顧客とは?
顧客とお客様、類語の違いについても簡単に解説。

顧客やお客様と言った言葉はマーケティング業界だけでなく、さまざまな場面で使われます。ただ、類語であるため、その違いや使い分けについて詳しくないという方もいるでしょう。
本記事では、顧客とはなにか、お客様や類語との違いと、顧客の段階による呼び分けについても紹介しています。また、各顧客へのアプローチ方法についても記載しているので、ぜひご参考ください。

顧客とは自社商品やサービスの購買をしている、または購買を検討している人のことを指します。顧客もお客様であるとする場合もあり、マーケティングの観点で管理したい個人や法人のことを「顧客」とする場合もあります。

顧客は、一般的には自社商品やサービスを購買している人を既存顧客やリピーターを指す場合が多く、「客」は自社商品やサービスの利用がまだない人のことを指すという違いがあります。

場面によって使い分けられることもあり、社内では顧客、対面する際にはお客様というように使う事も一般的です。
また、マーケティング分野においては「客」、サービス業では「顧客」という表現が使われやすいとも言われています。

お客様の他にも類語として注目される語句として消費者、取引先、ユーザー、クライアントなどがあげられます。これらを簡潔にまとめると以下のようになります。

・消費者:商品やサービスを消費する人のこと。自社顧客に限らず総称として使われやすい。
・取引先:顧客を含む商売上の取引相手のこと
・ユーザー:利用者のこと。すべての顧客、お客様についてもユーザーと言える。
・クライアント:顧客とほとんど同義。依頼人という意味合いが大きい。

それぞれ混同しやすい言葉であるため、適切な使い分けが大切です。

顧客のうち、マーケティングにおいてよく使われる用語は6つの種類があります。ここでは、購買の前段階の顧客から購買に至った顧客までのステータス順に各顧客の意味について紹介します。


顧客の種類

潜在顧客とは、自社商品やサービスの購買がまだ一度もなく、認知もしていない顧客のことで、「認知することで、その人にとってのニーズが生まれ見込み顧客になる可能性がある人」を指します。
これは、購買を検討するよりも前段階のステータスであり、認知されることで需要が生まれる可能性があるため、SNSやWeb広告などのマーケティング戦略により認知してもらう事が要となります。

見込み顧客とは、自社商品やサービスについて興味を持っている状態の顧客のことで、潜在顧客よりも1段階購買に近づいたステータスを指します。
見込み顧客は、既に認知だけでなく購買を検討するために、メールマガジンを登録していたり、資料請求をしている状態を指すため、アプローチを行うことで実際の購買へつなげることができる可能性が高い顧客です。

購買につなげるためには、顧客にあった訴求をすることで顧客のニーズをより刺激するようなアプローチを行うことで購買を促す必要があります。

休眠顧客とは、既存顧客に対する効果的なアプローチができずにリピーターにできない期間が長期化してしまった顧客のことを指します。
既存顧客をリピーターにする、また休眠顧客を起こすための対策として、商品を魅力的に書いたメールマガジンの利用や、クーポン券など特典付きのDM配布を行うなどが挙げられます。
また、テレマーケティングなどの電話でのアプローチも効果があり、直接的なコミュニケーションを取ることで、顧客の声から課題を見つけることができるため、それにあったアプローチをとる事が重要です。

既存顧客とは、自社商品やサービスを1度以上購買、利用したことがある顧客を指します。
既に、購買経験があるためその顧客満足度をあげることで、リピーターとして育成することができる状態です。
特に、「実際購買したものの、思っていた物とは違った」「競合他社の商品の方が魅力を感じた」など、様々な理由で、1度だけの購買にとどまってしまう顧客もいます。そのため、リピーターにつなげるには、顧客が購買体験において「どのような事を感じたか」といった分析を行う事も重要です。

また、継続的な購買を促すため、新商品についてのメルマガやDMを用いるなどコミュニケーションに重きを置きながら、アフターフォローしていくこともポイントです。

リピーター(優良顧客)とは、自社の商品やサービスを繰り返し購買してくれている顧客のことです。「売り上げの8割は2割の優良顧客によるもの」というパレートの法則が有名で、リピーターは経営の安定化に欠かせない存在です。
更に、リピーターは自身の購買だけでなく、自社ブランドに好感を持っている可能性が高いため、周囲の人に商品を勧めるなど自身が広告となってくれることも期待できます。

顧客ロイヤルティが高い顧客とも言え、離反を防止する施策として、こちらにもアフターフォローをしていくことが重要です。

新規顧客とは、過去に自社商品やサービスを一度も利用していないが、見込み顧客よりもさらに自社への興味が高まっている段階の顧客のことで見込み顧客と同等に扱われることもあります。
新規顧客についても、見込み顧客と同様に更なるアプローチを行うことで、実際の購買につなげることができる可能性が高いと言えます。

見込み顧客をアプローチによって育成した状態とも言え、営業者からの電話やメールを用いたコミュニケーションがより効果的な状態です。

各顧客への段階別、ステータスごとのアプローチがマーケティングにおいて重要になります。ここでは、潜在顧客・見込み顧客・既存顧客/リピーターのそれぞれに対するアプローチ方法をみていきましょう。

潜在顧客に対するアプローチとして、大きくインバウンドとアウトバウンドを用いた方法が考えられます。以下にそれぞれの方法について解説します。

インバウンドアプローチでは、まず潜在顧客を見つけるためにSTP分析を行い、顧客を分類(セグメンテーション)することで、効果的なターゲットを設定します。そのターゲットに基づいたPRを行うことで顧客に認知させることができるようになります。

インバウンドアプローチでの具体的な対策としては、オウンドメディア、SNS、セミナー、リスティング広告などが挙げられます。

アウトバウンドアプローチでは、情報発信を通じて積極的に潜在顧客にアプローチし、展示会やテレアポを通じて関係性を築くことが効果的です。しっかりと計画し準備した上での実施は、効果的な顧客獲得が期待できます。

展示会では特に、BtoBの潜在顧客を見つけるための発掘手段として有効的です。
また、テレアポでは、ヒアリングを通じて相手のニーズを把握し、関係性を築くことで、顧客獲得を目指します。テレアポはスキルが必要であるため慎重な進行が求められますが、顧客との信頼関係が築きやすい機会でもあります。

見込み顧客を獲得するマーケティング手法を「リードジェネレーション」と呼びます。
また、検討意欲を高めるアプローチ方法を「リードナーチャリング」と言います。

リードジェネレーションには、ペルソナ設定を行うなど工夫が必要で、自社商品をより必要とする層に対して効果的にアプローチをすることができます。具体的には、ウェブサイトのトラフィックを増やすためにSEOやオウンドメディア、SNSの活用などを通じて、興味を持ってくれる潜在顧客を引き寄せます。

リードナーチャリングは、リードジェネレーションで獲得した潜在的な顧客を対象に、その興味や検討意欲を高め、購買に結びつけるためのアプローチです。具体的には、メールマガジンやリスティング広告などを使用して、潜在顧客との関係を深め、最終的な購買へと導く方法があります。

ペルソナ設定について詳しくはこちら:ペルソナの作成方法とメリットを詳しく解説!マーケティングに活用!

リピーターを育成する際の重要なポイントは、顧客との共感を得ることです。企業理念や訴求のワードに共感した顧客が商品に興味を持ち、購入を検討する場合があるため、商品へのこだわりや特徴を明確に伝えることが重要になります。

また、リピーターになることで得られる特典や特別なサービスがあると、リピーターになるメリットが伝わり、リピートする動機を強化させることができます。この場合は、誕生日のクーポンや購入者限定セールなどが有効で、メルマガやフォローメールを通じて定期購入を促進させることが効果的です。

リピーターへのアプローチとしては、離反を防止することが重要です。離反が近づいた顧客の典型的な行動には、購入頻度の減少、クレームの増加、購入済みページの閲覧回数の増加などがあります。これらを防ぐためには、カスタマーサポートやカスタマーサクセスを充実させ、顧客の満足度を向上させることが必要です。
積極的なサポートや付加価値の提供を通じてリピーターの満足度を高め、離反を防ぐ取り組みを行いましょう。

顧客について段階別のステータスがありますが、どの顧客に対してもアプローチをかけることが顧客を育てる上で重要です。
では、その効果的なアプローチ戦略を立てることが顧客を育てられるかどうかのポイントとなります。例えばIDレシートBIツールを利用すると、自社顧客だけでなくコンビニでの購買データなどすべてのお客様の実際の購買データを利用することができるため、以下の様な分析が行えます。

・自社商品の顧客について新規と既存や、リピーターの割合を分析
・新規顧客やリピーターが他にどのような商品を購買しているのかを分析
・休眠顧客が顧客復活したきっかけを探せる

まずは、自社顧客のステータスを確認し、各ステータスの顧客が他にどのような商品やサービスに興味を持っているのかを確認することができます。
また、レシートベースの購買データから顧客の購買行動を日ごとに確認できるため、どこでどの様な体験をして顧客が復活したのかも追うことができ、休眠顧客復活の糸口を知ることも可能です。このような、データの活用によって、各ステータスの顧客にどのようなアプローチが必要か戦略を立てることができます。

お弁当チェーン「ほっともっと」「やよい軒」などを展開する株式会社プレナス様での例

A.活用内容:コンビニでの売れ筋から世の中のニーズを把握

きっかけ:「ほっともっと」ではビビンバを一時休止している時期があった
1.コンビニの売れ筋としてビビンバのお弁当がよく売れていた
2.「ほっともっと」なら店内調理のため本格的な焼肉ビビンバ弁当が作れる
3.再販を行った

結果:再販後は予想通りよく売れた

この様に、データを分析した上で自社商品のうちどれを再販するかによって休眠顧客を起こすことや見込み顧客を見つけて既存顧客へと移行させることができます。

詳しい活用事例はこちら → 導入企業様の声(株式会社プレナス)

顧客には、潜在顧客からリピーターまで様々な種類があるため、それぞれに合わせて使い分けを行うと良いでしょう。
ただし、必ずしもこの限りではなく、業種によって使い分けが違う場合もあります。
また、実際の購買データをもちいたアプローチを用いる事で各顧客に正しいアプローチを行う事が顧客獲得では重要です。
市場のニーズと顧客のニーズを理解したアプローチを行いましょう。

「IDレシートBIツール」の詳しい情報はこちらをご覧ください。

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